西のジョナサン、東の銀さん
冬の徒然、夜の寂幕、
肌寒さと夜の静寂に浸り、鈍い音を響かせるお腹を手で抑えながら足早に向かう先、
ウォーミングアップは上々、昼に食べたトッポギが未だ胃の中に跋扈しているのが玉に瑕ではあるけれど、気持ちは一心に赤身と霜降り、その妙理を求めて邁進する。
口に含み、ほんの幾許かの咀嚼ですぐに悟る、「噛みきれない」という感覚。まだ塊として残る無惨な姿の片鱗を、薬の嚥下よろしく水の勢いと共に喉に押し込む。
そんな経験を何度も経て、たどり着いた先は「肉嫌い」。
だって美味しくないんだもん。
お肉は不味い、不味いはお肉。
マクベスの魔女も頷くこの一節に、20年間支配されてきました。
今の今までは……
その価格が纏う強者のオーラ、
その繊維が噛みちぎられた瞬間に広がる肉の旨み、
そしてその柔らかさに目が開き、
舌鼓を打つ余裕もなく余韻に浸る。
美味しい。ただただ美味しい。いいからとりあえず食べてみろ、そう言いたくなる。
自分が食べてきたお肉は氷山の一角、手軽に買えてリーズナブルな一般兵。ここに鎮座したるは鍛え抜かれた至極の近衛兵…
格の違いを見せつけられた。
次に出たるでは厚みのある重装兵、
その出で立ちたるや堂々の自信、程よい霜降りが光に反射して輝いている。
その横に並べられたのは、一個体からわずか数パーセントしか取れないという最高級肉、シャトーブリアン。言わずもがなの名君である。
別店舗で二回ほど、これの半分くらいの額のシャトーブリアンを食べたことがある。いずれも脂身を強く感じ、胃が重くなってしまい、苦しい思いをした記憶がある。
倍額の貴君がどれほどの差異をもたらせられるのか、その絢爛たる容姿を目で舐めながら網にのせる。
うますぎる。厚みに比例したかみごたえと、どこを噛んでもスッと噛み切れる柔らかさが両立していて、タレなんてつけなくても十分おいしい。
すでにいくつも品を頼んだ後で食べたのに、全く胃がしんどくない。むしろおかわりしたいと思えるほど絶品だった。
肉の旨みの濃淡でいえばフィレに軍杯があがるが、塩との良いバランスと肉厚の感触を楽しむ、まさに贅沢品といえる。
というか、焼肉は岩塩が一番だと思う。
タン言うまでもなく安定のうまさ。
だけどタンって超絶うまいというより、安定の味って感じがする。
けれど後日別の焼肉屋さんで頼むと、咀嚼に時間がかかって、終盤は顎が疲れてきてしまった。
そういう「食べるしんどさ」が一切なく、かみごたえがあるなと目尻を垂らしながら咀嚼しているうちに無くなるこの塩梅が、やはり良いお肉とそうでないものとの境目だと思う。
〆に食べた焼肉。頼み忘れてた。順番が順番だろうけど、一番胃に来た。唯一のリピなしかな。
焼肉屋で必ず頼むユッケ。
黄身の色が素敵。
ユッケも舌鼓を打つほどのあたりに出会えることはほとんどないのに、毎度頼んでしまう。
黄身を絡めたユッケをそのまま七輪で焼くと焼けた卵の奥深さが良い感じのシナジーで、絶品に変化する。
フィレ単品頼むよりもコスパいいんじゃないかと雑念がよぎってしまう。
素晴らしいお肉を提供してくれたのは、枚方市樟葉にある「焼肉 さか元」。予約で埋まっていたため、すぐ近くにの二号店「焼肉 さか元〜はなれ」に案内された。
店の雰囲気が若干異なるが、どちらもメニューは同じでその味は間違いない。
こちらは上と同じく樟葉にある「焼肉のこんげり」。
ぷりの名を冠する少々厚切りのこのタンですが、とくにプリプリするかと言ったらそうでもないです。
けれど友人はこれが一番気に入ったみたいでリピートしていました。自分のぷりセンサーが不良なのかな。
こちらのシャトーブリアンは脂身がお盛んすぎてかなりパンチを食らいました。リピなしです。
さか元ではこれをサイコロ型にカットしてくれていたので食べやすいし食べる回数も多くなるので、少し得した気分になれたのですが、
こちらは長細くカットしてあるのみで、少々食べにくさもありました。
ただしこのお店の一番良いところは接客でした。
網の交換はもちろん、レモンまで交換しましょうかと尋ねてきました。常に笑顔に溢れていたのも印象的。
来店は2回目で、前回の方はそこまで愛嬌があったわけではなく、特段「笑顔で接客!」みたいな教育はないんでしょうけど、
腐ったみかんは周りに伝播するじゃないですけど、こういう当たりの良い人が一人いるだけで、そのお店のイメージそのものが底上がりするのは凄いなと思いました。
ごちです。
IPPONグランプリで、コンプライアンス的に鬼に対して豆を投げられないこのご時世にどう対処するかというお題に対して、鬼から豆に当たりにいく、という見事な解法がありまして
自分ももっと積極的に当たって砕けていかないとなって求人を探しながら思います。コールセンターで働く身でありながら電話めちゃくちゃ嫌なんですよね。
「かしこまりました」はまだいいとして、「承知いたしました」は流石に恥ずかしい。でも癖で出てしまうから死にたくなる。
恵方巻きは、京橋の「焼肉 熱帯夜」で頂きました。「ヨルテヤ」と読むらしい。
焼肉屋さんならではで、ちょっといいお肉が巻かれているみたいでした。味は普通です。
ただ炙りユッケがダントツ優勝で美味しかったです。タレが濃いからかな。炙りだからか。
とかく焼肉巡りはこれからもボチボチ続けたいと思います。今回は自分の留学テストの合格祝いも兼ねて贅沢したんですが、今度は叙々苑で散財する言い訳を作れるように、何かしら頑張りたいと思います。
とりあえずビザ申請ですかね。
一人夜勤で欠員がでたので勤務できませんかと頭を下げられたので、うんこらしく「すみません💩」と返事して、
さてと、と一息ついて「ジョン・ウィック パート4」を親と鑑賞。
何故かいつの間にかジョン・ウィックファンになってた母のためにスピーカーの電源を入れ、重低音が鈍く響くイントロと共に、
聖人キアヌ・リーヴスが敵の脳天を貫いて幕が上がります。
ジョン・ウィックは西洋の銀魂だと思ってるのでどうせパート5出てくるんだろな、ネタが尽きたら是非アサシンクリードとコラボしてください。布教の準備だけは周到です。