【連載】僕の親友は不法滞在8
8 外国人の労働の考え方
その年のクリスマスの日、僕は仕事を失った。いろんな思い出があった会社だった。豆腐製造の会社で日本でスーパーができ始めたころは大量生産できるのが売りで儲かっていたと聞いた。社長はテレビにたまに出て豆腐料理を紹介したりした。しかし、様々なことが理由で赤字になって民事再生法適用申請し、会社は整理され本社工場は閉鎖、残りは最大手の会社に吸収された。
後日談として、吸収された先も数年後倒産したという記事を見た。完全に解散。
初めに中国人留学生がいてベトナム人も働き始め、日本人の考え方が通用せず、どうしても分かってもらえないことも多かった。それを僕は逆に面白いなあと思っていた。
中国人は平気で無断欠勤した。何度言っても時々無断欠勤した。ほぼみんな。まあ実はベトナム人や南米人も中国人よりなんだけど。
これは日本人と中国人との労働に対する考え方であり、どうにもならない溝だ。
中国人は1働けば1対価をもらう、という実にシンプルな考え方だ。日本人もと思うかもしれないが日本人は実はそうではない。
この中国人の発想から1働かなければ1の対価はない。ということになり、仕事を1日休めば1日分給料をもらわないだけで、文句言われる筋合いはないということになる。
休んでも給料くれるのなら文句言われてもいいが休んで給料をくれないのに文句言うのはおかしいという論理展開だ。これは実にシンプルな考え方であり、屁理屈ではない。だからいくら言っても無断欠勤はなおらない。
これの対策としては1か月皆勤したら5万円支給という制度を使うという手もある。皆勤賞制度だ。
あるいは3千年の歴史中国人は手先が器用な人も多い。しかしのらりくらりやって怠ける人のほうが多い。なぜか?これもシンプルな考え方から来る。1労働に1対価。ということは2やっても3やっても支給額が1なら1しか彼らはしない。
日本の会社は能力ある人もない人も一日中仕事をして能力ある人が補っている。中国人は能力ある人は補わない。能力ない人と同じ量しか働かない。極端に言うと会社に1日いさえすれば給料がもらえると思えば全く働かない。
中国人は厄介と思うかもしれないがこれを逆手に取れば、「1日100個作ったら帰っていい」とすればみんな手際良く仕事してさっと帰る。実に効率的だ。終業時間が決まってるのなら100個以上は歩合給にしたりすればいい。
とにかく外国人は考え方が一々違う。日本に当てはめてもマイナス。逆にその外国人に合わせて効率よくすることが必要。
僕はそういうことばかり観察して面白いと思っていた。
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