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Summary

あ~本当に懐かしい。ほんっとうに、時間が経ったんだなって思います。




そう、時間が経ったんです。それだけ。
それだけの時間が経ったんです。



この曲を聞きながら、そう思いました。
私がVOCALOIDを知ってから、いや、私がインターネットを知ってから、12年が経っていました。
この曲はカゲロウプロジェクトではないと明言されていて、私もそう思っています。だって、これはカゲロウプロジェクトを追いかけていた当時等身大の私たちの曲だと思うから。カゲロウプロジェクトの中にいる友達の曲じゃなくて、私たちの曲だと思っています。

薄い缶バッヂも すぐ剥がれたシールも 全部 宝物だった

し、

湿気った匂いが きっと 逸れ者の 逃げ場所でした

僕は きっと 馬鹿にされるのが 嫌でした
陰気な奴と ずっと 虐められるのが 嫌でした
だから、愛しくて 手に余る物 全部を 全部 置き去りに 生きた

https://www.youtube.com/watch?v=UxwHkqkzm0o&ab_channel=%E3%81%98%E3%82%93OFFICIALYOUTUBECHANNEL

んです。リアルタイムで等身大で、厨二病を患いながら、フードを被って白いイヤホンで耳障りなVOCALOIDを聞いていたのです。私はこんなマイナーな曲を知っているぞ!と虐げられながらもマウントを取り、教室の隅でブログやTwitterに書いていたのです。それが、当時等身大の私たちで、友達がたまたまメカクシ団だったのです。
当時の私はメカクシ団を本物だと思っていました。
オタクの友達とは声真似をしたり、小説を貸し借りしたり、たまたま学年の体操服が青いジャージだったのをいいことにエネの真似をしていたのです。
私と妹の誕生日と年齢がシンタローとモモとほぼ同じだったからすっかりその気になっていたのでした。
今になって

触れれば、痛む程 目を背けたくなる程

のイタい話で、本当にこんなことを自分がしていたのかと後悔に耽るわけです。

中学2年生の時からずっと横にいてくれた「メカクシ団」という友達を私たちが忘れないでいるから、友達も私を忘れないでいてくれるし、それを覚えている限りはきっとまだ夏なんだろうなって思います。けど、時間というのは残酷で、12年経って高校生、大学生、就活、社会人と環境も変わり、いつの間にか大人のふりをするのが上手になりました。
もう平成なんだよ優等生と歌っていたのが令和になって、きっと心に子供を飼ったまま大人になっていました。友達と無邪気に遊んだあの夏を、学校の廊下を、教室を、ニコニコ動画を、Windows Vistaを、Skypeを、病院のベッドを、受験勉強に実験室に、並び立つビル街に家電量販店屋上の遊園地に、あまりにもそれが本物で等身大で友達で、あの時あの年齢だったからこその想い出補正です。

大人になったから夏が終わったわけではなく、ただ子供の頃の友達とあまり遊ばなくなっただけの話かもしれません。大人になって昼に公園で集まって縄跳びをするわけにはいかないのです。ただ、等身大だったからこそきっとあの友達も就職して、教師になっていたり大学生になっていたり、芸能活動を続けていたりペットショップに通ってたり、そういう友達なんだと思います。ただ、疎遠になってもたまには思い出すし、忘れないでいてくれるのだと思います。皆でたまにこうやって107号室に集まってあの頃の話に花を咲かせたい等身大の大人の友達であってほしい、そういうわがままです。

いつしか真面になった私が、あの時の私たちに声をかけるなら

「如何か、汚れないでいて、真っ青な風景に 繊細なままでいて」
その感性を大切にして、きっとそのままで大丈夫だから。

私からはそう伝えることしかできないのです。

音楽に救われた私がこうして今ここにいて、それが証拠になり得るから。

わがままで突き進んでいいし、なんだかんだ私は上手くやれています。

メカクシ団の友達が今もどこかでいると願っています。あの時私を友達にしてくれてありがとう。まだ覚えていてくれて、会いに来てくれてありがとう。きっと会えると思うから、またどこかで


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