ある心象風景⑥
ケン、ケン、パッ。ケン、ケン、パッ。
長方形の石畳の上で、半ズボンの男の子が独りケンケンパをしている。チョークか何かで描いた、丸や四角の上を跳ぶ。
ケン、ケン、パッ。ケン、ケン、パッ。
広い石畳が敷かれているのは、ヨーロッパの庭園だ。左手には大きな湖が、静かな水を湛えている。向こう側には石造りの風変わりな古城が、ちんまり聳えている。
ケン、ケン、パッ。ケン、ケン、パッ。
石畳の周囲には、灌木がぽつぽつと生えている。中程には所々に、石柱があったろうか。
ケン、ケン、パッ。ケン、ケン、パッ。
空はずっと曇っている。辺りは静まり返っている。ただ男の子の足音だけが響く。
ケン、ケン、パッ。
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