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歌唱力真っ向勝負~「'17単独リサイタル/星空のディスタンス」考察~

<注意事項>

1.昭和歌謡アカペラグループ「リストラーズ」について、個人的見解を述べている記事です。

2.主に動画などを見て感じた個人感想文という位置付けですが、想像や憶測で書いている内容が含まれます。

 ご了承いただける方、ご興味のある方はこの先へお進みください。


 今回は、2017年2月の単独リサイタル動画「星空のディスタンス」を考察していこうと思う。観客の笑いを誘うお笑いポイントは一切無く、まさに歌唱力真っ向勝負の動画で、リストラーズさんのレベルの高い歌唱力をこれでもかというほど堪能でき、とにかくカッコいい一曲。
 リード交代はなく、終始草野さんがリードを担当されている。自分は草野さんリード曲の中で、この曲が一番好きだ。

<歌い出し>
 前奏の前に歌で始まるこの曲、6人が息を合わせて歌い始める様子がとても好きだ。歌い出しの「星空の~」を聞いた瞬間、歌唱力に「ゾクゾクする」というべきか「ワクワクする」というべきか、とにかく只事ではない事が始まるのだと、自分の感覚が知らせてくる。
 以前の自分の投稿(「歌が上手い」ということ)で、リストラーズさんの歌唱力について書いた記事でご紹介した事があるが、草野さんは音程を外すことが本当に少ない。この歌い出しのリード、生歌でこれだけの声量で感情をきっちり乗せて、音程をピッタリ合わせる、というのは凄い事なのではないだろうか。自分は、草野さんの声を出し終わった後の声の余韻の響きが美しくとても好きなのだが、この歌い出し部分「ディスタンス」「レジスタンス」の「ンス」の後や、「もう一度」の「いちどおぉおぉ」の後などが分かりやすいので、美しい余韻を感じていただきたい。
 そして、字ハモも忘れてはいけない。「星空の下のディスタンス」「さえぎる夜を乗り越えて」「Baby,Come Back」生歌でこのクオリティ。ここまでで開始30秒しか経っていないが、既にハーモニーの虜だ。

<前奏>
 上村さんのボイパがここから参戦。このボイパの入りがとてもカッコいい。そして、この上村さんのリズムの取り方。上村さんの真骨頂はリサイタルだと自分は思っている。全身を使って取るリズムのカッコ良さに、目も耳も釘付けになる。
 そして次のコーラス「パーパーパラララ」がとんでもないのである。1回目は加藤さん、2回目は澤田さん、3回目は草野さんが順番に歌っている。加藤さん、澤田さんの男声合唱を彷彿とさせる、ザ・男!という声に、もうメロメロだ。
 リードの合間も休まずコーラスを歌わなければならないのが、アカペラの大変な所だと思うのだが、リストラーズさんは全員当たり前といった感じで難なくこなされてしまう。草野さんの高音の「パーパーパラララ」は本当に美しい。
 前奏最後の「パラッ」の後の草野さんの笑顔が、これから始まるステージへの期待と緊張で硬くなっていた聞き手の心と体に癒しを与えてくれる。

<1番>
 ボイパが入り6声となった事で、ハーモニーの厚みが一気に増す。この曲のカッコ良さは、リズムに支配されている部分が大きいのだろう。曲を支配する非常にカッコ良いリズムに分厚いコーラスが重なり、人の声なのだが、完全に伴奏と化している。自分はアカペラコーラスが好きなので、サビまでの部分のコーラスは堪らない。コーラス御三方の声質は全く違うし別々の音階を歌っているはずなのに、一体となってド迫力のリードを支える。特に「心に舞う」「離れても」の後の「Ah~」が好きだ。6声の心地よい一体感が疾走感と共に耳を通り過ぎていく。
 目で見る部分では、いつもは女性の曲を歌われる事が多く、優しい雰囲気の野村さんが、足を大きく開いた非常に男っぽい雰囲気でリズミカルに歌われるお姿が印象的だ。

<1番サビ>
 サビ前とサビの曲調が大きく変わらないので、急にサビが出てきたように感じる。「星空の下のディスタンス」部分はリズム隊以外の全員で歌われているようだが、その後すぐに「トゥトゥ・・・」のコーラスが入る。切り替えの早さと違和感の無さは、相変わらずのリストラーズ品質である。真正面カメラに映し出されるサビの振り付けはとてもカッコ良く、耳だけではなく目も奪われる。特に自分は「さえぎる夜」の振り付けがお気に入りだ。

<Cメロ?>
 2番がないので、Cメロというのが正しいのかわからないが、500Milesの部分。
 500Milesに入る前のコーラス「パーパーパラッパッパー~」もコーラスマニア(自分)には堪らない部分だ。リードが消え、一瞬だがコーラスが主役になる雰囲気を感じる。(とにかくこの曲のコーラスはどこを取っても良いのだ。)
 そして、お待ちかねの「500Miles」は、何と貴重なリード+4声の字ハモだ。これは、自分もXの投稿で推し仲間から教えていただいた事で、自分では聞き取れていなかったのだが、ベースの大西さんが「500Miles」と一緒に歌っていらっしゃるとのこと。大西さんの字ハモは残念ながら「500Miles」で終わるが、3声の字ハモは「500Miles~会えないつらさ」まで続く。長尺の字ハモ、最高である。

<大サビ(転調後)>
 「会えないつらさ Ah~」の最後の「Ah~」で転調し、そのまま大サビへ突入。この転調に入る草野さんのAh~は圧巻だ。
 大サビは、キーが上がったことで曲調が大きく変化する。リードの迫力も更に増し、コーラスも良く聞こえるようになる。ここまで3声で一体となって伴奏に徹していたコーラスが、「Wow Wow Wow~駆け抜けろ」の部分で、草野さん・野村さんの字ハモ部隊と、加藤さん・澤田さんのコーラス部隊に分かれる。リストラーズさんの演出方法で、字ハモがリードと同じ声量で歌う事でツインリードを感じさせ、印象的かつ盛り上がりを演出される事がたまにあるのだが、この部分の野村さんの迫力のある字ハモは、まさにそれではないかと思う。リードの雰囲気がガラッと変わり、大サビを盛り上げる。

<後奏>
 ああ、曲が終わってしまう・・・あっという間の2分半だった。と寂しさを感じた瞬間、力強い「パーパーパラララ」が耳に飛び込んで来て、耳から脳へ送られる情報がバグる。何?今のは誰?と、何度も巻き戻して確認した結果、加藤さんの歌声だと知る。今までの加藤さんの歌声からは想像もしていなかった声量で、加藤さんの声の特徴である色気を纏った低い男声。前奏で同じフレーズを聞いているはずなのだが、後奏の方が気合が入っている。この動画を見始めてから散々、各々方のカッコ良さにジャブを打たれ続け、フラフラで、もはやかろうじて立っていた状態の自分は、この一発で完全にノックアウトされた。(この歌声を聞いた瞬間、自分は、加藤さんが曲によって、パートによって、完全に歌い分けをされており、それが出来るとんでもない方なのだと確信した。)
 自分は一足先にKOされてしまったが、まだ曲は終わっていなかった。最後の「パ パ パパン」の部分、前へ手を伸ばした草野さんと、他の方の拳を突き上げた、とてもカッコいい振り付けで曲が終わる。最後の「ドゥン」で終わる大西さんのベースもカッコ良い。もう最初から最後まで、本当にカッコ良いしか出ない。この記事で何回「カッコ良い」と書いただろうか・・・

 
 いつもなら長文にならないように泣く泣く削って短くしているのだが、今回は、ほぼ書いた事をそのまま残すことにした。どこも端折れない(端折りたくなかった)のである。
 リストラーズYouTube公式で公開されている「星空のディスタンス」の中で、今回は自分が一番好きな、2017年2月の単独リサイタル動画を取り上げて書かせていただいた。現在公開されている「星空のディスタンス」は、全てリサイタル動画となるため見所が毎回異なる。是非見比べて、この曲のカッコ良さを、違いを楽しんでいただきたい。 

<ビデオリサイタル切り抜き>

 <上州あかぺら市場2017 ※1曲目>

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