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輪島塗の新しい魅力を伝える。そして職人とお客様を、伝統を未来へ結ぶ。WAJIMANU RE BORNプロジェクト

 2023年6月15日にスタートした[WAJIMANU RE BORN(わじまぬりぼーん)]プロジェクト。

 実は、もっと前からゆるゆるとスタートしていたのです。
 このプロジェクトの始まりは、現在休業中のいつもの焼き肉屋さんでの同世代の職人や漆器に関わる友人たちとの飲み会でした。友人たちはものづくりに関わって20年ほどの経験がありますが、業界内ではまだ若手とされているメンバーです。
 飲み会では、漆器に関する話題が中心となり、「こんなものがあったらいいな」「自分が身につけて話題になるものが欲しい」「ジェンダーレスなアイテムがいい」といった内容で毎回盛り上がります。

 そしてつくってみようと試作を重ねた結果、私たちがたどり着いたのが、この「リボンのラペルピン」です。

左)本塗り仕上げ:うるみ  中)拭き漆仕上げ  右)本塗り仕上げ:黒

 このアイテムは、身近に大切なものを置きたい、気軽に使えるアイテムが欲しい、良いものは他の人に自慢したいという思いを反映しています。指先ほどのサイズのリボンラペルピンですが、輪島塗の魅力を伝えるために、地の子、中塗り、上塗りといった伝統的な製作工程にこだわり、補強のための布着せ以外はすべて手作業で仕上げることにこだわりました。

熟練した職人の技

 初めは半信半疑だった営業マンが試しに着けてみると、女性から「可愛い!」と言われ、実際に手に取ってもらうことで、漆の上品な艶や手触りに触れ、さらに話が盛り上がりました。

 ここで、輪島塗の新しい魅力のひとつである「話題のネタ」を発見したのです。

螺鈿を施したラグジュアリーなスペシャルバージョン

 そこで、WAJIMANU REBORNプロジェクトの第一弾はネーミング名の一部になっているリボンをモチーフにし、「身につける伝統工芸」 というコンセプトとして、ラペルピンがデビューしました。
 
 輪島塗は「堅牢で優美」とよく言われますし、私はそれが最高のおもてなしであると信じています。多くの人がそう思っていることでしょう。そのため、輪島塗は家の中の装飾品や食器として使われることが多く、高品質で高価なアイテムが揃っています。しかし、たまにしか使わない輪島塗に本当に堅牢さが必要なのでしょうか?元々漆器は日用品として使われていたものであり、毎日使うことでこそ輪島塗の堅牢さを実感できるはずですが、最近ではその堅牢さという魅力を伝える機会が減ってしまっているのではないでしょうか。
 
 「WAJIMANU REBORN」というプロジェクト名には、”輪島塗”と「新たに生まれる」「生まれ変わる」「復活」という意味を持つ”reborn”を掛け合わせています。

 このプロジェクトを通じて、元々の輪島塗の魅力に新しい魅力を加え、輪島塗を手にした方々がより楽しく、長く使っていただけるように、日常を豊かに過ごしてもらえることを目指しています。
 
 また、職人たちの想いが使う方々に届くように、そしてこの伝統工芸が未来に続いていくように活動していきたいと考えています。

 https://www.nushiya.co.jp/