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首輪チャレンジ
第二班の手術日(といっても一班と一日しか変わらないが)からぴったり十日後、病院にてフラワーズ全員の抜糸してもらった。
と同時に三種混合ワクチンの接種も。
手術までしちゃったんだから、もうついで!ついでにワクチンもドーンとやっちゃって!
そんな心境である。ふう。
ついでといえばついでに、フラワーズに首輪も購入してしまった。
先住猫たちもつけてない首輪である。
過去猫に首輪ハゲを作ってしまって以来、避けてきた首輪をである。
フラワーズはあくまでも一時預かり、のはずなのにである。
いや、弁解させて。理由は二つある。
一つ目。
病院に連れて行く際、一応洗濯ネットに一名ずつ入れていくのだが、キジトラたちは額の模様を見ないと判別できず、ネット越しでも分かる目印が必要だった。
二つ目。
この子たちが行政から捨て猫と即断されたのは、首輪もしてなければマイクロチップも入れられていなかったからで、それが不憫だったため。
だからつい、というかどうせ買うならと、迷子札もオーダーしてしまった。
表に名前(仮名だけど)、裏に連絡先(仮の宿だけど)が入った小さいシルバーのプレート。
いいのだ。
晴れて里親さんが見つかり、無事嫁に出すことができたら、そのプレート付き首輪は記念にとっておくのだ。だからいいのだ。
と自分に言い訳しつつ、それでも首輪を選ぶのにウキウキしてしまうこの気持ち。もう弁解もきかない。
好きな子にはどれが似合うかなとあれこれ見立てて迷うのって楽しいですよね。
首輪歴があるかどうか分からないから、もしかしたら嫌がるかもしれない。
だったら締め付け感の少なそうなシュシュタイプがいいかな。
今どきのシュシュ首輪はちゃんと安全性にも考慮してあって、感心した。色はどうしようかな。ふふふ、楽しい。
かくて。
選んだのは全員お揃いのシュシュタイプで、ぽぽがイエロー。れんげがパステルグリーン。あざみがオレンジである。
それぞれのイメージと、毛皮の特徴からセレクトした。
で、その首輪をしたフラワーズは…ヤダなに可愛い!(お見苦しい表現、恐縮である)
突然つけられた首輪をフラワーズは嫌がることもなく、保護主ご満悦、洗濯ネットの有無を問わず判別がしやすくなってめでたしめでたし。
と言いたいところだが。
シュシュ首輪の弱点が一つあった。首のところで割と太めの区切り線が入るので、頭がでかく見えるのだ。
うーん、じゃあ細い紐タイプのはどうかな?(完全に首輪沼にはまっている)
天然素材で軽くてセーフティバックル付きというとても素敵な首輪を見つけ、嬉々としてポチるわたくし。思う存分笑うがいいさ。
しかしその紐の首輪は、暴れん坊将軍・ぽぽにつけたものが早々に外れ、れんげによってブチブチに噛まれて細断されてしまった。
しかも、プレートとバックルは無事発見できたものの、紐の一部はれんげの腹の中に入り、五日後に立派な紐状のまま排便された。
おかげで一時青くなっていた私の顔色も元に戻ったが、本当に、大事に至らずラッキーだった。ただただラッキーだった。
そんなわけで、首輪は元のシュシュタイプのものに戻った。
現在も無事、フラワーズの首のところで太めの区切り線を描きつつ、仮名と私の携帯番号が刻まれたプレートをキラキラと閃かせている。