探索システムをあえて実装した訳【デュエプレ】

こんにちは。ぬるぬる侍です。

今回はデュエプレ特有のシステム「探索」について話したいと思います。

現状全然荒れてない話題ですし、何番煎じやねんって感じで、正直読んで頂く意義が薄いかも…と思ったのですが、自分が書きたくなっちゃったので書きますね。

「探索」は少なくないユーザーからヘイトを買うシステムであり、運営は何故わざわざそんな仕組みを実装したのか、疑問〜不満の声がしばしば上がります。

本記事は、その疑問に応えるぜ!(運営でもない俺が)というものです。もう完全に余計なお世話です。🙃

そんな感じで今回も読んで得する人間は皆無の長文お気持ち表明記事ですので、興味のある方だけお進み下さい。

先に結論めいた事を言います。

運営は積極的な理由で探索を実装した。

運営の狙いは、探索の実装によって、ゲーム中にランダム要素が絡むシーンを増やし、結果的にゲーム体験を健全なものにする事。

(探索システムに文句を付けるのは一向に構わないが、)探索の是非を考える時は、探索が我々を知らず知らずのうちに救ってくれている可能性まで加味して考えないとフェアではない。

みたいな事を言う予定です。それでは。

「わざと」実装しただけの理由がある

さて、言うまでも無い事ですが、探索が嫌われる直接の理由は、サーチが運任せになってしまい、外れてしまうリスクがある事、及び、そのリスクを回避するために探索対象をデッキ内に3種に抑えるという構築制限がかかる事です。

ちなみに、アプリ版からデュエマに触れたため、最初から探索を「そういうもの」と理解していて、不満の抱きようがないという人もいるそうです。
任意のカードが回収可能だった紙デュエマとの比較の上で発生している不満と言えますね。

それに留まらず、いやむしろこちらが本質的なのですが、やろうと思えば探索以外のシステムにも全然できたっぽいのが一番突っつかれています。

確かに、山札からの任意のサーチは、スマホゲーにする以上噛み合いが悪そうです。これはユーザー間でも結構広く合意が取れてる印象があります。
画面上に全カードを表示して探させるのは試合のテンポ的に避けたいとか、盾確認が本来望まれているゲームとは異なるとか、スクショが可能であるとか、色々と理由は考えられます。事実それらも主要な理由でしょう。

しかし、マナや墓地からの探索に関しては、山札と同様の理由では説明がつきません。実際、シビレアシダケ効果(手札)のような画面を作ることは技術的には可能だった訳ですから。
それに、山札からのサーチにしても、せめて3枚ではなく5枚のサーチにできたはずです。実際、フェ二コーラ効果のような画面を作ることは技術的には可能だった訳で。

「確実にサーチしたい!」という思いを運営の人間も抱いているなら、たまたま今の探索システムになっちゃったというのは無理があります。何がなんでも、少しでも再現性の高いサーチ方法を実装したに違いありません。

状況証拠的に、運営がやった行動は、仕方なく探索システムを実装したのを装いながら、仕方なくないのに、わざと探索システムを採用した、と言わざるを得ません。

運営が我々を騙しているとまでは言いませんが、この辺の作為性はユーザーにも伝わり、不満を生んでいると思います。
「超探索」実装の際、「それできるんだったら最初からそうしろよ」という声が多かったのは、(これまで薄々感じていた)その作為性がこの機会に露骨に感じられてしまったためだと思います。

で、ここからが本題なのですが、運営は何故そんな探索というシステムを実装したのでしょうか。嫌がられること間違いなしなのに。

それも、仕方なしにではなく、わざとですから、盾確認を防ぐ等という消極的理由ではなく、積極的な理由が無いと辻褄が合いません。

探索がゲームにもたらすのは再現性の低下です。

ということは、運営は、我々が嫌がるこの再現性の低下をメリットとして捉えていて、積極的に探索システムを実装したと解釈するしか無いと思います。

再現性の低下はメリット

再現性の低下は、実力の比重を増やし、「運ゲー」を避けたいプレイヤーからしたら好ましくないものです。

しかし、言うまでもないことですが、カードゲームにとっては運も大切な要素です。
完全実力勝負の将棋やオセロも非常に面白いゲームではありますが、カードゲームの長所は、不確定要素が存在し、祈る事ができる所にあると思います。勝ち負けに運要素が絡むからこそ得られる興奮ってありますよね。
カードゲームにとって、実力要素と運要素とのバランスを保つのは非常に重要です。

探索は、その運〜実力バランス調整の一端として、運要素を高めるために我々に遣わされた運営からの刺客なのではないでしょうか。

探索の結果サーチが失敗したり、探索を意識して構築を制限される事で、一見ストレスフルなゲーム体験になっているようで、全体としてはむしろ探索のおかげで良いゲーム体験を送れているのかも、少なくとも運営はそれを狙っている、というのが筆者の仮説です。

もう、そう捉える事でしか、探索に積極的な意義を見いだせません。なので多分これで合ってます。

マリガンの是非を考える時の態度で

突然ですが、読者の皆様はマリガン(初期手札引き直しの権利)の是非についてどうお考えでしょうか。デュエプレは不可能ですが、実際の所、マリガンが可能なタイトルも結構あります。

デュエプレにマリガンは必要か、否か、理由まで含めて考えてみて下さい。

(よければ結論を出して下へお進み下さい。)




一見、マリガンを導入した方が良いに決まってるようで、いや、そうでもないかも…と思いませんでしたか?

今、マリガンを導入することで、手札事故が減るというメリットがあるのは明らかですね。その一方、事故が減って再現性が高くなり過ぎたデュエプレも、それはそれでクソゲーになりそうな危険を感じられたと思います。

マリガンを導入しないという運営の判断によって、知らず知らずのうちに我々は救われていた、という可能性がある訳です。

何を伝えたかったかと言うと、マリガンの是非は、再現性を高める事のメリット・デメリットを天秤にかけて判断されるものだということを共有したかったのです。

また、マリガンそのものの善し悪しだけでなく、そのカードゲーム全体のランダム要素がどの程度かにも気を配らないといけません。

↑こちらの記事によると、あるカードゲームには、コイントス等の運要素がゲーム中に十分用意されているので、初期手札ぐらいは快適にやらせてあげよう、という背景があってマリガンが有りになっているのだとか。なるほど。それは確かに。

このように、デュエプレでマリガンのアリ・ナシを考えるなら、デュエプレの現状(運と実力のバランス)も加味して考えるべきだと思います。ゲームによって合う合わないあって当然ですからね。

さて、話を探索に戻しましょう。

お察しの通り、マリガン導入の議論と探索の是非は、ゲーム展開の再現性を意図的に上げない(or上げる)判断をしている点で共通しています。

よって、探索の是非を考える時は、マリガンを考える時と同じ態度で、すなわち、「運営の判断で知らず知らずのうちに救われてるかもしれない」的な謙虚さで臨むのが適当だろうと筆者は思います。(…が、そういう事を言う人は少ないようです。記事を書きたくなったのもそれが理由です。)

更にその上で、マリガン同様、探索は果たしてデュエプレの目指すゲーム性に合うのか反るのかも考えなければならないと思います。

 デュエマ・デュエプレはどういうゲームなのか

(2022-9-21大幅に編集しましたが言いたいことは同じです)

そういう訳で、ここからはデュエプレというゲームの特徴を、紙のデュエマとの比較の上で捉え直し、それに沿って探索を考え直してみようと思います。

なお、ここから筆者の主観の割合が高まることをご了承ください。

まず、そもそものデュエマの特徴ですが、これを語る上では、やはりシールドというシステムを欠かすことはできないでしょう。

先に「祈る」事が可能なのがカードゲームの長所と述べました。毎回のドローだけでも十分ドキドキするものですが、そこにシールドトリガーという逆転要素も加わるのはデュエマの良き仕組みだと思います。(逆転を完封して勝つのもデュエマの醍醐味だとも思いますが。)

その上で、デュエプレと紙版との変更点は、
・7体の盤面制限
・ガバガバ色マナ
・探索
です。

これらの断片的な要素から、筆者は、「デュエプレは、先々まで運要素を保ちたいと考えているのでは?それに資する形で探索は実装されたのでは?」と推理しました。なぜこうなったかは今から説明します。

カードプールが広まりインフレが進む事で、逆転はしやすくなるでしょうか、難しくなるでしょうか。
…難しくなりますよね。基本的に、過剰打点を用意するとかトリガーを封殺するとかの魅力的な切り札は弾を追うごとに増え続ける一方で、シールドトリガーはいつの時代も5枚の盾に埋まってくれないといけません。ルール上。それ故、じわじわとトリガー側(=運)が不利になっていきます。

デュエマの良さが次第に損なわれゆく運命が仕組みにビルドインされていると言っても過言ではありません。

だからこそ、デュエマにとって、逆転可能なゲームであり続ける事・運要素が一定の強さを持ち続ける事は、常に大きな課題なのだと思います。特にデュエマは相手ターンにできる妨害が少ないので、この辺の調整は非常に重要です。
(紙デュエマのシノビとか革命ゼロトリガーはそういった努力の成果なのでしょう。)

さて、こういう課題と向き合い続けてきたカードゲームが、1からゲームルールを作り直せる機会に恵まれたとしたら、どんな思考に至るでしょうか。

「今度こそバランス崩壊ぶっ壊れカードを作らず、良環境を保ち続けるぞ」と同じレベルで、「逆転しやすいゲームにしたろ。ルール上。」と考えるのではないでしょうか。かなり有り得る話だと思います。

もちろんその環境を決定するのはカードプールですが、ある程度環境に左右されない、運要素を増やすための仕組み上の工夫を運営は考えたはずです。きっと。

その結果が、7体までの盤面制限、そして探索システムというデュエプレのオリジナル要素だったのではないでしょうか。

いや盤面制限があるのはスマホゲーム上仕方ないのですが、ぶっちゃけ詰めれば8体いけますよねあれ。なんなら9体もワンチャン。

シールド5枚に対して7体というのは、全員1打点だとすると、最大まで並べたのにジャスキル+1打点にしかならないという事です。この逆転のしやすさ故に、第1弾環境はサーファー4枚入れ得環境でした。なつかし。

この盤面7体制限に、逆転のしやすさ、ひいては運要素を運営が重視しているのが表れていると思います。

この文脈で見ると、探索も、再現性を高め過ぎず、運要素をゲーム内に保ち続けるための新しい工夫だったのではないでしょうか。これは前述の通り、マリガンを避けた判断に似ています。
この判断によって、ディメンションゲートやサイバゴン、キガヴォル等のカードパワーが抑制されています。

でも実際のところ(山札からの)探索は、サーチ先を絞り込んで確定サーチにする運用が主ですよね。運要素云々じゃなくて実質構築制限やないかい、と言う声が聞こえて来そうです。それは、そう。

ここで思い出すべきなのは、構築制限に関しては、我々は既に物凄く優遇を受けているという事です。そう、デュエプレの3つ目の新要素、ガバガバマナ色システムです。

(紙デュエマを知らない方のために説明しておくと、紙デュエマのコストの支払い方は、出したいカードの色を含むマナゾーンのカードを1枚づつタップするというものでした。例えばアラゴナイトを出したい時には、アンタップしている赤マナ、緑マナ、白マナを1枚づつタップする必要があるという事です。なお、多色カードはタップしてマナチャージされるルールなので、例えばアンタップマナ緑緑緑に、手札からアラゴナイトAをチャージしても、アラゴナイトBを召喚は出来ないという事です。結構厳しいでしょ。)

色マナシステムを簡便化したのは、テンポ上もUI上も、大変妥当なものだと思います。

しかし、紙デュエマと比較して、構築自由度が高まり過ぎているのも事実です(それはそれで楽しいけど)。

そこで、そのバランスを少しでも取るためにも、探索というシステムを実装したのではないでしょうか。
これによって、カチュアやボルット等の強力カードを、デッキ構築全体でやんわり抑えています。良くできていると思います。

まとめると、デュエマを作り直すにあたって、運要素を先々まで保つための仕組み上の工夫と、自由になり過ぎたデッキ構築の制限とを一挙に解決するために運営が考え出した策が「探索」というシステムなのではないでしょうか。

結論…よく分からんし謙虚に行こう

色々言いましたが、探索システムは我々の足を引っ張るための仕組みなのは間違いないので、直情的に文句を付けるのは、個人的には良いと思います。

ただ、探索はこのゲームに必要な要素なのかどうかを判断する時は、再現性が高まりすぎるリスクや、構築の自由度が高まり過ぎるリスクを十分考える必要があります。(まあプレイヤーがそんな判断をする必要はそもそも無いんだけど。(ノ∀`)タハー)

その辺のリスクは、我々にはどこまで考えても分からない事です。マリガン導入で、ゲーム性が良くなるのか悪化するのかが分からないのと同様です。

なので、分からないという事を認めて、恐らく長きに渡る調整の末ベストだと判断されたであろうこのルールを受け入れてやっていくのが1番良いと思います。
個人的には、探索を含むゲーム全体に満足しています。運営の思うツボかも。

無難な結論書きやがって…

ここまで毒にも薬にもならない話を聞いて頂きありがとうございました。少しでも面白いと感じていただけたら筆者は嬉しいです。

またお会いしましょう。それではさようなら。

2022.2.12
ぬるぬる侍


【2022.9.21追記】

なんと、16弾以降に実装されるカードは、公開領域(マナ・墓地)からの探索が廃止され、ゾーンの全カードから選べると発表されました。ワオ。

という事で、なぜ公開領域の探索が廃止されたかを予想してみました。蛇足にはなりますが、お付き合い下さると嬉しいです。

さて、まず有り得るのは、シンプルに非公開領域の探索を間違いと認めた説です。ユーザーの不満の声を聞き、素直に反省したのかもしれません。

この説の問題は、「だったら最初から非公開領域には探索をつけんなよ!!!なぜつけた!」という疑問が残る事です。

反省したと言っても、元々は何らかの狙いが開発にはあって探索を実装したのは確かなので(その狙いを本記事では先々まで運要素を保つ工夫だと推理している)、その狙いをデメリットが上回ったと判断し直したと捉えるのが自然でしょうから、その辺の判断が何故今になって覆ったのか、という部分の疑問は残り続けます。いや、案外マジで今更探索を失敗と認めただけかもしれませんが…

2つ目の説は、これまでの探索が間違いだったという訳ではなく、デュエプレのゲーム性の変化に伴って、探索はこれからのデュエプレに合わない仕組みになって来たから今廃止した、という説です。

今になって探索を見直した不自然さも、この説ならカードプールに合わせた変化という事で矛盾無く説明が付きます。

その変化というのは、インフレによってゾーンの移動が活発になり、ループや半ループが可能なゲーム性に変わってきたという事です。

1弾環境の頃は1ターンにできる行動は相当限られていました。(思えば演出もめっちゃ長かった。シクのアルカディアスなんか羽根広げちゃってんだもん。)しかし弾を追うごとに、ターンの時間一杯使っても間に合わない程の行動が可能なデッキが出来てきました。メカオーやジャイアントやロマノフワンショット、MRCや緑単が典型例ですね。インフレが進む限り、この傾向は加速していくでしょう。

そんな中、開発はこのようなゲーム性の変化を受け入れる方針を明らかにしたように思われます。15弾実装時、演出中の時間消費がノーカウントに修正された変化にこれが表れています。

実際、今後も時間制限を付け続ければ実質的なループ潰しができる訳なので(というかこれまで意図的にループ潰ししてたと思う)、これは今後のカードプールを見据えた明確な方向転換だと思います。
個人的には、今後のコンボの可能性を潰さない良い判断だったと思います。

このように、1ターンの行動が増えるゲーム性の変化を肯定する方針になった以上は、探索というシステムはその足を引っ張り過ぎるものとなり、かつて期待されていたメリットを上回るデメリットがこれからはあると見なされたのではないでしょうか。

公開領域の探索廃止についての自分の予想は以上となります。

ま、ほんとのところなんて誰にも分からないんですけどね!(匙投げ)

後は今回の変更に関して個人的な感想を少し書いておしまいとします。

まあこれからは不自由なく公開領域から選べる訳なので、安直に喜んでます。

ただ、二角がエグゼドライブを拾って来れるか祈ったあの時、相手の墓地にサファイアが落ちてる最終盤、インフェルノゲートの探索が外れろと祈ったあの時、確かに紙では得られなかった興奮を得られていたのも事実です。自分はその辺をスマホゲームならではの要素としてある程度肯定的に評価しています。お使いに成功した二角ちゃんは、ワシャワシャ撫で回してあげたい程愛おしくなったものでしたよね(共感を求める顔)。

あとは、「これまでの探索も直せよ派」と「これまでのはまあしゃーないやろ派」の意見の違いは興味深いですね。

本編でも触れた事ですが、探索に対する不満は紙との比較の上で成り立つものなので、「これまでのも直せよ派」の主張は、「紙の挙動こそが正史であり、プレイスは正史に合わせろ」と言っているものと捉えられます。

しかし、プレイスからデュエマに触れた人からすれば、探索は「不便かもしれんけどまあこんなもん」なのであって、プレイスの挙動こそが正史です。

「直せよ派」は被害者の意識で無邪気に探索に不満をつけており(まあ実際被害者なんですが)、それが他者にとっての攻撃になりかねない事にはほぼ無頓着なように、筆者には見えます。

ちょっときしょい事言いますけど、普通の大人は、普段は自分の攻撃性を抑えて生活するものです(それができない人はクソガキです)。しかし、大人でも「相手が悪い」「自分は被害者である」、といった意識になると、案外簡単にリミッターを解除し、悪意を込めて殴り出すものです。自分も含めて、人間そういうものだと思います。最近で言うと、いくらなんでも卑怯過ぎるだろ事件の時はリミッターが外れた人多かったですね。

…とかなんとか言ってますけど、探索に関して、自分の観測範囲ではリミッターが外れた人はごく稀です。手にスポンジつけてポスポス殴りあってるの見てワイニッコリ。

ただ、5chにはリミッター外れた狂戦士がいたらしいのでね、あの、もしその狂戦士の方がこのnote見てたら、自分が痛いこと言ってなかったか振り返ることをおすすめします。俺も気をつけます。いや本当に。

てことで最後は訳も分からず説教臭くなりましたが追記分も終わりとなります。ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

それではさようなら。

2022-9-21
ぬるぬる侍

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