Ableton Rackを無料配布します*2025/1/20更新
この記事で私が制作したAbletonのRackを無料配布します。
普段Abletonを使っている中で感じた課題について、純正プラグインを使って、それらを解決するRackを作りました。
また、実際の制作で使うかどうかはさておき、面白い音が出るようなRackも収録しています。
今後も新しいRackを作ったら、こちらに順次追加する予定です。
【この記事を書いた人】
名前:Nutaan
肩書き:Producer / Song Writer / DJ ※関東在住
好きなジャンル:House / Techno / Ambient / Electronica / UK Garage
リリース:Spotify / Apple Music / Amazon Music / YouTube / bandcamp
SNS:X(Twitter) / Instagram
その他:Patreon
ダウンロードはこちら
注意点※使用前に必ずお読みください!
必ず最新版のAbletonを使用していることを確認してください。
ここで配布しているRackはAbleton Live 12 Suite(Version 12.1.5*)で作成しています。*2025/1/20時点での最新版
上記よりも古いバージョンでは、Rackが立ち上がらないなどのエラーが確認されています。
Rack内で3rd Party製のMax For Liveは使用していないため、Standardのユーザーもお使いいただけると思います。
リリースノート
2025/01/25:記事公開&配布開始
収録内容
Chaos Notch Filter - v1.1
Chaos Shifter - v1.0
Parallel Delay&Reverb
Random Drum Rack - v1.5
Random Scratch - v1.0
Random Slice Simpler - v1.5
Resonators - Chord Preset
Tape Stop!!!
Tremolo Reverb - v1.1
Utility With Preset - v1.2
各プリセットの解説・使い方
Chaos Notch Filter - v1.1
カオスなノッチフィルターです。(+見た目が面白い。)
マクロの「Delta」ノブをオンにすると、フィルターで削り取ったところだけが再生されます。
レゾネーターっぽい響きでAmbient風のPadに相性が良いです。
いくつかプリセットも入っていますが、飽きたらRackの"Rand"を押してお好みの設定を探してみましょう。
Chaos Shifter - v1.0
カオスなShifterです。(+見た目は別に面白くない上に、手抜きな説明ですみません。)
今まで作ったRackの中でも特にじゃじゃ馬なやつです。
制作で使うときは一回バウンスして、好きな箇所を切り取ったり、SimplerのSliceモードで別のフレーズとして再構築するのがおすすめです。
飽きたら"Rand"を押してお好みの設定を探してみましょう。(再掲)
Parallel Delay&Reverb
これは個人的にはかなりのお気に入りで、使用頻度も高いです。
仕組みは単純で、パラレルチェーンを組んで、DRY / Delay(Wet 100%) / Reverb(Wet 100%)の3つに分割しています。
要は、トラックの中でセンド&リターン的にDelayとReverbをかけられるようにするRackです。
マクロやチェーンのカラーリングで視認性を高めています。
Delayは某緑色のテープエコー、ReverbはStymonのBlueSky/BigSkyをイメージして、色を決めました。
他にも以下の工夫をしています。
各チェーンでは、インプット信号に応じてDelayやReverbをダッキングできます。(使わない場合はEnvelop FollowerのRackごと削除してもOK)
各チェーンのトラックボリューム以外に、インプットとアウトプット用ゲインのマクロを作りました。
特定のタイミングでリバーブに信号を送りたい・リバーブを切りたいときに便利です。
(チェーンのトラックボリュームでオートメーションを書くのが個人的に嫌なんです。トラックのフェーダーは動かさないで、UtilityのGainでオートメーションを書くのと同じ感覚かな・・・)どのエディションのLiveでも起動できるように、純正のReverbとDelayを入れています。
ホットスワップでプリセットを変更してもWetが100%に固定されるように、形だけMacroにアサインしました。(Wetは調整不可)
Suiteを持っている人はEchoやConvolution Reverbなどを使うのもアリですし、3rd Partyのプラグインに差し替えるのもありです。
Random Drum Rack - v1.5
Drum RackをArpeggiatorでトリガーするRackです。
動画を見ればなんとなく使い方はわかると思いますが、以下使い方を記載しておきます。
【使い方・手順】
好きなサンプルをDrum Rackに配置する。
必ずC1-C3の範囲に配置してください。MIDIノートを鳴らす。
どの高さのノートを鳴らしても、Rack内部で強制的にC1のVelocity 100にクオンタイズされます。マクロを調節して、好みのフレーズを探す。
デフォルトではC1に配置したサンプルのみがトリガーされます。
マクロの「Vary From C1」を上げると他のサンプルがランダムでトリガーされます。
(100%でC1をトリガーしなくなります。)
「Probability」で発音確率、「Random Vel.」でVelocityのランダマイズ強度、「Master Gate」で各サンプルのリリースの長さを調整できます。
「Random Pan」のノブを上げると、トリガーのタイミングでランダムにパンニングが変化します。
Percussion系のサンプルを配置して、良い感じのLoopを作るのに向いています。
私はLiveのデフォルトテンプレートに、32小節の長さでMIDIノート(C1)をベタ打ちしたクリップとこのDrum Rackを立ち上げたトラックを入れています。
適当にサンプルを突っ込んだ後はトラックをバウンス(Freeze & Flat)して、オーディオファイルに変換します。
好きな箇所を切り取って、ループさせればオリジナルのPercussion Loopの完成!という感じです。
MIDIノートをポチポチ打ち込んでドラムトラックを作るのが苦手な方は是非使ってみてください。
Random Scratch - v1.0
不規則にスクラッチっぽいエフェクトがかかります。
マクロである程度コントロールできますが、いつエフェクトが動作する全く読めません。
制作で使うならフリーズして、エフェクトの挙動を固定化させましょう。
もしくはLFOを使わないバージョンを作って、お好みでオートメーションを書くのもアリかも・・・
Random Slice Simpler - v1.5
こちらのRackは多くの方に気に入っていただいて、個人的にも思い入れがあります。
前述の「Random Drum Rack」と同じで、ArpeggiatorでSimplerのSlice Modeをトリガーしています。
【使い方・手順】
好きなサンプルをSimplerに配置する。
MIDIノートを鳴らす。
どの高さのノートを鳴らしても、Rack内部で強制的にC1のVelocity 100にクオンタイズされます。マクロを調節して、好みのフレーズを探す。
デフォルトではC1に配置したサンプルのみがトリガーされます。
マクロの「Repeat 8/16/32/64th」を上げると、ランダムでその音価でBeat Repeatが挿入されます。ノブを上げるとその発生確率が高くなります。
デフォルトではSimpler側はGateモードに設定されています。
この状態で「Random Gate」を上げていくと、不規則に音が短くなって、良い感じのグルーブ感が出ます。
(「Swing」と組み合わせて使ってみましょう。)
Breakbeatsと相性が良いですが、ボーカルサンプルをチョップしたり、ピアノのフレーズを逆再生で鳴らしたり、使い方次第で無限の可能性があります。
もし面白い使い方を発見したら、XやInstagramで教えていただけると嬉しいです!
うりなみさんのブログやYouTubeでより詳細に解説いただいているので、こちらも併せてご覧ください。
Resonators - Chord Preset
純正プラグインの「Resonator」によく使うコード音が鳴るようにMacroのVariationでプリセットを付けました。
Abletonは他にもVocoderやSpectrum Time、Spectrum Resonatorなど、レゾネーター系のエフェクトが非常に充実しています。
その中でも、和声的な響きを手っ取り早く得るなら、この「Reesonator」が向いてますね。
Rack化しなくても使いやすいですが、自分で色々調節してみて、より便利になったと思います。
Tape Stop!!!
その名の通り、テープ再生を止めた時の音を再現するエフェクトです。
Max For Liveの「Pitch Drop」やKiloheartsの「Tape Stop」と同じ効果ですね。
AbletonのDelayで再現できそうだと思ったので作ってみました。
Tremolo Reverb - v1.1
個人的にかなり気に入っているRackです。
仕組みは単純で、Reverbの後にAuto Panでトレモロをかけているだけなのですが、Vocal Chopに使うとFred Againのような雰囲気になります。
他の3rd PartyのReverbに変えても面白いかと思います。
Utility With Preset - v1.2
プリセット機能付きのUtilityです。
基本的にはプリセット名を見れば、挙動がイメージできると思います。
一点だけ補足すると、「Mono(Only R)」と「Mono(Only L)」は、RもしくはLの成分だけを抽出した上でモノラルにします。
*v1.1では、マクロVariationのアサインミスで、勝手にモノラル化する不具合がありましたので、v1.2で修正しています。
例えば、SoundtoysのLittle Alter Boyを使うと、モノラル音源も左右に広がるのですが、それをそのままモノラルにすると左右の位相干渉によって、音のキャラクターが著しく変化します。
そんな時は「Mono(Only R)」と「Mono(Only L)」を使うと、綺麗にモノラルにできます。
Special Thanks
今回配布するRackの一部は、うりなみさん(Xアカウントはこちら)が運営されている「Ableton友の会」という有志のユーザコミュニティで、多くの方の感想やフィードバックをいただきながら制作しました。
皆さま、いつもお力添えいただき誠にありがとうございます。
ちなみにうりなみさんはブログやYouTubeチャンネルも運営されています。音楽制作に役立つ情報がたくさん揃っているので、Ableton以外のDAWユーザーも含めて必見です!!
【この記事を書いた人】
名前:Nutaan
肩書き:Producer / Song Writer / DJ ※関東在住
好きなジャンル:House / Techno / Ambient / Electronica / UK Garage
リリース:Spotify / Apple Music / Amazon Music / YouTube / bandcamp
SNS:X(Twitter) / Instagram
その他:Patreon