好きノート9 好きな贈り物
贈る時も、贈られる時も、その贈り物にたどり着くまでのストーリーの方が好き。
1本の真っ赤なバラ。花屋さんで照れながら、店員さんにリボンかけをお願いする。なんてお決まりのストーリーじゃなくて。
そのバラはアフリカからやってきた。強さと美しさに惚れ込んだ一人の男性が、日本でそのバラを販売したいと考えた。
アフリカのバラは日本では全くの無名。販路を広げるためには、まずその良さを手に取って知ってもらうことが大切。男性は、道行く人に「あなたの大切な誰かにプレゼントしてください」と言って、無償でバラを渡すキャンペーンをした。
今朝、その人のプレゼンテーションを聞いてきたんだ。会場の参加者全員にも、持ち帰って誰かにプレゼントしてくださいって、バラの花がたくさん用意してあった。だから僕は1本もらってきた。貴女にあげようと思って。
(なあんだ。買ってきたんじゃなかったの。花屋さんで照れながら、リボンをかけてください、って言ったんだと思ってた。)
あれ…私ったら、お決まりのストーリーを期待していたのか。
でも、嬉しかったよ。大切な誰か、で私を思い出してくれたんだよね。