見えなくても点字!?
見えなくても点字って、見えないから点字なんじゃないか!?
視覚障碍者は70%くらいが高齢者、つまりほとんどが中途失明である。
その中で文字処理ができないくらい見えない人は一定数いるけれど、ストレスなく点
字が読める人の割合はかなり低い。
更に昨今はPCやスマホがあるので点字よりそちらを習った方がはるかに生活の質の向
上に直結する
私が最初に点字をまともに見たのは区報か何かの点訳で、やたら分厚い冊子だった。
真っ白で虫の卵みたいなぶつぶつが一面を覆っていて、これを指で文字として認識す
るとかどんなムリゲーかとビビった。
しかし読み書きができなくなるのは時間の問題だからそろそろどこかで習わにゃいか
んだろうなと思っていた。
地元のカルチャー講座の中に点字教室があったのでそこに申し込んだら、こちらは点
訳ボランティア養成講座で、リアル盲人予備軍は私だけだった。
その旨申告したら、全盲の先生が点字図書館や東京の視覚障碍者協会を紹介してくれ
てそちらで習う事になった。
仕事をやめて、盲学校に入るまでに1年近く準備期間があったので、とにかくいつで
もどこでも点字のテキストを持って歩き、いつでもどこでも触るようにしていた。
点字は構造としてはアルファベットの理屈で、書くのはさほど難しくないのだが、前
述通りあのぶつぶつを指で文字として認識できるようにトレーニングするのがとにか
く大変。
指の感覚は年齢とともに衰えてくるので、20歳過ぎてから練習しても小学校のころか
らゴリゴリ点字で勉強している人のように破約読めるようにはならない。
だから中途視覚障碍者の中には、はじめから点字習得をあきらめてしまう人も多い。
さらに点字は漢字がないのでそのままベタに書いてしまうと全部平仮名で書いてある
文のように読みにくくなってしまうので文節ごとにマス開けをする。
このルールがやたら複雑でしかもしょっちゅう変わる。
いろいろと理由があるみたいだけれど、漢字かな交じり文の世界から来た身には理解
不能である。
私のような中途障碍者には点字オーソリティーの自己満足としか思えない。
見える人たちの活字の世界でこんな事やったらもうパニック間違いなしである。
そしてこれも中途障碍者の点字学習のモティベーションを下げる一因になっているに
違いない。
いろいろ文句はたれまくったけれど、とりあえずはり灸の勉強は音声と点字の両刀遣
いでどうにか乗り切った。
音声だけだと聞き違いがあったりするので、とりあえず点字という文字で確認するこ
とによって新しい用語の確認ができた。
見えていた時は教科書の文字を思い浮かべたりしていた所、点字で勉強した内容は指
の感触で思い起こされたのは面白い体験だった。
今はたまに点字でメモを取ったりはするけれど、ほとんど点字を使う事はない。
でも、エレベーターの点字や駅の階段の○○番線○○方面という表示にはとても助け
られている。
デパートのウォシュレットの表示もありがたい。
正直私は今でも点字は嫌いである。
勉強するなら当然PCやスマホを優先すべきだとも思っている。
でも、町中の点字が読めれば単独外出が楽になるのは確かである。
中途失明者の皆さん、無理にとは言わないけど、ちょっと点字が読めるとちょっとお
得な事があるかもよ。
くどいようだけど、大事な事なので二度言います。
かわい いねこは点字が大嫌いです!!
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