リアルイベントと、オンラインイベント、その役割の違いとは何か?オンラインイベントはなぜ、リアルを代替できなかったのか?
先日、ウェビナーの対談企画でライブ配信を行い、その中で参加者の方から頂いた質問に対して、その場で”いい感じの”回答を出せず、その日は凄く悶々としていたのですが、、こういう事はよくあります。。
ただ、こういった鋭い「問い」を頂く事でそれとしっかりと向き合うことができ、これもウェビナーというイベントにおける成果なんだろうなあと思ったりもします。
頂いた”問い”はこちらでした。
「リアルイベントはなぜ今増えているのか?」
2019年頃からコロナの影響でリアルイベントの開催が制限されていましたが、2022年からは徐々にリアルイベントがコロナ前の開催数程度まで戻りつつあります。
”なぜ?”と言う言葉があえて入っていることから、背景に潜んでいるだろう文脈まで推測すると、「オンラインイベントが代替できたはずなのに、なぜリアル増えている(戻ってきた)のか?」と言うことだろうと解釈してみます。
これに対して私の見解としては、
オンラインイベントのみでは、リアルイベントがこれまで果たしていた役割を完全に補完することができないから、今またリアルイベントが必要とされている。
つまり、それぞれ果たす役割が違うということだと思っています。
では、逆にオンラインイベントは減っているのか?
減っていないです。少なくとも弊社のオンラインイベント事業の売り上げは2019年から毎年伸び続けているということがありつつ、、オンラインイベント開催数が飽和状態なので集客にはとても苦労している企業様が多い状況というのは肌感がある方が多いのでは、、
エビデンスが薄い状態ではあるものの、、
オンラインイベントは、リアルイベントの中で担っていた一部の役割(価値)を、リアルイベントよりも効率的に果たしていますが、全部の役割は果たしていない。
なので、状況的にはオンラインはメリットがあるので減る事なく、リアルイベントが増えた(戻った)と言えるだろう。
では、このオンラインイベントが果たせなかった、リアルイベントの特徴的な価値とは何か?を考えてみます。
リアルイベントの特徴的な価値とは何か?
これについては、「リーチ」と、「訴求内容の向き不向き」なのではないかと思っています。
リーチというのは、そのメディアじゃないと会えない人がいる。ということ。
私の上司にあたる親会社の会長は、ほぼほぼオンラインイベントは参加しないのですが、リアルイベントは招かれると結構な頻度で参加し、毎度満足度は高そうに帰ってきます。
何が言いたかというと、オンラインイベントだけやっていても接触できない顧客層がいるという事です。これはイベント以外の媒体でも発生することで、日経新聞しか読まない人もいれば、テレビは見ず、ラジオやYouTubeで情報収集する方もいます。
もう一つ、訴求の向き不向きというのは、
オンラインイベントは、1:Nで、均一に情報を提供できる。
リアルイベントは、N:Nで、それぞれにコンテクストを提供できる。
リアルイベントは、1:1の集合とも考えられるので、受け手に合わせたコミュニケーションの最適化(個者最適)が図れる。つまり、伝えたい対象に対して、情報の量や正確性が担保できます。
この”情報の量”の中には、熱気や、道中で起こった出来事、匂いや味わった食事、人から受けたホスピタリティや感謝、場に集まっている人達の雰囲気など、情緒的な価値も含まれます。
これは一言では言い表すことはできないリアルイベント特有の価値であり、”コンテクスト”と表現をさせて頂いています。
リアルイベント特有のコンテクストは必要なのか?
このコンテクストを必要ではない。大切なのは効率的に情報提供をすることだ。と位置付けたところで、大量の情報に埋もれ、商品の機能的価値だけでは差別化が出来ず、モノが売れない世の中において、情緒的価値を含め見込み顧客に伝えていくことはとても大切なプロセスです。
特に、価格が高いにも関わらず機能的価値だけでは勝敗がつきにくい商材は、情緒的価値はとても多いな差別要素になります。
だから、コンテクストを伝えるのが得意なリアルイベントは、制作するのも参加するのもオンラインイベントに比べ、時間効率が圧倒的に悪いにも関わらず実施される。と言えるのではないでしょうか。
「リアルイベントはなぜ今増えているのか?」
リアルイベントは、オンラインイベントとは違う役割を果たすがゆえに、同じ「イベント」という言葉は使われるが、それらは使い分けがなされ、今また必要とされている。という整理で良いのではないでしょうか。
BtoBの商談〜受注プロセスにおいて、オンラインイベント1発で受注まで持っていけることはほぼないので、見込み顧客に対してさまざまな手段を持って、受注までの階段を登ることが必要ですが、その階段の中には、オンラインイベントもあれば、リアルイベントもあると理解すること適切だと思っています。
では、オンラインイベントプラットフォーマーの仕事はこれからどう変わるのか?
いくつかのオプションが考えられそうです。
A:オンラインイベントの現在価値をもっと強化する。
B:オンラインイベントがまだ果たせない役割をできるようにしていく。
C:オンラインイベントの枠から飛び出る。
Aは、もっとたくさんのリーチを広げられるようにする。ということが考えやすく、例えば、自動翻訳や集客機能なんかが考えられます。AI技術などを導入していく道だと思います。
Bは、コンテクストを提供できるようにするというアプローチ。これはメタバース系のプラットフォームが実現しようとしていることだと思います。あたかも会場にいるように。。というアプローチ。
Cは、ハイブリッドイベントや、マッチングや、オウンドメディアといった領域を広げるということ。やや飛び地を攻めるアプローチです。
これらは、プラットフォーマー各社が知恵を絞りながら既にさまざまな開発を進めているところであり今後のイベント業界の発展においてとても楽しみなことだと思っています。これからのイベントプラットフォームは大注目ですね。
当然我々、スプラシアが提供するEXPOLINEもこれらABC(もしかしたらD)に対して既に新しい挑戦を進めているところでもあります。
オンラインであれ、リアルイベントであれ、創るのも参加するのも、イベントはやっぱり楽しい。業界関係者を含めこの楽しみをもっと享受できるような新しいイベントのスタンダードをこれからも創っていくのが我々のVisionです。
(Implement new standards for the era.
時代に新しいスタンダードを実装する)
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
最後に宣伝、、 EXPOLINEとは
コロナ前はリアルイベントにおけるレジストレーションシステム(受付管理システム)として、エンタープライズ企業が行う大型のセミナー・カンファレンスでご利用頂いていました。
コロナ禍に入ったタイミングで、オンラインイベントにも対応できるよう機能追加を行い、現在は、「オンラインも、ハイブリッドも、イベントツールならEXPOLINE」というメッセージで様々なイベントに導入を頂き、この度2023年2月末には導入社数400社を超えました。
なんと言っても強みは、カスタマイズ性にあります。
エンタープライズ企業が必要とする、細かく特殊な要望に対して、自社開発部隊での追加機能開発はもちろん、他社サービスとの連携も柔軟に対応することが可能なので、個社毎の独自の課題を解決することができます。
各種資料もありますので、ぜひ覗いて頂けると幸いです。