カスケード理論「シミが消える人と消えない人の違い」
分子栄養学を理解する上では大前提のお話。
その名も「カスケード理論」❗️
なんかかっこいい響きですね。
(ちなみにカスケードとは「段々滝」を意味しているそうです。)
この理論を前提として物事を考えていけば、個人差というものがわかってくるかと思います。例えば、同じ生活習慣を続けている夫婦でも出てくる症状は違いますよね。それは個人ごとの必要量が異なっているという証明でもあります。
まずは、栄養素の動き方をご紹介。
栄養素の身体での動き方
例えば、上図のようビタミンを100mg必要な、器官が10個あるとします。そこに栄養素が100mg入ってきた時、イメージ的には全体の器官に少しづつ分配されそうな気がしませんか?
しかし、人間は入ってきた栄養素を上手にわけわけするってことはしないのです。
ではどうなるのか?それは、、
今、1番その栄養素が必要な器官から優先的に消費されていきます。
これを栄養には「選択的優位性」があるという考え方です。
ではこれを踏まえてカスケード理論に入りましょう。
ビタミン・カスケード理論
ここはイメージで捉えてみてください。
階段のようになっている箇所に上から水(ビタミン)が流れてきます。各々の足場には水車(ホルモンや酵素などの合成)がついており、充分に栄養素が満たされれば水車が回転し生体反応に必要な物質が作られ次の段の足場へビタミンが流れます。
上の図を見て頂くと「カゼ予防物質合成」と「白内障予防物質合成」の水車はまわっているのですが「インシュリン合成」の水車はビタミンの量が足りず回っていません。このような状態では、「インシュリン(血糖値を下げるホルモン)」が身体の中でできず、血糖値コントロールがおかしくなってきます。
さらに、この水車の順番も人によって異なります。
インシュリン合成の水車が一番上段にある人もいるということです。
おそらくこの順番は現状の環境によっても大きく変化します。ストレスがかかる環境にいる方はストレスホルモンを作ることを優先するでしょうし、ウイルスなどと戦っている人は免疫の器官の強化が優先されるでしょう。遺伝子の発現状態(スイッチのON/OFF)にも深く関わっていると考えられます。(これはまたの機会に。)
水車を回すのに必要な量も異なる
カスケード理論で、水車を回すために必要な量も人によって変わります。
例えば、ビタミンC!
ビタミンCは、ストレス、免疫、抗酸化、コラーゲンなど様々な身体の生理作用に関わっていますが、ビタミンCに関わる全ての水車を回すには個人差が1〜60倍くらいあると言われています。
(100mg - 6,000mg、レモン2個で約100mgくらい)
ビタミンCも関与する、副腎が作るコルチゾールは、通常で約20mg/日みたいですが、強いストレス時は約200〜300mg/日まで増えるそうです。
このことからも、ビタミンの必要量は人によって異なることを分かって頂けるかと思います。
ビタミンは重要な器官から優先される
こんな方いますか?
髪や肌や爪はめちゃくちゃ綺麗だけど、心臓や脳や内臓はボロボロ。
こんな方はほぼゼロと言ってもいいと思います。
それはなぜか・・?
答えは、重要な器官は守られているからです!
基本的に人間は命に関わる器官を優先して守ろうとします。故に、栄養不足は身体の外側〈肌や髪や爪など〉がボロボロになりやすいです。
(抗がん剤などでも、髪が抜けたりするのも人間的本能。)
つまり、生命危機に関わらない部分は後回しにされやすいってことですが、逆に考えると、肌や髪などの外側の症状は栄養状態判定の目安にもなります。
シミが消える人、消えない人の違い
今回のカスケード理論で考えると、違いが分かってきますよね。
要するに、シミの原因となるメラニン色素の分解や肌のターンオーバーの促進に関わる水車を回す必要があるんです。しかも、肌は後回しにされやすいので、他の箇所の健康状態が悪い方はたどり着くのに時間がかかりますよね。ビタミンCの摂取量をあげたらシミが薄くなったというのは私たちの領域では良くある話です。
まずは自身の状態と向き合ってみましょう!!
【本日のポイント】
・カスケード理論(栄養の個人差を捉えた理論)
・栄養には使われる順番がある
・必要な栄養素の量は個人ごとに違う
・人間は重要な器官を優先させる!