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[全文無料化]90戦勝率70%!シティ準優勝ひおくり型ソウブレイズの解説(無料6,000字、全文10,700字)
2025年2月12日追記
公開から日が経ち環境も変わりましたので、全文無料化します。
特性ひおくりについては、ヒビキのホウオウの登場により、かなりの盛り上がりを見せると予想していますし、おそらく「ひおくり」からの検索で辿り着かれた方も多いのかなと思います。
ありがたいことにひおくり関連noteで1.2を争うほどの高評価を頂き、私としても最も愛着のある一作目のnoteが単なる読み物や、今後の戦術のエッセンスとして活かされたら私としても幸いです。
自己紹介
はじめまして。オオタチと申します。
ポケカ歴1年で、猫とオオタチ(ポケモン)が大好きなプレイヤーです。
息子の夏休みの自由研究においてポケカを題材にするくらいには、親子で真摯に向き合っております。笑
主な戦績は以下の通りです。よき家族の理解と、信頼できる仲間に恵まれて楽しくプレイさせていただいています。
・2024シティリーグS4_ベスト4、
・2025シティリーグS1_準優勝、
・自主大会優勝_数回
今回シティリーグで準優勝できたのを契機に、ソウブレイズの良い印象である「簡単、圧倒的初心者向けNo.1デッキ」の一方で、「ドローして手札使い切って殴るだけの脳筋デッキ」というネガティブなイメージを少しでも払拭し、また発展途上である多くのソウブレイズ使いのお役に立てたらと思い書き始めました。初執筆ゆえ、至らぬ点はご容赦ください。
シティリーグバトロコ津田沼
— オオタチさん (@nyaameko) October 13, 2024
準優勝しました🥈
トナメ全部ドラパルト!と思ってガンガン山掘ってたら実はコントロールデッキでLO負けしました。
ひおくりソウブレイズのリスト見てね! pic.twitter.com/vedBdGNSju
デッキレシピとコンセプト
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・サイドの進め方は2-2-2、または1-2-3とするのは全対面で概ね共通。例外はサーナイトと古代バレット。
・再現性を高めるため、パルキア等の別軸の進化ラインは採用しない。
・ピン挿しカードはデッキの勝ち筋を複数増やせる場合に限りOKとする。
・かがゲコのサイド落ちが一番つらい。けれどもヒスイのヘビーボールのヒット率が低い(たね9)ので、全体効率を重視して初動に枠を割く。
・初動はイキリンコとゼイユ/博士で様々な犠牲を払いながらも、山を掘り進める。(対面と手札の初動のエネ枚数で、イキリンコを使うか判断)
・ルミナス、レガシーエネをひおくりで動かすことによって、全員が即ワザを宣言できるのが強み。フレイムキャノン、月光手裏剣、サイコトリップ、クルーエルアローは全てシティリーグで使用。この攻めの多彩さが最大の武器。※細かい部分は後述
・反面、逃げ手段もひおくりによるエネ供給に頼るため、逃げロック※には弱い。ピィ以外が逃げるときはトラッシュのエネ調整(=しんえんほむらの打点調整)がメイン。 ※すすりなく、あまいわな等
対面ごとの勝率表(先攻/後攻別)
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能書きよりもやっぱり実戦ということで、上の表は90試合の結果です。その他にまとめた分も含めると、以下の通りです。
・圧倒的有利(勝率100%):レジドラゴ、テツノイバラ、ルギア、サーフゴー、ブリジュラス、パオジアン、ゲッコウガ、ニンフィア、ソウブレイズ
・有利~微有利:タケルライコ、ドラパルト、トドロクツキ
・五分:リザードン、サーナイト
・不利~微不利:ボムパルキア、古代バレット、ブジンガチグマ
2-2-2を進められるHP280以下の相手にはかなり強いこと。反面、HP120を超える非エク対面は極端に厳しいことがわかります。これは後程しっかり解説します。
なお、ボムパルキア使いは何故かじゃんけんが異様に強く、先攻取れたことが一度も無いので例外になっています。
簡単な環境考察とデッキ選択理由
現環境は、いろんなデッキが存在している良い環境です。各所でまとめられている通り、以下の通り認識しています。
基本的にはTire1の3つが頭一つ抜けており、高耐久力と高火力が共通項。あとはアグロ、カウンター、ミッドレンジが好みでバラけており非常に多様性のある環境かなと思います。
Tier1:タケルライコ、リザードン、ドラパルト
Tier2:ルギア、サーナイト、レジドラゴ、テツノイバラ
Tier3:パルキア、トドロクツキ、サーフゴー、テラパゴス、ソウブレイズ、古代バレット、カビゴンLO、(ミライドン)
<デッキ選択_相棒とのしばしの別れ(8月)>
私の元々の相棒はドラパルトです。使い込んでおり、愛着もあり、強いデッキなのですが、問題が2つ。
純粋に私のじゃんけんが弱く先攻が取れないので、ボムラインが先に狩られてポテンシャルを出し切れないこと。記録を取り始めてからじゃんけん勝率25%という超へっぽこだったのですが、最近はじゃんけんの師匠の助言により、勝率40%弱まで盛り返してきました。
加えて、おかぴー選手のドルトムントでの優勝(おめでとうございます!)以来、ボム複数構築が目下大流行中のため、ネタがバレてメタられる側に回ってしまったこと。歴1年の私がメタられる側に回ると厳しいです。
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<新たな相棒との出会い(9月)>
そうなると、たねか1進化に決める。テツノイバラとオーガポンいしずえのめんを苦にせず、高耐久で打点も十分なポケモンが良い・・・。
いました、テラパゴスです。しかし、最後の最後の調整でリザードンにどうしても勝てずに中断。このあたりのくだりは、いつかテラパゴスで優勝して詳しく書ける日が来たら書きたいです。
振り出しに戻り同じ条件でもう1度見直し、ソウブレイズと出会いました。簡単な強みは以下の通り。めっちゃ強い。
・1進化アタッカーなので安定感が高い
・1エネで技が打てるため、ベンチワークが簡単。手札干渉にも強い
・圧倒的な青天井の火力
・特性をもたないアタッカー
ミミッキュがきついと言われていましたが、突破手段が手裏剣、フレイムキャノン、サイコトリップ+滝壺アドレナブレインと、突破手段が複数あり正直苦にならないことや、博士の研究が好きな嗜好ともマッチしました。
デッキ構築と採用枚数
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ポケモン
・ソウブレイズ3
・カルボウ4
・かがやくゲッコウガ1
・キチキギス1
・イキリンコ1
これらは必須であり、もはや説明不要かと思います。
・グレンアルマ
お待たせしました。本記事の主役と言ってよい存在です。このひおくりグレンアルマがいるからデッキが成立しています。
<役割>
・滝壺のエネ加速先。H130→110になってもファントムダイブでビクともしない。ボムもサマヨール要求で等価交換。カルボウに加速するとサマヨールの50ボムに狙われるので注意。
・ひおくりによるアタッカーの即起動、逃げエネ供給。マグマの滝壺、ルミナスをマシマシラに手張り、アドレナブレインで20を飛ばした後そのルミナスをアタッカーに飛ばすことも出来ます。ほとんどの場合で1ターン目にルミナスかレガシーをベンチに手張りしているため、水エネ(手張り)+ルミナスと炎エネ(ひおくり)によって、ゲッコウガがエネなしの状態から月光手裏剣を打てるようになる。次のターン夜のタンカで水エネ回収、滝壺ひおくりで手裏剣連打も可能なのがパルキアよりも勝っている点。なにより、進化前の準備がカルボウなので、マナフィ置かれないのが一番大きい。
・同じことがレガシーエネルギーでも可能なので、ポケモンが入れ替わっても、常にバトル場にレガシーエネルギーを置いておける異次元キャッチボールが可能で、相手目線無視しきれない。
・フレイムキャノンの打点+やけどダメージで倒す。例えば、HP210の緑オーガポンをボスで呼び出し、アドレナブレイン20+フレイムキャノン180(弱点)+やけど20=合計220でポケモンチェックで倒せます。これによって「さかてに取る」を使わせないのが強い。ベンチを空けたくないときには、アドレナブレインのタイミングをずらして後からダメカンを載せします。これでサイド5枚取り(アドレナブレイン+ブライア)も可能に。
・マシマシラ
いぶし銀のサブアタッカー。ドラパルトでどれだけ彼に苦しめられたかと思うと、その強さといやらしさはもはや完全に理解している。
<役割>
・マグマの滝壺で作った20点を相手に移す。乗せ方は、例えばリザードン対面でいうと、ポッポ>ヒトカゲ>ヨマワル>ロトムとなります。2ターン目にピジョットを倒すのに必要なトラッシュのエネルギーは13枚。サポートなしでこれを達成するのは割と大変なので先に乗せて置くことで自分のトラッシュの要求を下げられて偉い。ヒトカゲやドラメシアに乗せる理由も同じです。Ace Specがパーフェクトミキサーではない分、ここは過信せずに前を取るための自らの要求を下げに行く。チラチーノ20+90、チラーミィ90の手裏剣で2面取り出来るのもマシマシラだからこその仕事。
・レガシー付きサイコトリップで盾になりつつ、相手サイド2のままブライアまでの1ターンを作る。もし生き残って役目が終わったら、ひおくりで炎エネを飛ばして、炎エネ切って逃げてレガシー付きのソウブレイズにスイッチ。
・ポッポ、ヨマワルを取るための非エクアタッカー。
・ピィ
カビゴンを考えるとスタートに置けないのですが、それでもかなり頼りになる手札補充担当。後攻で勝率を保てるのはイキリンコ、博士、にぎにぎドローで最大6+7+7=20枚縦引き出来るポテンシャルのおかげ。
<役割>
・逃げエネ0要員だけど、打点稼ぐときはエネついているポケモンを前に出さないといけないので、脳死は厳禁。
・サイド1のドロー担当。前述の通り後1でも終盤の手札干渉でも、どちらでも強い。対サーナイトの勝率があがったのはピィのおかげ。
・ドラパルト対面ではおやつにされるので、出すのはやめましょう。
グッズ
・ネストボール3
・ハイパーボール4
・なかよしポフィン1
ポフィンの対象が5体おり、かつカルボウは初動で最低でも2体は置きたいので、確率をあげるため1枚は入れ得。1ターン目にベンチは5枠埋めてしまっても問題なく、理想盤面として以下を目指す。ピィでスタート出来たら先2手裏剣はイージー。
バトル場:ピィ/カルボウ、
ベンチ:カルボウ、カルボウ、ゲッコウガ、マシマシラ、(イキリンコorカルボウ)
・大地の器4
基本エネルギー4枚につき器1枚が、最後までエネを山から掘り出すのにちょうど良いバランスというのが90戦の経験知。今回の構築は基本エネルギー14枚なので4枚採用してしっかり初動で落としていく。他デッキ見ても大体そんな感じに見えますね。
ドラパ:エネ6で器1-2
ライコ:エネ12で器3-4
ドラゴ:エネ10で器3
・夜のタンカ3
初動で1枚切るなら問題なし、2枚切ることになったら苦しい、3枚切ったらもう後ろは振り向かない。ソウブレイズがサイド2落ちすることもあるので、最初にソウブレイズと一緒に数えておくことを強く推奨。
・ともだちてちょう
最初に来ないことを願いましょう。来たら仕方ないので、ハイボのコストにサポートを入れて1人だけでも戻しましょう。
ポケモンのどうぐ、スタジアム
・ガチガチバンド1
最後まで枠の都合で迷いながらも、勝ち筋につながる用途が多くあるので採用。使ってみて初めてその強さがよくわかる。言語化すると以下の通り。
<主な勝ちに繋がる用途>
1. 苦手な古代バレットの終盤耐える
2. サイド3悪リザ耐える
3. 負けん気かがリザ耐える
4. ロストインパクト耐える
5. ドラパ打点下げて複数取りを防ぐ
6. ライコのエネ要求増やす
7. ボルトサイクロンも3回要求(new!)
・マグマの滝壺
2枚採用でも20枚近くめくれば大体引けます。マシマシラと合わせての打点補助、スタジアム破壊など用途が多い。リザとドラゴに入っているかがリザに使われるので、そのためにもガチガチバンド、マシマシラとのセット採用が輝く。間違っても20乗ったソウブレイズをうかつにバトル場に送ってはいけません。気を付けるのはそこだけで、打点補助、手裏剣・フレイムキャノンのエネ加速、リソース管理の緩和など、攻守に万能なスタジアム。
ポケストップじゃないとエネ落ちないよ!というご意見も散見されますので、少し検討材料を示します。
序盤-中盤におけるポケストップ3枚の期待値はデッキ採用枚数から、概ね①エネ、②グッズ、③はずれ(サポート/ポケモン) になると仮定。つまり打点20とグッズ1枚。
エネが手札に2枚あればここからかくしふだ、手張りで、最終的に打点40、グッズ1枚、手札2枚が増えてエネ手張り権も残っています。
エネが手札に1枚の時は、打点20、グッズ1枚とエネ手張り権。
エネが手札にない場合は、攻撃できずに番が終わり。(1番厳しい)
マグマの滝壺は、少し手順が変わります。
①かくしふだ2ドロー、②そのエネを滝壺で回収、③ダメカン20はマシマシラで任意のポケモンへ移す、④ひおくりでエネをバトル場に送り、逃げてソウブレイズがバトル場へ この結果、打点20+任意な20、手札2枚、手札次第でエネ手張り権が残ります。
エネが手札にない場合でも、滝壺ひおくりで攻撃はできます。
このテーマは表の方が見やすいことと、スタジアムだけでかなり考察書けてしまいそうなのでこのあたりにします。要望ありましたら別のnoteにします。
サポート
・ゼイユ3
・博士の研究3先に正直に言いますが1枚過剰です。まともに使うとLOしますが、これはイキリンコに頼らず行ける確率を上げるための工夫です。
初手にゼイユが来る確率:3枚なら35%、4枚なら44%。
初手+イキリテイクだと、サイド落ちとボールや器で抜く確率を相殺で考えると、おおよそ3枚なら65%、4枚なら75%。
ゼイユ4、博士2もありだけど、2ターン目以降の期待値が下がるので間を取っての3/3採用。最適解を教えてください、数学の得意な方。
・ボス2
裏呼びは最低1回、使って2回なので2枚が最適。
・ブライア1
まったく違和感なく採用できるので、使わない理由がない。
・ナンジャモ0
相手が勝手に使ってくれるから良いかなという甘えもありますが、こちらがやるべきことを通すほうが強いと割り切って不採用。もちろん、枠があったら使いたい。
エネルギー
・基本炎エネルギー10
・基本水エネルギー4
せっかく月光手裏剣を連打できる構築なので、対応した枚数を採用しました。炎エネの枚数は全19枚からの引き算。
・ルミナスエネルギー4
・レガシーエネルギー1
限界まで採用。大地の器でサーチできないので特殊エネは5が限界。それ以上欲張ると痛い目を見る。ジェットエネルギーがあればコントロール対面に強くなりますが、今回は切ってしまったので決勝戦は構築段階ですでに負けていました。
ひおくりレガシーの親和性は前述の通りなので、相手が根負けするまで押し付け続けましょう。これがライコには一番きついので、諦めてどこかで取ってくれます。そうなるとテンポがこちらに移るので、勝利は目前。
各デッキ対面の立ち回りと勝率
ここから先は上記勝率を支える各デッキ対面との戦術の数々を記載します。本当はまだまだ黙っていたいことも多いのですが、私自身ソウブレイズを仲間と共に試行錯誤のなかで成長させてきたので、思い切って公開します。
シティリーグ準優勝の記念に、10月末まではリポストで無料とさせていただきますので、この機会に是非ご一読ください。
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