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Intro-曲解のオルタネイト

 あれは12月5日のV-kitazawa AWAKE1周年記念ライブの夜の部、オーナーのグラサン紳士がワールドを開けた19時に事は始まった。私は音楽勢と仲はいいが特にこれといった楽器ができるわけでもなく、スタッフもしていないので今回も観客としていつも通りreq inviteを送る。左下に水色の手紙が届いたらそれを指して、いつものBGMと緑の空間を過ぎればそこはV北沢駅のガード下、どうやらチケットが用意されたらしい。オーナーが駅前までやってきて、今日のイベントの注意点やアバター制限をアナウンスして、それを確認してから路地を走って会場に入る。この時はまだ、階段を降りたらすぐに入り口があってステージが見える旧AWAKEで、今のAWAKEより狭く縦長なライブハウスだった。いつものフレンドたちと、昼の部もよかったね~とかそんな話をしながら開演を待つ。

 一番手はハスキーな歌声であらゆる人を魅了するFH(ふー)さん、むっちゃいい曲をたくさん書いてる人で、多分趣味が合う。ボカロ曲も書くし、バラードからロックから、アメリカ民謡研究会のような特殊な音まで幅広く手掛ける歌い手出身ボカロP兼VRC音楽勢というすごい人。この日は投稿してから2週間の新曲「正解のオルタネイト」などを演奏していた。
 2番手は温かみのある音と声で感情のアコースティックを奏でるまんじゅうさん。どうも現実を透かして見せるような直球の歌詞がゆったりしたギターに乗って感情に直接届くもんだから涙腺に悪い。というのがよく言われていたりする。
 そして3番手は鎌木リカ、彼の紹介はライブ全通のマネージャーさんに任せるとして、このライブで行われたあの発表が物語の始まりだったかもしれない。

バーチャルスリーピースオルタナティブロック超常現象研究会
「オカルトフリーク」

まさに今記念イベントの行われているライブハウスの使い方としてこれ以上ない完璧な使い方で、ミニアルバムの発売、バンド結成とバンド公式Twitterの開設と怒涛の発表。Twitterでは多くの音楽系Vが「オカフリ潰す」と呟き、舞台のMCで泣き崩れるマネージャー(?)、そのボルテージを最高潮に持って行ってトリのJohnny Henryへ舞台を渡したのだった。



このライブの時にあの彼がいたかどうかは覚えてないが、翌週には彼の姿はなく、彼女がただひたすら
「オカフリ潰す」
と言っていた。


彼女曰く、彼はオカフリを潰すための修行のために隠居したらしい。
次に彼が出てくるのは、ドラマーの発表が遅れて未完成なオカルトフリークに、最強のドラマーを引っ提げて宣言通り潰しに来た半年後の話。



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