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国連で非暴力を訴えるKnotted Gunとは
現地時間の4月19日、国連のグテレス事務総長が24日のイースターを目前にして、ロシア軍が侵攻するウクライナでの休戦を呼びかけたことをご存じですか?
事務総長は、国連の前庭に据えられたNVPのシンボル・Knotted Gunのオブジェの前に立ち、「イースターの4日間は、人命救助とウクライナの苦しみを終わらせるために団結し、対話すべき時だ」と強調し、全ての当事者に停戦の呼びかけに参加するよう求めたのです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19DSD0Z10C22A4000000/
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ウクライナも、そしてロシアも多くの国民がキリスト教徒。イースターはどちらの国にとってももっとも大切な日だといいます。
四日間の休戦がウクライナにもたらすものは計り知れない、と事務総長は話されました。
イースターをも無視してプーチンが攻撃を続けるとしたら、もはや彼には神は存在しないということになります…。
Knotted Gunの誕生
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Knotted Gun(ノッテッド・ガン)は、拳銃の銃口(銃弾が飛び出す通路)を縛り上げて、武器としての機能を果たせなくした彫刻です。
これはNVP設立の原点となった、1980年にニューヨークで起きたビートルズのメンバーのジョン・レノンの射殺事件から生まれました。
平和をこよなく愛し、全世界に音楽やアートを通じて平和を訴え続けていたジョン・レノンが、奇しくも射殺される、という事件。
ジョン・レノンの殺害にかんしてはこちら↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%AE%BA%E5%AE%B3
それを受けて、彼の友人だったスウェーデンの芸術家カール・フレデリック・ロイテルスワルトが、こんな悲劇は二度と起こしてはならない、と固い決意のもとに制作した彫刻なのです。
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国連本部で非暴力の象徴に
もともとはレノン夫妻の暮らしていた「ダコタ・ハウス」の向かいのセントラル・パーク内に作られた「ストロベリー・フィールズ・メモリアル」にKnotted Gunは設置されました。
それをのちにルクセンブルグ政府が買い取り、1988年に国連に寄贈し、現在は国連本部のエントランスに置かれています。
第7代国連事務総長のコフィー・アナンは、「これらの曲線のなかに人類が追求すべき最大の祈りが勝利ではなく平和であることを封じ込めた強力なシンボルになっている」と作品を絶賛しています。
日本人は拳銃を見ただけで嫌悪感をいだく?
ノッテッド・ガンは、暴力の象徴として拳銃をモチーフとして作られました。
でも、拳銃が身近にない私たち日本人にとっては、このシンボルのメッセージが正しく伝わらないばかりか、“拳銃”というだけで、「恐ろしいもの」「自分たちの周りにはないもの」「反社会的なもの」「暴力を招くもの」…、といったマイナスイメージに取られることも少なくありません。
でも、ロシアのウクライナ侵攻の現実を見ても、人を殺すための“道具”は再新技術の粋を集めて開発し続けられていることは全くの事実。
私たち日本人も、決してウクライナの悲劇は他国ごとではないと考える必要があるのかもしれません。
私たちは日本では現在は、たくさんの本で形づくられたノッテッド・ガンをシンボルとして使っています。
それは、私たちの活動の基本の一つに「教育」があること、メッセージの一つとして「Knowledge is Power」と訴えているからでもあります。
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自分のKnotted Gunをデザインしてみる。
私たちのプログラムの中に、Knotted Gunをデザインするというアクティビティがあります。
トレーナー講習会、つまり大人向けの講習プログラムでもこのアクティビティを実施しますが、ほとんどの人が口をつぐみ、一心にデザインに込めるコンセプトを考え、それを実際に描くことに夢中になる姿を見せてくれます。
私も今年の年頭に、久しぶりにノッテッド・ガンをデザインしてみました。
このときはまだ、ロシアのウクライナ侵攻は噂レベルのものだったので、日本人を軸に描いています。
日本の暴力は、フィジカルなものとともに、メンタルなものも増えてきていて、その両面に向き合う必要がある、との思いから二つのノッテッド・ガンを重ね合わせてみました。
そして、地球上の多様な人々が、それぞれの場所で、それぞれの生き方を全うできるようにという願いを込めてみました。
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今ならば、このデザインもまた違うものを描くはずです。
みんなとKnotted Gunをデザインしながら、世界が平和になるためには何ができるのか、世界の平和とは何なのか、について一緒に考えてみたい、と日々、思っています。
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