忘れられた怒り@豊中市立文化芸術センター大ホール♪
直前まで予定が分からずに、行こうかどうしようか迷っていた務川さんが出演するコンサート『センチュリー名曲シリーズVol.22「忘れられた怒り」』。
先日も奈良での別のコンサートに行こうか悩んでいたところで…。
務川さんのインスタでは今回の日本滞在での最後のコンサートですとお話ししていたので、これは行かなあかんと思い、ホールに問い合わせると、当日券で「おそらく」なんとかなりそうという回答をもらえたので、出かけました。
豊中市立文化芸術センターへ
開演1時間前からの当日券販売に間に合わせるために、ホールの最寄駅でランチして、それからホールへ。
同じ場所に立っていた以前のホールと外観が変わっていて、木目の温かさを感じる建物は、入り口にカフェもありました。
高校生が、芸術鑑賞なのか団体で入場しようと並んでいて、日本センチュリー交響楽団と務川さんのコンサートを学校から聴きに来ることができるなんて、素晴らしいなぁと思いました。
当日券の販売前に大ホール入口前で待っていたら、だんだん人が増えてきました。
当日券は、2階席をゲットしました。
1階席もあったのですが、せっかくオーケストラの音色も聴けるから響き全体を味わおうと思って。
入口ドア付近には、体温の測定と手指消毒のアルコール噴射が同時に行えるマシンが両側に置かれていて、イマドキのコンサートなんだな、と改めて思いました。
チケットに連絡先を書くように、との指示もあり入場しましたが、大きな混乱もなく観客の皆さんのマナーの良さに感心していました。
座席で待っている間というのはソワソワして落ち着きません。
すでに木管楽器が音出しを始めていて臨場感があるんですよね〜。
気持ちを落ち着かせるために、外の景色を眺めました。
どんなコンサート?
今回のプログラムは、日本センチュリー交響楽団の「豊中名曲シリーズ」で各回が人間の感情である、喜怒哀楽がテーマになっています。
このシリーズには、藤井颯太郎さんという演劇作家がストーリーテラーとして関わっていて、ホールのホワイエ(ホールの入口から観客席までの広い通路・ロビー)でテーマに沿って作られた作品の声の展示もされていました。
パンフレットには、この「忘れられた怒り」の文章が掲載されています。
(コンサートを心待ちにしすぎて気もそぞろで、遠くで俳優さんの声が聴こえてきているな〜、ホール全体の落ち着いた雰囲気と合わさって不思議な空間だな、と思っていました)
ムソルグスキー作曲(リムスキー=コルサコフ編):交響詩『禿山の一夜』
まずはムソルグスキー作曲(リムスキー=コルサコフ編):交響詩『禿山の一夜』
有名な曲なのですが、今まではなかなか生では聴く機会がなかったです。
初めの音の立ち上がりで、「これは!」とドキドキしました。
このホール、低音が立ち上がってきて音もそうですが、リズムが空気の振動として伝わってきてとても良いのです。
久しぶりの生演奏だったから?そうかもしれません。
とにかくワクワクしました。
ラフマニノフ作曲:ピアノ協奏曲第3番
それからラフマニノフ作曲:ピアノ協奏曲第3番
務川さん、出てくる〜キャー(アイドルか…)。
ユーチューブなど動画で眺めていた人が、すぐそこにいるというのは、夢と現実が入り混じっているみたいで、感情が忙しかったです。
ご本人の話していたように、この曲はとても難しいです。
いつも難しい曲をさらりと弾きこなしている務川さんが言うのだから間違いありません。
ラフマニノフのピアノ協奏曲は第2番がよく知られていると思います(のだめカンタービレで玉木宏が演じた千秋真一が演奏していましたね)。
務川さんが演奏した3番は、聴いたことがない人もいるでしょう。
私も、2番の方が印象深いです。
第1楽章のテーマは、今でも私の頭の中に鳴り続けています。
コンサート中は、もしかして今日の事は印象に残らないまま終わってしまうのではないかと思っていました。
でも、それは違いました。
いつの間にか無我夢中で演奏している務川さんの姿にこちらも没頭して聴いていました。
第2楽章のオケから始まる寄せては引く波のような音楽は、オーボエの甘い旋律や、弦楽が引き継ぎながら盛り上がっていき、ピアノに渡します。
とってもロマンチックです。
第3楽章は、2楽章からなだれ込むスタイルで、まるで繋がっているかのようですが、先ほどのファンタジーは去ってさらに動きのある音楽が繰り広げられます。
オクターブで動く和音がたくさん、たくさんあるのに、疲れを知らない務川さんの演奏は聴いている人を飽きさせません。
横に座っていた学生さんらしき若者は、もう乗り出して頷きながら聴いていました。
オーケストラと、務川さんの掛け合いが素晴らしかったです。
ラストまで、これでもかとラフマニノフ節で、和音、和音そして美しい旋律が押し寄せてきます。
もう壊れてしまうのではないかと思うくらいに激しいのですが、終わってほしくないと思いながらも雄大な旋律が終わりへと向かっていきました。
「すごい!すごいよ!」
そう思っていたら、もう一方の隣に座っていたオジ様が、手を頭上に上げて拍手をしていました。
1階席を見ると、スタンディングオベーションでした!
ブラボーなど声出し禁止のコンサートだったので、観客にできることといえば、これが精一杯です。
私だけではなく、他の人も務川さんの演奏を聴いて素晴らしいと思っていたというのが嬉しくて、本当にこの場に来れてよかったと思いました。
あまりにも拍手が鳴り止まなかったので、アンコールに1曲演奏してくれました。
先ほどの猛烈な音の渦ではなく、静かに祈るようなバッハの音が心に届きました。
きれいなトリル(装飾音)には、無駄がなく美しかったです。
この曲はだいぶ前に練習した懐かしい曲だったので、帰ってから弾いてみました。
プロコフィエフ作曲:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』
終わりにプロコフィエフ作曲:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』より、指揮者である現田茂夫さんによる特別セレクションということで全4幕ある中から8曲演奏されました。
曲が始まる前には、俳優さんの台詞が流れてきて、ただ演奏を聴くだけでなく、面白い構成だなと思いました。
演奏を聴いた喜びを心に残しながら、帰宅しました。
行ってよかった〜!
帰ってから、ツイッターをチェックしたら、務川さんは、このラフマニノフのコンチェルトを友人の反田恭平さんにレッスンしてもらったということがわかりました。
反田さんがツイートしていたので、お茶目だな〜と!
ショパンコンクールの時は、務川さんが反田さんのコンチェルトをレッスンしていました。
互いを支え合う姿に、またまた感動してしまいました。
務川さんは再びパリに戻るのかな…。
また、素晴らしい演奏を聴かせてください!待ってます!!
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