見出し画像

今、学生に話題の「武者修行プログラム」と呼ばれるビジネスインターンシップに参加してみました

たかちゃい、と呼ばれる怪しい青年と出会ったのは、ぼくが大学2年生のときだった

ぼくは春休みの長期休暇を利用して、台湾は台北にきていた

そして、3日目の朝、とある定食屋で台湾風朝ごはんを食べていると
「君、日本人だよね」
と声をかけられ、振り返ると、そこには軽い天パの好青年が立っていた

そこから話が弾み、ぼくたちはすぐに仲良くなった
そして、台北といったら、で有名な「九份」(千と千尋っぽい場所)に一緒にいくことになった

九份へ向かうバスの途中で、彼から聞かされたのが

武者修行プログラム

という名の怪しいプログラム

そして、

かずやさん

という謎の人物。

こっちはそれが誰なのか知らない、そして知りたくもない
それなのに、たかちゃいの口からはこの2つのワードが溢れ出てくる

あ、怪しいぞ。このプログラム。
そして、まるで崇めるかのように「かずやさん」の名を連呼するたかちゃい

こちらの訝しげな様子に臆することなくたかちゃいは、武者修行プログラムのいいところ、そこで学んだこと、そこでの挫折などを雄弁に語り続けた

これは、、あれだ。新手の宗教に勧誘されてる時の感覚に近い
こちらの意図を介さず、ずっと何かを押し売りされてる気がするあの感覚
たかちゃい、、よく考えてみると、この名前からして怪しい
「たか」、まではわかる。でも、「ちゃい」ってなんだ
その「ちゃい」の部分のせいで、一気に怪しさが溢れ出ているよ、たかちゃい

こうなってくると、もう止まらない
好青年なところも、話上手なところも、よく笑うところも、その軽い天パさえも、全てが怪しく見えてくる

だが、これこそがたかちゃいのやり方だったのかも知れない


ぼくは、1年後、そのプログラムに参加することとなった


ぼくだってまさかそんな怪しいプログラムに参加するとは、当時は微塵も思ってもみなかった
しかし、「圧倒的な怪しさ」という種は、1年間心の中で燻り続け、意識が高くなりがちな大学3年生の秋、ついに芽が出てきてしまった

周りの「ビジネスしようぜ、自己成長しようぜ」感に焦りを感じたぼくは、気付いたら

「自己成長」「ビジネス」「やり方」

でググっていた

あれも違う、これも違う
と思って色々とみていると、
ふと、馴染みのある単語が

武者修行プログラム

かぁあぁずやさぁぁんってねぇぇえぇ、
むしゃゃしゅぎょよよぉぷろぐらむぅっていうぅのがぁぁあってぇぇ、ぇぇ

とうに忘れこけたはずのたかちゃいの声が頭の中を鈍く響き渡った

あーー、そういやたかちゃいだか何ちゃいだかっていう台湾で合った怪しい青年がこれに行った時の話してたな、、

まあどれ、HPくらいみてやるか

画像1

「圧倒的成長」
「自分を変えたい」
「ビジネスに挑戦したい」

自分では気付いていなくとも、人生で初めて意識高い系と呼ばれるゾーンにあったぼくにはこれらの言葉が、まるで宝石箱の中のジュエリーであるかのように、キラキラと輝いているように感じた

えーーー何これーーーー!
めっちゃ良さげなんですけどーーー!
えーーーやばーーい、自分変えたーーい!
圧倒的に自己成長してビジネスしたーーーい!

ピュアピュア意識高い系であったぼくの心に刺さりに刺さった

そして極め付けは

「君の変態を支援」

えーーーなになにーーーー!?
ドユコトーーーー??
「へんたい」を「しえん」んんーー??
やばーーい、これまぢやばいかもーーー!

こうしてぼくは1週間後、このプログラムの説明会に参加し、
その日のうちに2ヶ月後に開催される
「武者修行プログラム17年 春ターム」
の応募書類にサインするのであった


いいなと思ったら応援しよう!