【連載】僕の親友は不法滞在
20 ベトナムショップの奥
愛知県やその周辺地域には南米人が多く、ブラジルショップなどもあって面白い。ベトナム人も比較的多くベトナムショップもあった。
東京はとても大都市であるんだろうけど、そういうブラジルショップやベトナムショップは見たことがない。いやあるんだろうけどね。人口比率的にというか。中国人用や韓国人ショップはいっぱい見てますが。
Hの住んでる愛知県の田舎都市にもベトナムショップがあって、連れて行ってくれた。食料品や雑貨が並んでる。パッケージにはすべてベトナム語。珍しそうに僕は隅々眺めた。
店員はベトナム人のおじさんとおばさん。Hはおばさんと親しげにずっと話していて、しばらくして、何か2、3品買い物をした。
そこに3度目に行ったときは、連休で地方から5人くらい遊びに来ていた人たちと行った。小さいショップにわざわざ全員で入らなくてもと思ってたら、Hがあっちだと奥を指さした。奥のドアを開けると8畳くらいの部屋があってテレビ画面があった。カラオケルームだ。ドアにはカラオケのカの字もKAの字もない。たぶんもぐり。当時は、またまた違法な無許可カラオケ営業でしょー、と思ったが、実はカラオケ店営業には許可が不要なのだそうだ。だいたいカラオケ店の形態は飲食店で、客が勝手に歌ってるんだよというていらしい。ただ違法ではないが、悪名高きJASRACには曲利用料を支払わなければならないけど。10人部屋×1時間500円で月額9000円くらいらしい。これはたぶん払ってなさそうだ。
入って数分くらいするとベトナム人が次々と入ってきた。全部で15人くらいになったかな。これでカラオケ大会になっていった。
といっても、全部ベトナム語で何が何やらなんですが。
いい頃合いで、みんなが数百円ずつテーブルに出し始めた。点数が1番いい人が総取りという。そして僕にも歌えと。英語があるから英語の歌を歌えと。
ここで乗らなきゃ日本の男がすたる。僕は唯一知ってるといっていいビートルズの歌を探し出して何番目かに歌った。
なんと99点!僕が総取りした。(笑)
Hは50点の最低点。今どきHほどの音痴は自分の父親以来だ。価値観も考え方も昭和のオヤジだけど、歌唱力もオヤジ(笑)
あとは、ノリのいい曲をみんながガンガンかけて、みんなで踊りまくった。楽しい民族だ。
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