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野球教育で本当に人は教育されるのだろうか~一選手の犯罪から考える~

衝撃的と言えばいいのであろうか、それともまたあった、と言えばいいのであろうか。
古谷優人投手が窃盗により自由契約、ということになった。
ソフトバンクが160キロ左腕・古谷優人の保留権放棄 ロッカー窃盗が発覚、本人認める
非常になんとも言い難い。
今更「窃盗はよくないこと」なんて言うのは子供にだって分かる。かといって160km/hという力を於いて「(才能はあるのだから)更正が可能な球団が引き取れないか」といわれても能力が高ければ多少の罪も許す時代ではなかろう。
これだけ個人主義といわれる時代なのだ。きっぱり刑罰を受けてもらう他あるまい。
プロ野球選手である前に一日本人として法律を破ったなら法律によって裁かれるべきだ。

1,先に浮かぶ疑問


と言いはしたものの、いささか疑問があるのは本音だ。
将来への期待を込めて推定年俸700万と言われている投手、それも将来の活躍が期待されている投手が何故このような事を行ったのか。
少なくとも今季初勝利をして来季以降のイメージが整い始めたこの時期に何故このような犯罪に向かってしまったのか
疑問はつきない。
犯罪を一喝するのは簡単だが、何故犯罪に至ったのか、根本原因が繋がってこないと今後の対策もかなわなければ「犯罪をしたら適所適所で目には目を」でやるしかなくなってしまう。

2,野球選手の金銭感覚の麻痺?


妄想の域、ではあるが考え付くことが一つだけある。
例えば野球用品はスポンサードしているメーカーと契約していれば無限に、とは言わずとも数点はもらえる慣例がプロ野球にはある。
グラブならグラブ。バットならバットを無償でいただく代わりに名前を提供してもらう。
そうして選手モデルの野球用品を販売してメーカーは利益を得る、という構造がある。
これだと案外選手は罪の意識が弱くなってしまうのではないか、という懸念を覚えている。
相互の関係構築のもと、選手に野球用品がメーカーから手渡されるのであるが、その関係を知らない人、またはあえて無視した場合、この行為は「有名選手にメーカーが野球用具をただであげている」ように映るのだ。
こう考えると
「どうせなくなってもまた(メーカーから)貰うことが出来る」「買うにしても金持ちだから大した額にはならない」
と考えて犯行に及んだのではなかろうか。
また高校野球の頃から有名な選手になると後援会などが結成され、そこからグラブ等を無償でいただけるような話を聞いたことがある。

3,「野球道」とは果たして教育になっているのか


これはあくまで風の噂の域を出ないのは承知であるが、ここで重要視したいのはそういった事実の生むではなく、金銭の大切さなどを学ぶ機会がない、もしくは学んだとしても軽んじられる環境にあったのではないか、という疑念がある。
会社から支払われる年俸もお小遣いの延長の域を出ていない。そして野球用具は無料で貰える。
そんな金銭感覚及び管理体制のまま、ここまで来てしまった結果なのではなかろうか。
もしそうだったとするなら、日本の教育、そして
「野球は礼儀やマナーを学べる」
といった大義名分で、今日まで育成という名で選手をしごいてきた「野球道」の敗北である。
たかが一人のプロ野球選手がやらかしただけ、なのかもしれない。しつけと個人の性質は同一ではない。それは否定しない。
否定こそしないが、他人事ではなく我が事、と受け止めることは重要ではないだろうか。

4,まとめにかえて


プロ野球選手ではたまに「電車の切符を買えない」という選手がいる。
バラエティなどで笑いのだしにされるが、果たしてそれでいいのだろうか。
野球は人一倍出来るが切符の一枚すら買うことが出来ない。
それははたして教育と呼べるのだろうか。
疑問は尽きない。

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