「数学ギョウザ」 #ショートショートnote杯
「ねぇ、”ギョウザ”って聞いて、何を思い浮かべる?」
留学生のランちゃんが僕に聞いてきた。
「え?なにって、そりゃあこの餃子だろ?他にある?」
僕は学食の餃子定食を食べながら答えた。
「日本ではそうよね。でもね、私の国では違うのよ。」
「え?じゃあどんな意味があるの?」
文学部に所属する僕は興味本意で聞いた。
「例えば、ニンニクとニラが混ざった匂いのことを”ギョウザ”って言うわ。あとは、口の中で肉汁が溢れる感覚のことも”ギョウザ”って言うわね。」
「へ〜!」
「言葉って面白いよね。日本語だって色々あるわよ。例えば、”木漏れ日”なんて他の国にはない表現よ。」
「そうか、”UMAMI”とかも日本語だもんね。」
「あとね、”ギョウザ”って単位もあるの。表記は”gyz”。中2で数学の時間に習うわ。小学生には理解が難しい概念なの。1gyzは.....」
「いやー、待って、もうお腹いっぱい。」
餃子は好きだが、数字嫌いの僕には胸焼けしそうな話だ。