かぼ塾 #2
今回は前回に引き続き、腎臓シリーズです!
疾患名は管理栄養士国家試験のガイドラインに
沿って記載します✨
急性糸球体腎炎
扁桃炎や咽頭炎などの数日程度の感染症になり、
比較的急な経過で肉眼的血尿(尿が褐色や
コーラ色)、高血圧、浮腫の3主徴や、
たんぱく尿などの症状をきたす一過性の腎炎。
A群β溶血性連鎖球菌感染後に
併発することが多い。小児~若年者に多くみられる疾患。
安静臥床(急性期では入院することも)
と食事療法が基本。時間が経過すれば、血尿、たんぱく尿は
改善し、腎機能の回復によって塩分や
水分、たんぱく質の制限を
緩和していく。
ネフローゼ症候群
糸球体の障害に伴うたんぱく質漏出の亢進による
高たんぱく尿を基本的な病態とする疾患。
診断基準(成人)
必須条件
→たんぱく尿(3.5g/日以上が持続)、
低アルブミン血症(3.0g/dL以下)
重要な所見
→血清総たんぱく質、
浮腫、脂質異常症
(高LDL-コレステロール血症)大きく分けて一次性(原発性)と
二次性(続発性)に分けられる。
→ 一次性:微小変化型ネフローゼ
症候群、巣状糸球体硬化症、膜性腎症
など
→二次性:糖尿病、アミロイドーシス、
全身性エリテマトーデスなど安静、薬物療法、食事療法が主な治療。
急性腎障害(AKI)
数時間から数日の間に急激に腎機能が
低下する状態。
【病因】
腎前性:腎臓より前の原因で腎臓に
血液が供給されず(*)、尿が
産生できないことで老廃物が体内に
たまってしまう状態。
例:下痢・嘔吐・発熱・食欲低下
→脱水/心疾患腎性 :腎臓そのものに原因があり、
尿を産生できない状態。
例:薬剤性腎障害腎後性:尿は産生できるが、尿路系の
異常により体外に排出できない状態。
例:尿路結石や前立腺肥大症など
*腎臓に血液が供給できない原因
①循環血液量の減少
例)感染症を発症
→下痢や嘔吐、発熱の症状→食欲低下→脱水
→体内に入る水分が減少する+発熱による
不感蒸泄量の増加→血液そのものが減少し、
腎血流量が減少する
②心拍出量の減少
例)急性心筋梗塞
→冠動脈が血栓により閉塞して心筋壊死
→心機能低下による心拍出量の減少
→全身へ供給される血液そのものが減少し、
腎血流量が減少する
【症状や血液検査値など】
症状:浮腫、食欲低下、全身倦怠感、
尿量減少(減少しないことも)など血液検査値:血中尿素窒素(BUN)、
血清クレアチニン(Cr)、
カリウム(K)↑ など腎機能が回復するものから、
慢性腎臓病(CKD)に移行するものや
末期腎不全(ESKD)へ移行するもの
まであり様々。回復してもCKD発症のリスク因子に
なる。繰り返すAKIはCKDの発症や重症化と
関連するといわれている。
例題で復習
(第38回管理栄養士国家試験より)
〇→A群β溶血性連鎖球菌感染が
原因となることが多い。✕→血圧は診断基準に含まれない。
必須条件はたんぱく尿と
低アルブミン血症。✕→出血性ショックは腎前性の
急性腎障害の原因になる。✕→慢性腎不全ではリンの排出が
できないため、高リン血症と
なりやすい。(腎機能による)✕→二次性副甲状腺機能亢進症の誤り。
腎機能低下によりビタミンD₃の
産生低下によって、
副甲状腺ホルモンの増加が生じる。
✕→膜性腎症は微小変化型ネフローゼ
症候群以外のため、エネルギーは
35 kcal/kg/日。✕→脂質は25~30%Eとする。
〇→たんぱく質は0.8 g/kg/日。
✕→食塩は5g/日。
✕→カリウム値は下限値に近いため、
カリウム制限より低カリウム血症に
注意。
今回は急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、
急性腎障害についてまとめました。
次回のかぼ塾はいよいよCKDです!
お楽しみに✨