看護師が書く 日本の医療危機 ③病院・訪看・介護経営と消費税のリスク
前回は、一般的な消費税の仕組みをお伝えしました。
消費税って結局は消費者デニムスカートを買った人が払うから、
中間の業者は特に損をするわけではないという話をしました。
でも病院や訪問看護ステーション、介護施設はどうでしょう?
皆さん、病院の明細で消費税って払ったことはありますか?
そう「健康保険」や「介護保険」の適用の診療では消費税を支払いません。
※ちなみに美容整形外科や、病院の保険適用外の物品など、
保険を使わない自由な診療では払います。
これ、保険診療は消費税が「非課税」というルールだからです。
患者様からは消費税はもらわないのです。
消費した、その人から税金をもらえないのです。
なので、
結論、実は消費税って病院が損をしやすい仕組みになっているのです。
例えば採血セットの消費税がこれ↓
病院は税務署に消費税を納税していません。
これは得なんかじゃなくて、もらってないから納税してないだけです。
でも、採血セットやオムツを仕入れる時、消費税を支払っていますよね?
これ、消費税をかけて仕入れたオムツを
消費した患者様本人に消費税がもらえていないことがわかりますよね?
この健康保険や介護保険を使った患者様の消費税は
結果として、病院・訪看ステーション・介護施設などが
負担することになります。
消費した本人じゃないのにも関わらず。
さすがにこのままでは不公平ですよね。
という訳で、次回は、
この穴埋めを診療報酬や介護報酬でしている現状と、
しかし……それ、本当に穴埋めできていますか?
といった内容を話していきたいと思います。
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