速さってどんな時に必要?

昨日から僕は療育という仕事を始めました。

昨日の療育や保育の仕事でも大きく関わってくる「人生における速さ(早さ)」の問題。親が子どもに対して不安になったりイライラしたりすることの原因の大半は「速さ(早さ)」が関わってくるのかなと思います。
例えば「早く立ってほしい」「早く話せるようになってほしい」「早くパンツになってほしい」「速くご飯を食べてほしい」「速く準備や支度をしてほしい」…
など、とにかくこの「速さ(早さ)」を求めているからイライラしてしまうことが多いのかなと。
人の子どもを見ると「ゆっくりでもいいんだよ」と言いつつ、我が子には「この子は一体いつまでおっぱい飲み続けるのかしら…」みたいに、不安になったりイライラしてしまいます。ちなみに僕も3歳までおっぱい飲み続けて親は少し心配していたそうです。(笑)

実際に人生=時間であって、早さを求めるのもよくわかります。
しかしペースと言うのは人それぞれであって、できればその子のペースで生きていって欲しいと願うのが親の想いでもあります。

その中で人にとって速さを求められるのは「決めるとき」かなと思うのです。何かを選ぶ時に迷いなく決めるということ。

子どもを見ていると生き方の本質がわかると思いますが(そもそも本能で生きているので)、彼らは成長段階はバラバラでも「悩む」という時間の使い方はしないのが共通しています。「これが好きだからこれ!」とか「今はこれをやる!!」「今日の洋服はこれ!」のように、「今」の自分の気持ちに正直に生きて、そこに迷いがないのです。これって実はすごく大切で、人生で一番無駄にしている時間の過ごし方が「悩む」という時間です。すごく簡単な例ですが、会社に行く時に「今日は電車で行こうか、タクシーで行こうか」など悩んでたら時間の無駄ですよね。既に決めているから行動が速い。行動が速いということは結果も速くついてくる。外食の時に悩んでいたらいつまでたっても料理は運ばれてきませんよね。

「うちの子はいつもこればっかりやってこだわりが強いというか頑固というか…」と悩まれる方もいますが、これは裏を返せば「悩まずすぐに決められる人」という特性もあるのです。
大人になるにしたがって、いろんな情報を得ることで悩むことも増えていきますが、その中に「自分軸」というものを持って生きていけば悩むことに時間は割きません。そして、決めたあとでも「何とかなる」というのが人生です。だって人生には答えはないですからね。

子どもに対してどこを褒めたらいいかわからないという方は「決める速さ」のところを褒めて上げるといいと思います。「行動の速さ」は決めたあとについてくるもので、本当に大切なことは「決める時の速さ」です。大人になったらどんどんここが鈍くなってきますが、子どもの時にここが認められると決断のスピードが早くなって人生を豊かに過ごすことができるようになります。

療育にはいって思うことは、子どもこそ人の生き方の本質を学ばせてもらっているような気がします。

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