【連載】僕の親友は不法滞在11

11 不法滞在者の住まい事情

  駅から歩いて50分の地方の2Kアパートが月10万円って、高すぎると思いませんか？

もちろん、足元見てぼってるのだ。相場では3〜5万円くらいだろうか。

  今日本人の多くは移民を快く思っていない。逆に経団連などの企業経営者たちは安い外国人労働者を雇いたいと目先の利益を考えている。その２つに挟まれ両方にいい顔をしようとする政府は、国民には移民をしないとアピールして外国人にいわゆる単純就労ビザを発給しない。そして経団連等企業には技能実習生の幅と量を増やしいわゆる実習生ビザという就労ビザと留学ビザの間のものを乱発して実質の就労ビザの出稼ぎ移民を年々倍増させている。それと昔ながらの脱法出稼ぎ労働の温床になっている留学ビザ。

そうやって実質的な単純労働の外国人・移民は爆発的に増えているが、日本社会は全く変わっていない。よそものなんて嫌だという感情。これは外国人を雇うことについて書いたことがあるが、全てにおいてであって、アパートオーナーも外国人には貸したくないのが本音だ。

その前に日本人にだって、簡単に貸してはくれない。普通、収入が充分ある保証人を立てて初めて借りられる。ましてや外国人に貸すなんて普通はしたくないのが本音だ。

そこに悪い不動産屋が出てくる。人伝てにあそこが貸してくれるぞとなり、外国人で儲ける。ただし、そこは足元を見て、2Kアパートで駅から50分で10万円とふっかける。二人三人とで出し合えば5万、3万、2万…になるわけだから、不可能ではないよねとでも言うのだろうか。ちなみに、更新料も10万円を請求する。

と、言ってもだ。普通の駅前に店を構えるような不動産屋ではまず貸してくれない。

貸してくれるといっても法外な値段。だから借りている希少の知り合いの所に集団居候するか、または、技能実習生の寮に忍び込んで暮らすか。肩身が狭く、落ち着けない毎日を過ごしている。

不法滞在している外国人は仕事を探すのもあまりにも大変だし、住まいを探すのもあまりにも大変なのです。荒稼ぎして貯金しているイメージはそこにはない。

群馬で家畜窃盗団が逮捕されたが、全国から来て集団で住んでいたのは、逆に言うと、そうでしか住めなかったという意味もある。