エフェクターボード(基本形)完成!
2022年までは10数年間は、歪み系エフェクターを1個か2個をつないで、アンプについているリバーブを使う程度でした。しかし、その年末にアンプシミュレーターの進化に驚き、色々と調べた結果、アンプシミュレーターを中心としたエフェクターボードを組むことにしました。2年程試行錯誤を繰り返し、先日のライブで一定の満足感を得ましたので、一度まとめてみたいと思います。エフェクターボードを組む場合や新しいエフェクターを購入する時の何かの参考になれば幸いです。
1.エフェクターボードのコンセプト
1.1.元々のコンセプトからの変化
2022年までは、どこにでもある「Roland / JC-120」を如何にうまく使うかというコンセプトに基づいて、「KLON / CENTUR」と「エバ電子 / Germanium OverDrive」の二つで、10数年間を過ごしてきました。しかし、どこにでもあると思っていたのですが、ジャズイベントなどに出演するとギターアンプ自体ないような会場もあるという現実に気が付きました。そんななか、進化したアンプシミュレーターの音を聞いたときに、これは様々な環境において対応できる可能性を感じました。
1.2.新しいコンセプト
今度はギターアンプがないような環境でも、満足できる音をつくれるというのが新しいコンセプトです。ただ、そのコンセプトであれば、良いギターアンプを購入すればいいだけなんですが、車を所有していない僕からすると大きなアンプの運搬は選択肢にありませんでした。
また、エフェクターは凝りだすとエフェクターボードがどんどん大きくなることが容易に想像がついたので、MusicWorksのMサイズのボードに収めるという制限を設けました。その制限を満たすために、環境や演奏する曲によって、ボードを組み換えることを前提にしました。そのため、マジックテープで固定はせず、ボードを緩衝材で挟んで運搬するようにして、ペダルの組み換えしやすいようにしました。
※流行っているスノコタイプのボードは配線がすっきりしますが、スノコ自体が重かったり・組み換えが手間になるので避けました。
2.エフェクターボードの基本形
前述したように、組み換えることが前提ではありますが、その基本となる形が固まりましたので、解説していきたいと思います。
2.1.パワーサプライ
使用しているのは「K.E.S. / KIP-V.A.C.9 」です。このパワーサプライは、9ポート・フルアイソレート・ボルテージアジャスト機能が欲しかったので、購入時にはコレしかなかった状態です。また、圧強め(9.4~9.8V)というのも個人的には気に入っています。
さらに、汎用的なD.C.ケーブルで給電する仕組みなので、PD対応のモバイルバッテリーからトリガーケーブルを使用して12Vで電源供給することが可能です。そのため、2時間程度であればコンセントを使用せずにエフェクターボードを独立して使用することが出来ます。また、ACからDCに変換することもないため、ノイズ削減効果もあると考えています。
※トリガーケーブルはセンターマイナスの物を使用しないとパワーサプライの故障の原因になります。
2.2.バッファー
使用しているのは「VALKYRIE SPEAR / Violence Buffer Ex」です。本当は、ケンタウルスのバッファーが好きなんですが、コンプレッサーを使用する場合、ケンタ系のペダルを先頭にできないため、当バッファーを使用しています。ケンタ系とはまた違ったバッファーですが、9~18Vと供給する電圧によってキャラクターが変わるので幅広い使い方ができます。個人的には10~12Vくらいで使用するのが好みですので、パワーサプライのボルテージアジャスト機能との相性がいいです。
2.3.コンプレッサー
使用しているのは「 Suhr / Koji Comp 」です。コンプとしては Empress の方が優秀だとは思いますが、設定項目が多すぎるのが個人的に苦手でした。Koji Comp は設定できない項目が僕の好みに合ったので、少ない設定項目ですぐ好みの音が作れるのが使用している理由です。
2.4.ケンタ系オーバードライブ
使用しているのは「Mythos Pedals / Mjolnir 」です。本当はケンタウルスを使用したいんですが、筐体が大きいので別の選択肢を用意しました。様々なケンタコピー品がありますが、僕が重視するのはバッファーです。色々ためした結果、「Mythos Pedals / Mjolnir」が一番近いように感じましたので、コンパクトに収めたい場合はこのペダルを使用します。
※僕が入手時は輸入代理店が無かったので、古い筐体のモノになります。
2.5.歪み系エフェクター
使用しているのは「tanabe.tv / 禅駆動」です。3つの歪のモードにVOICEつまみで色々な質の高い歪をつくれる汎用性が高いペダルです。基本的には受注生産のようで、楽器店に並ぶことはほとんどなさそうです。僕はヤフオクかメルカリで手に入れたと思います。
2.6.プリアンプ
使用しているのは「IK Multimedia / TONEX ONE」です。本来はキャプチャー式のアンプシミュレーターですが、空間系エフェクターなどをキャビネットシミュレーターと挟むためにプリアンプ(キャビネットシミュレート機能をOFFにする)として使用しています。
2.7.空間系エフェクター①
使用しているのは「ZOOM / ME-70CDR+」です。正直に言うと、音質に物足りなさを感じますが、このサイズ感で空間系などに特化したマルチエフェクターとして、ホードの小型化にかなり貢献してくれています。
2.8.空間系エフェクター②
使用しているのは「NURAL DEVICE / Chambers Deep Texture Reverb」です。深くきれいなリバーブなんですが、左のフットスイッチがサスティーンとなっていて、踏んでいる間は残響音が残り続けるペダルです。この機能は ME-70CDR+ では再現できないので、別途使用しています。
2.9.キャビネットシミュレーター
使用しているのは「Two notes / OPUS」です。優秀なアンプシミュレーターで、歪まないプリアンプを使用することも可能ですが、やはりプリアンプは別にして、空間系エフェクターを間に挟んだ方がエフェクターのポテンシャルを引き出している感じがしますね。また、OPUSはプリアンプをOFFにしても、パワーアンプのシミュレート機能を残すことが出来るのも優秀ですね。
3.基本形からの変更
2章で説明させていただいたボードを基本形として、演奏する曲によってペダルを変更することで、ボードのコンパクト化しています。
3.1.コンプが必要ない場合
コンプが必要ない場合は、ケンタ系のペダルを先頭にすることが出来るので、バッファーも不要になります。「KLON / CENTAUR」と「Mythos Pedals / Mjolnir」のどちらかを使うのかは他のペダルのスペース次第では「KLON / CENTAUR」を使いたいのですが、やはり筐体が大きいので、出番は少ないかもしれません。
3.2.ワウペダルやオートワウ
ワウペダルは、筐体が小さい「AMT Electronics / WH-1」か、ローインピータンスMODで音抜けがいい「Ibanez / WH10V2」のどちらかを使用します。
また、オートワウに関しては「ZOOM / ME-70CDR+」でも使うことが出来ますが、できる限り「MXR / M82 B.ENVELOPE FILT.」を使いたいと思っています。
3.3.歪み系エフェクター
歪み系エフェクターは「tanabe.tv / 禅駆動」が色々と汎用性があるので、大体乗り越えられますが、気分で変えたいところではありますね(笑)。所持してるエフェクターのいくつかをのせておきます。
3.4.空間系エフェクター
空間系は「ZOOM / ME-70CDR+」が優秀でほとんどのペダルのカバーが出来ます。しかし、一つの音色しか使わない場合などは個別のペダルを使いたくなります。こちらも所有しているエフェクターのいくつかをのせておきます。
4.今後の方向性
アンプシミュレーターを使用しているので、モニター問題があります。小型のFRFRスピーカーが発売されれば良いんですが、前回の記事に書いたようにに「HEADRUSH / FRFR GO」は日本では使えないので、当分はベースアンプでごまかしていくスタイルで、新製品が日本で発売されたら飛びつく予定です。
また、空間系の位置にボリュームペダルを使いたいのですが、僕の演奏技術的にまだ使いこなせないので、使えるようになったらそのあたりも考慮したいですね。でも、そうするとスペースの問題が出てきて頭を抱えることが増えそうですね。