見えないからマッサージ!?



大学を出た後はり灸マッサージ、いわゆる三療の視覚を取りに盲学校の理療科に進学
したのだが、そこで驚いた。

皆が皆そうであるわけではないが、中高生の間では理療化に行くのは大学に行かれな
かったから・・みたいな雰囲気になっていたのである。

いやいや、大学を出ても仕事がなかったから私は盲学校に来たんだよ。

、以前にも書いた通りコスパ的にも三療の視覚を取らない選択肢はないはずである。

でも私の場合、人生の途中で方向転換を余儀なくされ、合理的に考えた末の結論であ
ったけれど、子供のころ周りの健常者の子はサッカー選手だのケーキ屋さんだの言っ
ている一方、お前にはマッサージしかないと言われたらどうだろう。

障害のある子は夢を持ってはいけないのだろうか。

それはあまりにも残酷である。

親は世間を知っているので、優秀な子供には公務員である盲学校の先生になる事を勧
める。

特に理療化なら先生になれなくても視覚を持っていればどこでも働けるし、理療化の
先生なら周りに視覚障碍者も多いので目が見えないことで肩身の狭い思いをすること
が少なくなるだろうとかんがえるのである。

それでも若い人たちは他にやりたい事もあるし自分の可能性に挑戦したいと思うのは
なんら不自然な事とは思えない。

そして多くの視覚障碍者が大学に進学していくのだが、やはり就職で躓いたりして理
療化に戻ってくるというケースも少なくない。

盲学校は閉じた社会なので大学という外海にでて社会勉強をしてまた戻ってくるとい
うのは賢い選択だと思う。

理療化の勉強もかなり大変なので、自分で納得して取り組んだ方が身につくというも
のである。

それに、三両の免許を持っていればフレキシブルな働き方ができる。

例えば音楽だけでは食べていかれなくても晴眼者が居酒屋でアルバイトしている感覚
で生活費の足りない部分をマッサージで稼ぐことができる。

別に会社や治療院でフルタイムで働かなければならないわけではない。


いまは当時と比べるとPCやスマホなど、かなり使い勝手がよくなり、事務仕事をして
いる視覚障碍者もたくさんいる。

それでも一部のチートを除けば見えている人と同じ生産性を持って働けているのだろ
うか。

企業でマッサージをしている私もPCは使わなければいけない場面がそこそこある。

でも会社独自のシステムは音声が乗らない部分もあるし、マウスを使わなければ動か
せない処もあるので、結局見える人の手を煩わせている。

健常者も皆が皆つきたい仕事についているわけではない。

障碍者でも夢をかなえている人はいる。

自分がどの道を選択するかは障害は関係なく自分自身で決めなきゃね。

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