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OSCEについて②<オーストラリア看護師になるための必要な試験対策>

OSCEについて少し細かくお伝えできたらと思います。
OSCEは特に日本語での情報が少ないですし、練習するまで内容が想像もつかないと思います。
OSCEにこれから望む/将来的に受けそうな方の役に立てればと思います。
(少し長いです)

OSCEでは何が出題されるのか?

OSCEに招待されると、OSCEハンドブックというものがデータで送られてきます。そのハンドブックによると、以下のものが含まれるかもしれないし、他にも出題されるかもしれないという記載がありました。
※カッコ内はだいたいの訳です。

・Physical observation(フィジカルアセスメント)
・Vital signs (バイタル測定)
・Calculating drug dosages(薬の計算)
・Subcutaneous/Intramuscular injection(皮下注射/筋肉注射)
・Aseptic Non-Touch Techniques(ANTT)(清潔操作)
・In hospital resuscitaion(BLS)
・Safe disposal of shapes(安全な針の取り扱い)
・Medication administration(薬剤投与)
・Wound care(創部/傷処置)
・Hand hygiene(手指衛生)
・Therapeutic patient communication/ consent(治療的なコミュニケーション)
・Infection control practices(感染コントロール)
・Patient identification(患者確認)
・Intravenous therapy administration/ management(静脈内注射/管理)
・Risk management in the clinical environment(リスクマネジメント)

実際この通りなのか?
というと、ほぼ間違いないですが網羅はしていません。

私が実際に練習した項目

(下記は実際に過去に出題されたものです)

・バイタル測定
・BLS
・疼痛アセスメント/コントロール
・プライミング(メインの投与)
・輸血副作用の対処
・傷/創処置
・ISBAR
・内服投与(大人あるいは小児)
・静脈内投与
・筋肉注射
・皮下注射
・腹部アセスメント
・胸部アセスメント
・神経アセスメント(末梢レベル)
・神経アセスメント(中枢レベル)
・尿検査
・褥瘡アセスメント
・転倒リスクアセスメント
・血糖測定
・アルコール離脱症状アセスメント
・メンタルリスクアセスメント
・メンタルアセスメント
・麻薬の取り扱い/投与


結構膨大ですよね。
この中から10項目出題です。


試験の流れ

もう少し細かく説明します。

まず、試験では1つの項目に10分時間が与えられます。
最初の2分はシナリオ/タスクを読む時間です。

試験の部屋の前にあるスクリーンにシナリオ/タスクが表示されるので、読みながら、配布されたノートにメモをとります。(ノートは試験中に見返してもよいですが、実際はそんな余裕はありませんでした)

8分が実際の実演時間です。

部屋は本当の病室のような作りで、部屋の中には患者役の役者さんかマネキン、試験官がいます。(投薬のシナリオではダブルチェックの関係上もう一人看護師役がいます)

部屋にはカメラ/レコーダーが設置されてるので、動作/発言が全て記録されています。

実演方法



バイタル測定を例にどのように実演したか説明します。
※行う動作はほぼ全部、何をしているのか喋り続けています。

①ノックをしてドアを開ける
②安全の確認(安全に遂行できると実際に声に出して言います)、プライバシーのためドアを閉める(言いながら実際にやります)
③アルコールで手指消毒をしながら挨拶、名乗る
④”まずはIDを確認させてくださいね、名前と生年月日を教えてください”と聞きながら、合ってるかリストバンドとカルテを見ながらチェック。カルテ番号(MRナンバー)もチェック
⑤アレルギーの確認、あれば何でどの症状がでるのか詳細を聞き、カルテにも書かれているか確認する
⑥なぜ訪室したのか説明(シナリオを織り交ぜながらがベターですが、ど忘れしたら単純にバイタル測りに来ましたとだけいってもOK)。
⑦バイタルが測れる状態なのかいくつか質問をする。
・30分以内にカフェイン摂取/喫煙してないか
・30分以内にエクササイズをしていないか
⑧必要な物品を取ってきますねと言い、ナースコールを渡してアルコールで手指消毒しながらベッドサイドから離れる。
⑨物品が置いてあるエリアに行き、体温計・血圧計・聴診器・SpO2モニターを集める(全部消毒されて動作確認済ですと宣言する)
⑩ベッドサイドに戻り、手指消毒
⑪患者さんの体勢のポジショニング
・足を組んでたら直すように言う
・座位なら腕が心臓と同じ高さになるように枕を入れるか臥位にする
⑫血圧測定のための腕の状態を観察(全部声に出して言います)
・シャントなし・変色なし・点滴なし・傷なし
・腕/胸の手術歴がないか聞く
⑬血圧計を腕に巻く
・大人用のカフであることを伝える
・2.3cm肘から離れたところに、指が2本くらい入る程度のきつさで巻く(これも言いながらやります)
⑭血圧測定
・測定中は喋らないように伝える
(きつくなりますよ、などの声掛けもする)
・まずはベースラインの測定
・血圧測定(ベースラインに30㎜Hgプラス、必要以上に加圧しない)
・数値を伝えながら手指をアルコール消毒
⑮SpO2測定/脈拍測定/呼吸数測定
・指の観察(変色/傷などないか確認)してからモニターを付ける
・どちらかの肘を曲げて胸に乗せ、腕で脈を計りつつ呼吸数をはかる(15秒)
・SpO2数値確認
・すべての数値を読み上げる
⑯体温測定
・耳で測定するので耳の観察(耳を斜め上に引っ張りながら)
・ピッと音がしますよ、ちょっと嫌な感じがしますけど耳に入れますねなどと声かけしながら測定
・数値を読み上げる
⑰手指消毒、結果をチャートに記入
⑱痛みの有無/スケールを聞いて記入、意識レベルを記入
⑲ナースコールを渡して退室、手指消毒

たかがバイタルサイン測定なのに、やらなければならないこと・発言しなければならないことが膨大です。
上記はあくまで一例で、測定の順番は前後してもOKです。

どこを採点されているか不明なので、恐らく採点に響くであろう点を全部盛り込んでいます。多分どこかを削っても受かるとは思うのですが…上記のように学校では教わりました。


OSCEに絶対出題されるものとは

前述した通り、出題される可能性があるものは過去問から考えてかなりの数があります。

しかし!!

必ず出るものというのがあります!
それは・・・
前述したリストの最初の7つです!

・バイタル測定
・BLS
・疼痛アセスメント/コントロール
・プライミング(メインの投与)
・輸血副作用の対処
・傷/創処置
・ISBAR

出題される10問のうち7つパスで合格なので、これの必須7つさえ完璧にしておけば、受かるという計算になります。

この7つは毎日練習して完璧にしました。
それ以外の項目はローテーションで日替わりで練習しました。


余談

患者さん役の方は思いもしないような事を言ったりやったりします。
私の場合、8分という時間でタイムプレッシャーがある中、急いでタスクを終わらせようとしているのに、記録中に話しかけてきて邪魔してきたり…

予期しないことが起こるのですが、きちんと対応すれば大丈夫です。

タスクは全部終わらせなくても大丈夫です。
どれだけ患者さんとコミュニケーションを取れるかが肝です。

あとは、笑顔を忘れずに!です:)







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