見えなくても情報共有
十数年前、ラジオから聞こえてきたセブンイレブンのCM。
「みんなのATM」
ああ、どうせ私は「みんな」には入ってないんだよなとやさぐれた。
それからしばらくして、同じCMで「目が見えない人も」というアナウンスが!!
驚いた。早速近くのセブンイレブンに行ってみた。
おお!!音声対応しているじゃないか!!
だがここでぬか喜んではいけない。銀行のATMの時もそうだったのだが、同じ銀行で
も音声で使えるのと使えないのがあった。
私は駅から遠い辺鄙なところや、「障碍者なんて来るんじゃねえ」オーラを発してい
る、音声信号もないようなおしゃれスポットにも行ってみた。
同じ機械が入っていたので、当然全部音声対応していた。
私はこのことをラジオで聞いて知ることができたけれど、、ほかの見えない人は知っ
ていたのだろうか。とりあえず知り合いに喋りまくったがラジオをほとんど聞かない
友達は知らなかったようだ。
他のコンビニはと思い、偵察に行ったが、そのころはまだセブンイレブンだけだった
。
そうこうしているうちに、他のコンビニのATMにも音声対応の機会が導入されていた
が、それがいつからだったのか、少なくとも私は知らない。
選挙の候補者のプロフィールが書く地方自治体によって音訳点訳がされていることも
、NHKの人に教えてもらってはじめて知った。
せっかく苦労して点訳音訳を作ってくれているのに、それが視覚障碍者にちゃんと届
いていないのは何ともったいない。
見えなくても選挙 2 ~膝摺りあうも大きな縁~|かわい いねこ|note
https://note.com/nyaf/n/n11f830e3ebeb
そう言えば、点字を勉強してからしばらく、駅の階段の手すりに点字がついているこ
とを知らなかった。
「南口に行くのはどの階段かわからん!」とぼやいていたら、友達に「手すりの展示
読めないの?」と聞かれた。
そんな便利なものがあるなら教えてくれよ!!当時はその存在すら知らなかった。おか
げさまで今はとても便利に利用している。
視覚や聴覚などの感覚障害は情報障害とも言われる。見えなかったり聞こえなかった
りすることによって必要な情報にアクセスできないのである。
場所にもよるが、最近は駅の中でも改札やトイレの位置など音で知らせてくれている
のでとてもありがたい。車内アナウンスも、見える人にはうるさいかもしれないけど
、見えない人にとっては今自分がどこにいるか、次の駅はどこかを知るための重要な
情報源になっている。
ここ何十年、行政も民間も、情報障碍者のためのアクセシビリティーのために頑張っ
てくれている。しかし、これが障害当事者になかなか周知されていないような気がす
る。
私は友達やヘルパーさんとの雑談とかSNSなどで偶然知ることが多い。
先日もTwitterに「次回のIOSのupdateはボイスオーバーユーザーには不具合が出るか
もしれないからやめておいてね」という情報が流れてきた。スマホに詳しい友人が以
前、自動updateにしておくと、ボイスオーバーに不具合が出ることがあるから、その
都度様子を見ながら自分でやったほうがいいと言っていた。おかげで今のところ朝起
きたらスマホがしゃべらなくなっていたという怪現象には遭遇したことはない。
そういえば、同じ友達に、盲人ローカルな情報を落とさないためにもSNSは一つくら
いやっていたほうがいいんじゃないかと言われたのがきっかけで、一番簡単そうなTw
itterを始めたのを思い出した。
とにかくせっかくあるサービスに対して視覚障碍者が知らないという残念な事がしば
しば。今はGoogle先生とかいろいろあるじゃないかと思われるが、PCやスマホを音声
で操作するにはまだまだ壁がある。そんなに高齢というわけでもないのに、いまだに
情報源がラジオだけという人も少なからずいるのも事実でr。。
医療や福祉サービスの事に始まり、生活面やPCスマホへのアクセシビリティー、うま
く皆に周知させる方法はないものだろうか。
地域の障碍者団体が高齢化してきて問題になっているが、もっと情報発信の基地とし
て機能すれば、活動の活性化にもつながると思うのだけれど、難しいのかな。