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地元の銘菓と団地に夢中「1982年生まれ会」|独立日記 本屋への道052
2025.2.2(日)
今日は1982年生まれのまち歩きメンバーで編集会議をするため恵比寿へ。駅の近くの貸会議室だった。雪の予報だったが小雨になっていたのが救い。
編集者やライターさんもいるが、職業は色々。まち歩きや古いものが好きな趣味の仲間たちだ。みんなそれぞれ自分の専門にしている分野がある。団地の給水塔だったり、路上園芸だったり、ガードパイプだったり、高度成長期のいいビルだったり、みんなニッチな視点で町を見ている。
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持ち寄ったお菓子をパーティー開けして、何から話そうかと思う間もなく多摩湖の銘菓をもらった。
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これはジャケ買いしてしまうやつだ。あるよね。街道沿いとかにのぼりがはためいてたりする地元のお菓子屋さんだよね。
栗入りの黄味あんを、風味豊かな抹茶生地で優しく包み、丹念にひとつひとつ焼き上げました。多摩湖畔の風情を銘菓に表現してみました。平成元年第21回全国菓子大博覧会(松江市)において最高峰である「名誉総裁賞」を受賞しました。
「名誉総裁賞」受賞もポイント。地元菓子って、こうした華々しい感じのする菓子賞を受賞しているものをたまに見かける。いいなぁ。地元の風情を銘菓で表現するの好き。
和菓子っぽい洋菓子っていうんですかね。日本の風情を銘菓に練り込んで、和テイストになっているというか。控えめな感じがしていい。でも味は洋風。みたいなね。あぁたまらんね。美味しかったです。
多摩湖は東大和市にある人口湖で、日本一美しいと言われる取水塔「村山下貯水池第一取水塔」がある。
そして東村山銘菓の志村けんの「だいじょぶだぁ饅頭」もいただく。
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あんこがぎっしり詰まっていて、かなり食べ応えがあって美味しかった。
そして大阪からの参戦者は、いまや関西でしか売っていないカールを持参。
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2017年に突然関東地方から姿を消してしまった、懐かしのカールおじさんと再会を果たした。お味はもちろん関西風のだしが効いた「うすあじ」。初めて食べたかも。優しい味だった。
気づいた時にはスーパーから姿を消していて、何年か知らなくて衝撃を受けた。1968年発売のベテラン菓子だ。8歳以下の関東の子供たちは、もうカールおじさんを知らずに育つのだ。
たしかに関西土産でもらうと嬉しい☟
とりあえずみんなお菓子に夢中だ。当然である。オモコロの「菓子盆選手権」を思い出した。これ楽しかったよなぁ。ダ・ヴィンチ・恐山さんの菓子評が好き☟
お菓子の話でひと盛り上がりしてから、やっと自己紹介。このペースで時間は大丈夫なのだろうか。この界隈のメンバーとまちを歩いている時もそうだが、全然進まないのだ。みんな町への解像度が異常に高すぎて10メートル進むごとに気になるものがたくさん出てきてしまう。すごい注釈だらけの奇書を読んでいる感じだ。面白い。
出身地や学生時代の話なんかは、けっこう長い付き合いでも初めて聞くこともあったし、偏愛的趣味にハマった背景なども知れたのでよかった。私と同郷の小平市出身の方がいて「まじ?何中?」みたいな話とかも挟みつつ。座談会的なゆるいおしゃべりを。
小平市って盛り上がるネタがあんまりないような気がしたんだけど、花小金井の方に住んでいたと言ったら間髪入れずに「電電よかったよね~」と。うわぁ。30年以上、記憶の奥底に溜まっていた思い出がよみがえる。家の近所にNTTの前身だった電電公社の社宅があったのだ。人気のスターハウスも普通にあったので、貴重さに気付かなかった。
小平団地のUFOみたいな公園遊具の話も出たり。
木藤富士夫さんとUFO公園の話を書かれている小平発noteを発見!嬉しい☟
この界隈の共通言語ってやっぱり団地なんだなぁと思った。インフラとして広範囲にあったし、世代的にも合っているし、町へのインパクトも凄かった。10人集まれば10通りの視点が集まる百花繚乱のまち歩き愛好家たちだが、団地はみんな何かしら想いを語ることができる対象になっている。
思いがけず電電アパートで記憶の底から色々な感情がひっぱりだされてしまったので、今度また電電の思い出とか団地の話も書いてみたい。やっぱりこういう隘路を行くような偏愛系のネタが出てくると、ついつい脱線してしまう。
で、本日のお題の「1982年生まれ」について話す。色々な言われ方をするが「切れる17歳」が有名なんじゃないか。酒鬼薔薇聖斗と同い年だ。ロスジェネ、氷河期世代、プレッシャー世代ともいうらしい。
プレッシャー世代って初めて聞いたけど、明るく元気、忍耐力がある、自立した考え方ができる、横のつながり大事、計画性と柔軟性がある、コミュニケーションが苦手というような特徴があるとされているらしい。へぇ。
地下鉄サリン事件や、阪神大震災、神戸連続殺傷事件、ノストラダムスの大予言、就職氷河期、9.11など。エッジの効いた事件ばかりが話題にあがる。
漫画、ゲーム、音楽などの子供の頃に通ってきたカルチャーの話も。私は『らんま1/2』と『My Birthday』の話を。ビジュアル系バンドや、ビックリマンの話なども盛り上がる。
小学生の頃、周りの女の子は『りぼん』、男の子は『ジャンプ』だった。でも私は何を思ったのか、My Birthday系の『おまじないコミック』(のちの『ティーンズコミックパル』→『少女パル』)をチョイスしていたため、漫画の話がうまく嚙み合わなかった気がする。
クラスでまったく話題に上がらない「おまコミ読んでる」っていうのが、自分のマイナー趣味を意識した原体験かもしれない。なので今日みんながマイバースディのことを知っていたことにびっくりしたし、「この本出てましたよ」とか追加情報までもられて感無量だ☟
子供の頃に手が届かなかったものをおとな買いしてしまうとか。そんな衝動の話もした。みんな40代になって童心を取り戻しているようだ。
童心を取り戻しすぎて、ビックリマンチョコのレシピ本を作ってしまった人もいました☟
今日はどっぷりとノスタルジーと偏愛を接種した1日だった。これでまた一週間「明るく元気」に過ごせそうだ。
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