ZENONZARD懐古録”KAMEN RIDER”
しばらく更新が止まっていましたが「ゼノンザード懐古録」を再開したいと思います。
というのもこのEXCODE:04C”KAMEN RIDER”から始まるのは圧倒的な1強環境です。
ZENONZARDの環境で活躍したデッキを取り上げてまとめてきましたがその対象が1つしかないパックがあと3つ残されています。
このまま完結させないわけにもいかないのでサクッとその1強に触れていきたいと思います。
第一章~いつかの明日~
毎回その段の目玉となる変化を3つ挙げていましたがその元ネタである仮面ライダーオーズも参戦した仮面ライダーコラボ。
今回の3つの変化を見ていきましょう。
1.6コスト問題児4男卒業
コラボ実装に合わせてカードのナーフが行われました。
初登場の”EVOLVE”から3弾に渡って環境を荒らした”サモンゴレイム”はコストを増やされ使い物にならなくなり、
「カードバトラー」から供給される0コストのミニオンからは強力な種族が奪われバトルスピリッツデッキは大きな弱体化を受けることとなりました。
コラボカードではあるものの一応背景ストーリーにも登場したからなのか容赦されませんでした。
2.変身
仮面ライダーといえばな「変身」が新たなギミックとして登場しました。
「変身」は1ターンに1度ミニオンを自身の総マナ以下のデッキのミニオンと入れ替えることのできる。
これにより小型ミニオンから大型ミニオンへ変換ができるため、バトルスピリッツコラボにより登場した「コスト軽減」同様大型ミニオンを登場させつつマナを余らせることが可能となりフェニックスへの依存度がさらに緩和されました。
さらに状況に合わせてミニオンを選択できるため対応力が増した他、デッキトップ勝負の際も「変身」効果を持つミニオンを引けばよいためデッキの質も格段に向上しました。
3.新たな1コストミニオン
そして実は大事な変化が新たに追加された1コストミニオン”仮面ライダーアクア”の存在です。
移動権を1消費することでデッキから任意の「仮面」ベース・ミニオンをベースに置くことのできるこの1コストミニオンの登場は今までのゼノンザードの初動に革命をもたらしました。
先攻1ターン目こそ効果が発動しないものの後攻2ターン目に任意の色マナしかも「加護」効果を持つベース・ミニオンをサーチできるため今まで先攻絶対有利であったゼノンザードで1ターン目から後攻プレイヤーが莫大なアドバンテージを得ることができるようになりました。
これにより後攻勝率が飛躍的に向上します。この後のカードの追加を考えるともはや誤差ですが…
明日のメダルとパンツと掴む腕
ではこの環境最強デッキの紹介です。
”ペガフェニオーズ”それがこのKAMEN RAIDER環境最強デッキでした。
なおこのシーズンは全国大会イベント”TEH ZENON”の真っただ中であり通常のランキングは行われていないため10傑にこのデッキが名を連ねたことはありません。
ではなぜこのデッキが1強であったか解説していきます。
TIME JUDGED ALL
まず一番に触れておかねばならないのが
新たなる6コストの問題児”仮面ライダーオーズタジャドルコンボ”です。
効果が複数あるので順番に見ていきます。
1つ目は仮面ライダーのメイン効果である「変身」。
仮面ライダーオーズ本編における”最終フォーム”ではあるものの”最強フォーム”ではないためさらなる変身をすることができます。
先に3つ目の【アタック時】効果、相手ミニオン1体のBPを-300、DPを-1します。
【アタック時】の除去と考えるとBPのダウンはささやかではありますがDPもダウンさせるため実質的にミニオン1体を戦闘から除外することができます。
特に「変身」はダメージを与える必要があるためDPを0にすることで相手のライダーは変身できなくなります。
総じてライダー同士の戦いでも活躍が見込める優秀な【アタック時】効果です。
そして問題なのが2つ目【加護時】と【変身時】に移動権を1増やしてアクティブになります。
一体何を言っているんだ?????
「変身」したミニオンは攻撃したミニオンと入れ替えるためレスト状態でフィールドに登場します。
しかしこのミニオンはアクティブになります。ここまではいい。他の大型ライダーもアクティブになることでスピーディーなゲームができるようにデザインされています。
しかしこのミニオンは+で移動権を増やします。
移動権が増えるとどうなるか?
加護ができます。
加護ができるとどうなるか?
【加護時】にもこのミニオンはアクティブになります。
つまりこのミニオンは連続攻撃持ちです。
…そんなに強くないですね?(感覚麻痺)
出せばゲームが終わることがあったあんなカードや
対処不能だったこんなカード
と比較すると可愛いもんです。
このカード単体のスペック自体も強力なのですが”ブラック・フレイム”と”ウォークライ”のコンボのように、あるカードと組み合わせることで真価を発揮します。
それがこちらの”「蒼の魔術師」クー”。
FORBIDDENにて追加された魔術師エヴォーカーの1枚で1枚をベースに置くことで3種類のマジックとなります。
まずは”クーの第1魔法:フォーサイト”。効果は1マナで移動権を1増やします。
移動権が増えるとこのゲームでは実質的にマナを増やすことができるのでマナ以下のミニオンと入れ替わる「変身」と非常に相性がいいです。
それ以外にも後述しますがタジャドルコンボを始め移動権を攻撃に変換することがオーズの一つのテーマであったため第一段階から序盤中盤終盤いつでも活躍することができます。
”クーの第2魔法:ラウンチ”はベースからコスト6以下のミニオンをアクティブで移動させつつ補填の青マナを追加します。
そのままベースに下げれば1マナ増えるためこのカードも「変身」のためのマナ加速として利用できます。
…お分かりですか?
タジャドルコンボはコスト6です。
6マナちょうどの時を考えてみましょう。
まずは2コストのライダーを召喚し攻撃します。(1点)
ダメージが通ってタジャドルコンボへと変身します。アクティブになるためそのまま攻撃します。(2点)
【変身時】に移動権が増えたのでベースから1枚移動権を使って「加護」します。【加護時】もアクティブになって移動権が増えます。(2点)
移動権が増えたのでベースに戻してラウンチで場にアクティブ状態で戻します。(2点)
まだ本来の移動権を使用していないので最後の1マナを「加護」します。(2点)
6マナから9打点飛び出てきます。
6マナでアオバハヤテダスカと同じ打点を叩き出します。
ゼノンザードのライフ合計は12点なので事前にフォースを1つ破壊していればこの時点でゲームが終わります。
2枚コンボで人が死ぬ程度なら”ブラック・フレイム”に”ウォークライ”を発動すれば死んだじゃないか?
その2枚はコンボ専用であり他の仕事がありませんが”蒼の魔術師クー”には複数の仕事があり、タジャドルコンボに至っては「変身」で登場させるためデッキ内に入っている全ての「変身」を持つライダーがこの即死コンボのパーツとなります。
何よりクー自体はデッキに必ず採用しないといけない色基盤のベースミニオンであるため全く構築を歪めることなくオーズというテーマデッキにコンボをプランとして採用できてしまいました。
じゃあ最後の”クーの第3魔法:バブルシールド”はおまけ程度なのかと言われたらそんなことは無く。
ミニオン1体をブロックされなくできます。
つまり相手が連続攻撃をブロッカーで守ろうとしても確実に死にます。
コンボ以外にも信頼性の高い勝ち筋となり全てのマジックがデッキと噛み合った無駄のないカードでした。
TIGH TEN UP
さて、ここまで解説してきた”仮面ライダーオーズ タジャドルコンボ”ですが数あるオーズの「変身」の中間フォームの一つにすぎません。
状況によって様々なフォームへと変身する対応力がライダーデッキの強みであり、偶然たまたまその一つでワンショットコンボが可能であったにすぎません。
その状況に特化したフォームに変身するため仮面ライダー最強議論でも最強候補へと挙げられるオーズの各フォームについても解説していきます。
まずはオーズの基本フォームである”仮面ライダーオーズ タトバコンボ”。
最軽量の2コストライダーでアタックしてレスト状態になると選ばれなくなります。
変身中に攻撃してはいけないのは人間→基本フォームであって基本フォーム→派生フォームではないのにどうして…
選ばれなくなるため安全に「変身」することのできる優秀な初動です。
そんなタトバコンボからまず変身するのが”仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボ”。
タジャドル同様こちらも【加護時】と【変身時】に移動権を増やすことができるため増えた移動権でマナ加速を行い大型のライダーへと繋ぎます。
コストも3と軽量なため同じく初動としても活躍します。
【加護時】にも発動するという点も決してインクの染みではなく、加護をしても移動権が減らないため「加護」をして安全に攻撃することもできました。
4/6000が屈強なボディと言われていた界隈に颯爽と現れた4/7000の屈強過ぎるボディを持つのが”仮面ライダーオーズ サゴーゾコンボ”。
色シンボル3つと一見重いように見えますがどうせ「変身」するので誤差でしかありません。
このフォームから【変身時】にアクティブになるため2回攻撃によりタジャドルが駆け抜けるのに邪魔なフェニックスのフォースにそのボディで殴りかかります。
コスト4ということで白いデッキに対してめっぽう強く、BPの大きさ由来の除去にも強いため序盤の盤面を容易く支配しました。
「変身」させまいと相手がブロッカーを並べるようならば飛び出てくるのは”仮面ライダーオーズ ガタキリバコンボ”。
相手の数と同じになります。
どれか1体でも攻撃が通ると「変身」できてしまうため並べ合いになっても安心です。
ここからはレアリティLEGENDのライダー。
”仮面ライダーオーズ プトティラコンボ”は「変身」効果に加え【召喚時】と【変身時】に全体除去を放ちます。
これによりスフィンクスで選ばれないミニオン達もまとめて処理することが可能です。
ベース送り効果で破壊に耐性を持ったミニオンにも対処可能とこの時点でもう隙がありません。
一度このミニオンに「変身」して場を掃除した上でアクティブになったこのミニオンに「加護」をして追撃を仕掛けるのは終盤の黄金ムーブでした。
そして最後が”仮面ライダーオーズ スーパータトバコンボ”。
最終フォームであるためここから「変身」することこそできませんがプトティラに引き続き【変身時】の全体除去と移動権を消費することで連続攻撃ができます。
このミニオンの存在により終盤に引いてしまった”蒼の魔術師クー”ですら
第1魔法で移動権を増やし
第2魔法で変身元ライダーを呼び出し
第3魔法でスーパータトバをブロックできなくする
という一撃必殺マジックに早変わりします。
「変身」せず手札から出すと弱いという弱点こそありましたがそれでも有り余る強さを持っていました。
もちろん「変身」するライダー以外の「仮面」カードも強力なものが揃っていました。
まずは前述の”仮面ライダーアクア”からサーチする加護から
オーズの相棒”アンク”は「加護」として登場しました。
効果は付与したミニオンがフォースにアタックした場合ブロックされないというもの。
ダメージを受けなければ「変身」されないからブロッカーを用意しようなんて考えは許してくれません。
タトバコンボに「加護」すれば選ばれずブロックされない無敵状態となり確実に「変身」できます。
後はプトティラなりスーパータトバなり状況に合わせて「変身」し相手の盤面を壊滅させました。
”ライドベンダー”は色々書いていますがようは1ターンに2度目の「変身」ができるようになる加護です。
この「加護」の存在により一度プトティラを挟んでスーパータトバやタジャドルによるワンショットに移行することが可能で多様な攻めが実現できました。
そしてゼロワンから”アタッシュカリバー”。
マジックで選ばれなくなります。
クーの第3魔法でブロックされなくすればあら不思議。相手は死にます。
クーの魔法を123と使って変身したスーパータトバに加護すればゲームが終わります。
色が違いますが初動カードでサーチ可能なため複数採用する必要が無いのも強さに拍車をかけていました。
タジャドルコンボの必殺技”ロストブレイズ”が満を持してマジックとして登場。ターンプレイヤーの移動権を全て消費してミニオン1体の弱体化をするという効果を持ちます。
また変身するたびにトラッシュから手札に戻ります。
このカードの使い道はもっぱら同系戦です。
移動権さえあればどのような状況下からでもワンショットを決めてくるオーズの移動権を全て消費してしまうことでワンショットを阻止することができます。
このカードの存在によりオーズに対抗できるのはオーズだけという状況になりこれを警戒してオーズデッキ同士の対戦ではワンショットをけん制し合う駆け引きが発生しました。
最後にこの優秀過ぎるオーズのカード群からスカウトされたゼノンザード側のカードを解説します。
タトバコンボは選ばれずマジックによる対処が困難なため「飛来」によるブロックが有効な対処方法でした。
とりわけこの”選ばれし探索者アレックス”は登場時に「コア」をベースに置くことでマナ加速ができます。
4マナ時に「飛来」でマナ加速をすると?
次のターン開始時は6マナ。そうタジャドルでゲームが終わります。
しかもこの「コア」が「加護」であるためタジャドルコンボをアクティブにすることができ、対タジャドルでありタジャドルとも非常に相性の良いカードでした。
このカードの存在により相手が4マナでターンを返したターンは加速をさせない為にあえて攻撃しないことがセオリーだったりしました。
最後に”「憧れる者」アンジュ”。
テキストに書いていませんが「加護」をすることで大変身しアクティブになります。
大変身後はDP2となりさながらミニタジャドルです。
この攻撃でフェニックスを破壊してしまえばあとはタジャドルが9点削ってゲームセット。ドロー効果もあり、ライダーに使う加護を使いまわせることから非常に相性の良い1枚です。
大変身後の能力もマジックを使用すれば相手ミニオンをベース送りと、相手ターンに発動できる効果であるためスフィンクスによる守りを突破し、”ロストブレイズ”を毎ターン手札に構えることができるため横に並べるデッキや破壊耐性やマジック耐性で悪さをするデッキを強烈に否定できました。
この後登場する非コラボ版「仮面」カードにてこのアンジュが一体何に「憧れる者」なのかが判明しデッキに採用されることが必然だったことが分かるのですが、これが本来の設定だったのかはたまたデッキ採用された故の後付けなのかは今はもう知る由も無し。
おまけ
仮面ライダー環境はその圧倒的対応力、フィニッシュ性能からオーズの1強でしたがそれだけでは寂しいので今後の予習も兼ねて一つデッキを紹介しておきます。
”仮面ライダーW”はコラボした3ライダーのうち緑を担当していました。
緑はもともとマナ加速が得意な色であったため加速から大型のライダーへの変身が非常にスムーズなデッキでした。
劇中最強フォームである”仮面ライダーWサイクロンジョーカーゴールドエクストリーム”は【変身時】だけでなく【召喚時】にもミニオンやフォースを敵味方問わずレストまたはアクティブにできる効果に加えBP、DPの成長効果を持つため移動権などの前提条件が必要なくスーパータトバを凌駕するフィニッシュ性能を持っていました。
ですが1体のライダーを順番に変身させていくため除去に弱く対応力もオーズほど高くないため活躍はしませんでした。
今後の活躍に期待しましょう。