シンシナティ・レッズを今日も語る
1,強くはなったのだけれど
エリー・デラクルーズの登場によってにわかにシンシナティ・レッズの注目度が上がってきている。ナ・リーグ中地区でもミルウォーキーとの接戦を繰り広げており、結構強くなったことを喜んでいるファンは多い
というよりは去年がしんどかった。
とはいうもののビッグボールよりのスタンスのせいか勝つときは大勝するのだが負けが込み始めるとどうにもならないビッグボールのよくある弱点をさらしつつ首位争いをしている。
TDLも急務と言われていた先発のトレードはなく、そのままスタメンはそのままに進めるようだ。
2,ジョナサン・インディアのトレード
そこで名前が挙がったのがジョナサン・インディアのトレードであった。
近年活躍の度合いがうすくなりつつあるジョナサン・インディアと先発とのトレードをしようという話が出たのだ。
ショートにはエリー・デラクルーズが登場し、セカンドには今年ブレイクしたマット・マクレインの登場でだんだんと居場所を失いつつあるのがジョナサン・インディアという存在であった。
最初は一番を打っていた彼も気づけば五番におり、最近は試合に出ることも少なくなりつつある。
もともとアクティブな戦い方に定評のある彼だが、それも彼の上位互換とも言えるエリー・デラクルーズの登場によってだいぶ影を落としている。
しかしながらファンにとってもジョナサン・インディアのトレードに関しては賛否が分かれるといったところで、戦力的にはもう内野手を必要としない、というところからトレード容認派と、去年ケガで出場できなくてもベンチにいてくれたレッズへの愛情などから復活を望むトレード否定派に分かれているようだ。
筆者としては今後マット・マクレインがどこまでやれるのか。来年まで活躍できるのかという不安はあるのでトレードには否定的なのだが、現在スタメンを外されている状況を考えるとトレードもやむなし、となるのではないか、という危惧はある。
事実先発は崩壊気味でブルペンにも疲れが見え始めている。
オークランド・アスレチックスからサム・モールを獲得したもののあくまで疲れているブルペンの水増しという感じで先発が5イニング持たない状況が続く。
ベン・ライブリーがほとんど崩壊気味でルイビルへ。ブランドン・ウィリアムソンも筋が読まれてきたか打ち込まれる機会が増えてきている。アンドリュー・アボットがなんとか必死に食い止めており、グレアム・アシュクラフトが復帰してきたことで少しずつ盛り返している部分はあるにせよ決して状況は良いといえない。
だからこそのインディアトレードなのであろうが、結果としてはトレードは起こらなかった。
安心こそしたものの不安定な投手陣を抱えたままシーズンを終えそうである。
3,新加入した選手はいいものの
エリー・デラクルーズ、クリスチャン・エンカーシナオン・ストランドといったプロスペクトが入ってきており、にわかに期待が高まっている。特にエリー・デラクルーズは日米問わず話題を提供している。
とはいうものの少しずつ打線もちぐはぐになりつつある印象をぬぐえない。
エリー・デラクルーズは派手な打撃があるものの安定感に欠ける。派手な打撃がどんどん記事になるが試合にかかわる活躍をしたという印象は弱い。
一人だけ活躍してそれがチームに乗れば強いが、乗れなければ一人相撲、という印象だ。
クリスチャン・エンカーシナオン・ストランドはまだ本格的にメジャー慣れしている印象はない。
そのあたりは結構デビット・ベルも苦しんでいるようで、デラクルーズは一番に固定されつつあるもの、ほかの打線は入れ替わりが激しい。
また、晩節に至りつつあるジョーイ・ボットの存在がかなりチームを狂わせている。
8月5日現在、打率は.203。11本29打点と全く活躍できていないわけではないのだが、この選手にDHを任せていいのか、という疑問は出る。ファーストにもスペンサー・ステアーと併用する形でなんとか盛り立てようとしているが、彼がボトルネックになりつつあるのに心を痛めているのは他ならぬシンシナティファンだろう。
たまにホームランは打つが、基本的には打てないジョーイ・ボット。
もう引退も見えてきた彼の姿を見るのはつらい反面、チーム的に邪魔な存在になりつつあることも否定できず、改めて選手の位置をどう扱うべきか困る存在になっている。
彼をどうするかも今年の課題となりそうだ。
4,今年はどうなるのか
現在決定打に欠けるチームになりつつあるシンシナティ・レッズ。
先発投手の不足といびつな打線、という二つの要素が本格的に軋みを上げている。
それがかみ合っていた6月下旬から7月中旬まではよかったが、という状態になりつつある。
ファンである以上良い結末を期待しないといけないのだが、ファンだからこそ気にかかるところも多い。
特に先発が崩壊寸前になっているので、やっと復活のめどが立ちつつあるハンター・グリーンやルイビルからの先発を使うなどだましだましに近いやりくりを求められそうだ。
しかし、それでもこのハラハラ感は去年の、ベテラン集団がどうしたらいいのかわからないチーム事情に比べるとましであり、むしろ優勝を狙える圏内だからこその緊張感ではあるのだ。
だからその「勝てるかも。勝てないかも」の緊張感を楽しむことにしよう。