【完全公開はnoteだけ!!】あっという間にすぐ書ける!発熱のらくらくアセスメント
2024.11.12更新
「あっという間にすぐ書ける!○○のらくらくアセスメント」は、誰でもすぐに質の高いアセスメントができる様に作成しています。アセスメントに関する詳しい内容はなんでなんだの看護過程ガイドブックを参照ください。また、しっかり整理整頓!情報収集の素、もっと楽々コピペで立案!標準看護計画&症状別看護計画、サクッとまるわかり!疾患別看護診断と一緒に使うとより効果的にご活用いただけます。
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しっかり整理整頓!情報収集の素:ゴードンの機能的健康パターン
しっかり整理整頓!情報収集の素:ヘンダーソンの看護の基本となるもの
体温・発熱を評価する領域
ゴードンの機能的健康パターン:栄養-代謝パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:衣服の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する
体温・発熱とは
人の身体は体温を一定に保つ様にできており、体温を一定に保つ能力の事を体温の恒常性と言う。体温の恒常性は体内の熱の生産と熱の放散のバランスのコントロールにより保持される。
熱の生産 > 熱の放散 = 体温上昇
熱の生産 < 熱の放散 = 体温低下
熱の産生の種類
熱産生には代謝、ふるえ、非ふるえの3つがある。
-代謝熱産生:糖や脂質などの栄養素をクエン酸回路(TCA回路)で熱に変換して熱産生する事。以下の因子が関与する。
・基礎代謝:生きていくために必要な最小限度の新陳代謝の事。
・ホルモンの作用①:甲状腺ホルモン(T3、T4):細胞の代謝を促進する。
・ホルモンの作用②:副腎髄質ホルモン(アドレナリンまたはエピネフリン):糖代謝を促進する。
※アドレナリンとエピネフリンは同じホルモンだが呼び方が違う(ラテン語かギリシャ語かの違い)
・筋肉運動:運動により代謝が増大する。
・温度効果:体温が上がると代謝を亢進させてさらに体温が上がる。
-ふるえ熱産生:骨格筋が不随意的に反復して熱生産する事。寒冷馴化によりはじめに出現する体温調節反応。
-非ふるえ熱産生:糖や脂質は約70%がATPに変換され約30%が熱になるが、100%熱にして熱産生される事。寒冷馴化により促進される。
熱放散の種類(周囲の温度が高い時は起きない)
熱放散には輻射、伝道、対流、蒸発の4つがある。
-周囲への輻射:体温が赤外線の形になって周囲へ逃げていく事。
-空気への伝道:身体の熱が気道や皮膚の表面から空気中に逃げていく事。
-空気の対流:空気の移動によって熱が空気中に移動する事。
-水分の蒸発:水分が皮膚の表面から気化して熱が奪われる事。
体温が変動する要因は様々で以下が挙げられる。
-年齢:基礎代謝や体温調節機能に影響する。新生児、乳児 > 成人 > 高齢者。
-性別:成人女性は月経周期に伴う変動が見られる。
-個人差:ホルモン(内分泌系機能)や自律神経機能による変動。(人による)
-日内変動:1℃/日以内の変動が見られる。早朝が最低体温で午後から夕方にかけて最高体温となる。
-季節的変動:気温により変動する。春から夏にかけて高くなり、秋から冬にかけて低くなる。
-食事:食後に軽度上昇する。(しない事もある)
-飲酒:アルコールにより代謝を亢進させて体温が上昇する。
-運動:代謝を亢進させて体温が上昇する。
-入浴:代謝を亢進させて体温が上昇するが、入浴後は血管が拡張し体温が低下する。
-精神的興奮:アドレナリンの作用により体温が上昇する。
体温の調節(体熱平衡)は体温調節中枢によりコントロールされている。体温調節中枢は視床下部にあり、前部は温中枢(熱の放散を増加する役割)、後部は冷中枢(熱の産生を増加する役割)に分かれている。この2つの中枢のバランスによって体温設定温度(セットポイント)が決められ、体温が体温設定温度(セットポイント)と等しくなる様に熱の産生と熱の放散の割合が調整される。
発熱とは、体温が正常な変動(日内変動)から逸脱して上昇する事を言う。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律では「体温が37.5℃以上を呈した状態を言う。」とある。
腋窩温による発熱は以下の様に区分されている。しかし、上記の変動要因により異常がなければ37.0℃を超えても平熱と判断できる。
平熱:36.0~36.9℃
微熱:37.0~37.9℃
中等度熱:38.0~38.9℃
高熱:39℃以上
疾患によって特有の熱の型を示す事を熱型と言う。
※1.熱型については発熱に関するQ&A 看護roo!を参照
※2.熱型に一定の傾向がない場合は「不定熱」とする事
①発熱、②発熱の程度、③熱型は違うものと意識すると分かりやすい。
例:昨日からAさんの体温が①37.5℃となり発熱しています。②日中は37.5℃と微熱ですが、夜間は38.5℃と中等度熱です。③熱型は弛張熱です。
発熱に必須の情報収集項目
発熱が起こる原因や誘因
-感染症
-膠原病
-ホルモン(内分泌)の異常
-悪性腫瘍(腫瘍熱、治療の副作用の免疫力低下による感染)
-広範囲の梗塞(肺梗塞、心筋梗塞など)
-侵襲熱(手術、事故など)
-吸収熱(骨折、手術)
-脳疾患(脳出血、脳腫瘍、脳外傷など)
-薬剤熱(抗がん剤、薬剤過敏症症候群、悪性症候群、悪性高熱症)
-精神的刺激(転換性障害、神経症)
-熱中症
-うつ熱(乳児、幼児、体温調節障害)
-不明熱
発熱してから現在までの経過(体温の経過、発熱した時間、発熱の程度、熱型)
※熱型に一定の傾向がない場合は「不定熱」とする事
発熱以外の症状
バイタルサイン
発熱の随伴症状の有無と程度(熱感、発汗、顔面紅潮、心拍数の増加、脈拍数の増加、血圧低下、呼吸数の増加、咳嗽、喀痰、胸痛、食欲不振、舌苔、悪心・嘔吐、腹痛、便秘、下痢、体重減少、脱水、頭重感、頭痛、めまい、倦怠感、集中力低下、意識障害、痙攣、蛋白尿)
発熱に関する検査データ(血液検査(免疫に関するもの、電解質、血液培養、動脈血ガス分析)、尿検査、尿培養、便検査、便培養、レントゲン、CT、MRI、超音波検査、組織検査など)
発熱に対する治療の有無(安静療法、薬物療法、輸液療法、食事療法など)
発熱に対する治療の効果
発熱に対する患者や家族の反応
発熱のアセスメント定型文
アセスメントの基本的な流れと書き方
アセスメントの基本的な流れと書き方は次の様になります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。
2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。
3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。
4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。
作成の方法
・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。
1.患者の状態の判断
■患者の状態
Aさんは【タイミング】に【発熱した時の状況を記入】で発熱し、【発熱してから現在までの経過を記入】。現在は【いまの状態を記入】の状態である。また、発熱に伴い【(※発熱してから新たに生じた症状を記入)熱感、発汗、顔面紅潮、心拍数の増加、脈拍数の増加、血圧低下、呼吸数の増加、咳嗽、喀痰、胸痛、食欲不振、舌苔、悪心・嘔吐、腹痛、便秘、下痢、体重減少、脱水、頭重感、頭痛、めまい、倦怠感、集中力低下、意識障害、痙攣、蛋白尿など】の随伴症状が見られている。
発熱に関する検査データは、【異常な検査データ記入】が異常な数値を示している。
(発熱に対して肯定的な意見の場合)
Aさん(Aさんの家族)は発熱について【患者の反応(家族の反応)】と話しており、【発熱の全体または一部(具体的に)】を肯定的に捉えている。
(発熱に対する否定的な意見の場合)
Aさん(Aさんの家族)は発熱している(した)事について【患者の反応(家族の反応)】と話しており、今の状態に対して【辛さ・苦しみなどの感情】を訴えている(吐露している・と思っている)。
■介入の有無
現在、発熱に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分でない。(発熱は続いている。)
現在、発熱に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。
現在、発熱に対しての治療やケアは行われていない。
■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
これらの事から発熱している現在の状態は適切な状態とは言えない。
(ヘンダーソンの場合)
これらの事から発熱している現在の状態は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)
2.根拠の記載
■細菌感染症による発熱
細菌が体内に侵入し【細菌の増殖時の代謝産物、エンドトキシン(内毒素)】(外因性発熱物質)を放出する。この【細菌の増殖時の代謝産物、エンドトキシン(内毒素)】(外因性発熱物質)が単球やマクロファージを刺激して内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターロイキン1)を放出させる。また、マクロファージが【細菌】を貪食する事で、内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターロイキン1)を産生・放出する。この内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターロイキン1)が視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。プロスタグランジンが体温調節中枢を刺激して体温設定温度(セットポイント)が上昇し発熱する。
細菌感染症による発熱までの流れ(関連図の参考)
1-1.細菌が【細菌の代謝産物、毒素】(外因性発熱物質)を放出し、単球やマクロファージを刺激する。
1-2.マクロファージが【細菌】を貪食する。
2.マクロファージが内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターロイキン1)を産生・放出する。
3.内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターロイキン1)が視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。
4.プロスタグランジンが体温調節中枢を刺激する。
5.体温設定温度(セットポイント)が上昇する。
6.実際の体温は低いため、悪寒戦慄して筋肉運動を起こす事により代謝が増大して体温を上昇させ発熱する。
■ウイルス感染症による発熱
ウイルスが体内に侵入し【ウイルス毒素】(外因性発熱物質)を放出する。この【ウイルス毒素】(外因性発熱物質)が単球やマクロファージを刺激して内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターフェロン)を放出させる。また、マクロファージが【ウイルス】を貪食する事で、内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターフェロン)を産生・放出する。この内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターフェロン)が視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。プロスタグランジンが体温調節中枢を刺激して体温設定温度(セットポイント)が上昇し発熱する。
※資料によってはインターフェロンが体温調整中枢を直接刺激するともある。
ウイルス感染症による発熱までの流れ(関連図の参考)
1-1.ウイルスが【ウイルス毒素】(外因性発熱物質)を放出し、単球やマクロファージを刺激する。
1-2.マクロファージが【ウイルス】を貪食する。
2.マクロファージが内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターフェロン)を産生・放出する。
3.内因性発熱物質(発熱サイトカインであるインターフェロン)が視床下部の血管内皮細胞に作用してプロスタグランジンを産生する。
4.プロスタグランジンが体温調節中枢を刺激する。
5.体温設定温度(セットポイント)が上昇する。
6.実際の体温は低いため、悪寒戦慄して筋肉運動を起こす事により代謝が増大して体温を上昇させ発熱する。
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