大切な人を亡くした悲しみは消えない。絆も消えない。
こんにちは
看護師Kiyomiです。
\\あなたらしく生きるために”心と身体の健康”はとても価値があるんだ!📣//
と心と身体の健康をセルフケアできるサポートをお役目としている人です。
訪問看護師
健康教育をするエデュケーター看護師
心のガイドランナー
この3本柱で活動する看護師です。
看護師のお仕事の中で、人の最期をお看取りしてきた経験があります。
その方の生き様や、大切にしている事を目の当たりにします。
その人らしさは、とても美しくて、死から生きる事を学ばされます。
だから私は人の最期に携わる看護のお仕事をとても大切にしています。
今回は東京大学名誉教授、日本スピリチュアルケア学会理事長の島薗(しまぞの)先生がお話される会に参加をさせていただき
「日本人の死生観とグリーフケア」について学びました。
死生観とグリーフケアについてアウトプットします。
◯亡くなった人は存在する?存在しない?
・現実にはいないけど、記憶の中にいる。
・お空にいる
・草葉の陰にいる
・そこ(お墓)に私はいません。眠ってなんかいません。(千の風になって)
◯日本とアメリカの死者の存在
日本の死者は、明るい場所(お空、天国)にいる。
日本人は先祖に敬意をはらう風習がある。
アメリカの死者は、暗いところから蘇ってくるイメージ
2000年代に広まったアメリカの市民が作詞された「千の風になって」
死者が生者に語りかけている歌詞が日本でも、アメリカの社会でも死者からのメッセージに共感するきっかけとなった。
Do not stand at my grave and weep(原詞)
Do not stand at my grave and weep,
I am not there; I do not sleep.
I am a thousand winds that blow,
I am the diamond glints on snow,
I am the sun on ripened grain,
I am the gentle autumn rain.
When you awaken in the morning’s hush
I am the swift uplifting rush
Of quiet birds in circling flight.
I am the soft starlight at night.
Do not stand at my grave and cry,
I am not there; I did not die.
千の風になって
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
◯日本人の死生観
・祖先が存在する。
・お盆には故人が戻ってきて、故人は子孫と繋がっていたい。だからお盆は親族が集まる風習がある。
・昔の日本では、伝染病などで7歳を迎えることなく亡くなっていった子供が多かった。7歳までは葬式をしなかった。生まれる前に亡くなった子供にもちゃんと名前をつけて、次に生まれてきた子供に同じ名前をつける風習があった。子供はひとつの家族の中で生まれ変わってくる、家族という命のループを信じられていた。
・死者は存在する=継続する絆
そこにいなくても、故人との絆はずっと続く。
四十九日、一回忌、三回忌、十回忌、、、と故人をいたみ、絆を感じ続ける。
◯グリーフケア
Grief=深い悲しみ
グリーフケアはもともと、子供を亡くした親御さんたちが集まり、子供の思い出を大切にして、お互いに体験談を話し合い暖かい交じり合いをいていく中で生きる力を引き出していっていた。
大切なひとを亡くす悲しみはなくならない。絆もなくならない。
絆があるからゆえ、悲しみも消えないのかもしれない。
だから絆を忘れられる時間は、元気でいられる、笑顔でいられる=これも受け入れていいんだよ
こんな視点も遺族に伝えていきたい。
悲しみは共に気持ちを寄り添う事が癒しになる。
◯看取りについて
2000人以上の看取りをしてこられたがん専門医奥野修司医師の著書”看取り先生の遺言”より
「あの世と繋がりがないから不安になんですよ。あの世があろうとなかろうと、お迎えがあればあの世と繋がった感覚で逝けるんだから気持ちが楽になるんです」と。
人が亡くなる前に”お迎え”があると、安心して逝ける。これは祖先との絆があるから。
在宅でお看取りした682人の患者様のご家族にアンケートをした結果、”お迎え”があったと答えたのが42.3%に達したというデータがある。
◯ホスピスボランティアの方が心に残る、ホスピス患者さんの言葉
「あなたみたいなボランティアだからこういう話もできるんですよ。」
医師や看護師にはよい患者でいたい、
年老いた親には優しい息子でいたい、
息子には強い父親でいたい、
だから一切弱音は吐けない、
夜中に布団をかぶって1人泣いて、、、
本当は弱い人間だったと気づかされたと話して下さった。
◯感想
国や宗教によって、死生観が違う事、また個々によっても違う事を知った。
私自身は無宗教ですが、神様は自分の心の中にいて、いい事があると感謝して手を合わせたり、亡くなったおじいちゃん、おばあちゃんも神様と同じところにいるような感覚でいます。
先祖からDNAを受け継ぎ、確実に私の命と繋がっていて、この人たちがいたから私は誕生したという事実を思うと先祖の存在は神様よりも近い存在だと感じています。
グリーフケアについて、改めて悲しみについて考える機会になりました。
「大切な人を亡くした悲しみは消えない」この言葉に腑に落ちる気持ちになりました。
17週で天国に還ったお腹の我が子は、ずっと愛おしいし、産んであげられなかった悲しみはずっと消えない。
消えないものなんだと知って、この気持ちでいいんだと思えました。
今日のセミナーで紹介されていたグリーフケアの中に
”お空の天使パパ&ママ”が紹介されていました。私もこの会に救われた1人で、その当時の事を思い出して、涙が溢れました。
同じ経験をしたからこそ心の染みる言葉が散りばめられていて、そこに癒しを求める自分がいましたし、少しづつ毎日の生活を前向きに過ごす事ができたのを思い出します。
グリーフケアは悲しみにどっぷりと浸ってその姿や気持ちに寄り添ってもらう事で、心のHealingになって、少しづつ日常を取り戻して、今を生きる力になるんだと改めて感じました。
島薗先生のお話を聞いて、様々な視点から死生観をみさせていただき思った事は、
”死を考えると、どう生きたいかを考える。”
これが私の死生観だと改めて着地した気持ちになりました。
答えも正解もない死生観。
死生観は生き方の道標になったり、大切な人を失った深い悲しみをも癒す力があるものだと今回私の中でアップデートされた気がします。