誤解されやすい【水性塗料の基本知識】
皆様こんにちはー。
塗りかえ倶楽部スタッフがお届けする外壁塗装・塗料の豆知識の時間です。
今日は、外壁塗装にもよく使用される【水性塗料】についての基本知識をお話しようと思います。
水性塗料はDIYなどでも使いやすい塗料だと思うので、ぜひ最後まで読んでくださいねー!
水性塗料の悲しき誤解
突然ですが、
「水性塗料」って聞くと、どんなイメージを持ちますか?
多分、、、
塗料について詳しくない人は、
「水性塗料って塗っても水で流れ落ちるんでしょー!」って
自信満々に答える人が多いんじゃないかと。。
これ、残念ながら
「だって、水性ペンは水に溶けて落ちるでしょ!」と反論が来ますかね。おそらく。
私の周りにはこんな人が多いです。
そうです、そうです。水性ペンについては正しいんです。
でも、、、水性ペンと水性塗料は違うんです!!
マジックとかペンとかのイメージで塗料を見てしまうと、大きな誤解が生まれてしまいます。
この大きな誤解が、塗料の最適なチョイスを邪魔しちゃいます。悲しい誤解ですね。
「水性塗料は乾燥すると、耐水性があるんだぞ!!簡単には流れ落ちないぞ!」
これが、水性塗料の主張です。
この主張はしっかりと受け止めてあげてください。
水性塗料の成分から考える
じゃぁ、水性塗料の「水性」って何なんだ??って疑問がわきますよね。
ちょっとここで塗料の主成分を見てみてください。
だいたいこんな感じで塗料ってできています。
まず、「塗膜」になる成分とならない成分。ココ大事です。
「塗料」っていうのは、それだけでは完成品じゃないんですね。いわゆる「半製品」です。
塗料は塗って初めてその効果を発揮できるわけで、
塗装することによって「塗膜」を形成して完成品なわけです。
で、その塗膜になる成分が「顔料」・「樹脂」・「添加物」の3つ。
「顔料」が色を決める成分。
「樹脂」がウレタン樹脂とかシリコン樹脂とかフッ素樹脂とかって、、塗料の骨格にもなる耐久性を決める成分。
「添加物」は顔料と樹脂を安定させたり、機能をもたせる成分。
ざっくりこんな感じです。
塗膜を形成させたいなら、その成分だけでいいじゃんっ!って思うかもしれませんが、、、
この3つの主成分だけでは粘度が高すぎて、塗装することは困難なのです。
なので、乾燥すると蒸発や揮発して消えてしまう成分(塗膜にならない成分)=「溶媒」を加えて塗りやすくしたり、硬化するための手助けをしているんです。
この消えてしまう成分(溶媒)に水を用いているものが「水性」塗料と呼ばれています。
さっきの図に当てはめるとこんな感じですね。
溶媒に水じゃなくって、有機溶剤を用いると油性塗料とか溶剤系塗料とかって呼ばれます。
水性でも油性でもきちんと乾燥させると溶媒の成分は消えて、
樹脂が硬化するので、雨など水で流れ落ちるようなことはありません。
塗装したときに乾燥時間が大事!きちんと乾燥させましょう!っていうのは、
塗膜を形成しない成分をしっかり蒸発・揮発させましょうって意味でもあるんですね。
厚塗りはダメ!!っていうのも、同じ理由ですね。溶媒が残っちゃいますから。
だから、使い方を間違えなければ、屋外にも水性塗料は使えるんですよ!!!
多くの人が誤解しちゃっている点なので、声を大にして言っておきます。
皆さんの心に届くと信じて。
屋外・外壁塗装でも大活躍!
実はですね、外壁塗装の世界でも水性塗料は多く使われているんですよ。
油性塗料に比べ、人体に害が少なく、環境にやさしい水性塗料がどの世界でも求められているので、
メーカーさんの研究・開発もどんどん進んでいます。
だから、水性塗料と油性塗料の性能差はほとんどなくなってきています。
もちろん、お互いのメリット・デメリットはありますけどね。
水性塗料のメリットとデメリット
水性塗料のメリットとデメリットはこんな感じです。
水性塗料最大のメリットはやっぱり、ツーン!としたシンナー臭がほとんどなくて、人体や環境への影響も少ないってことですね。
人体への影響を考えるなら、赤ちゃんや妊婦さんがいるお宅の塗り替えには、ぜひ水性塗料をお勧めしたいところです。
住宅密集地での塗り替えにも水性塗料をお勧めします。臭気をめぐってのご近所さんとのトラブルも避けられますしね。
デメリットとしては、低温・雨天時の塗装に弱いってことですね。
これは、低温時や湿度の高いときには、塗料に含まれる水分が想定時間で蒸発してくれないからなんです。
結局、水性塗料がいいのか油性塗料がいいのか・・・
外壁塗装を考える際に、水性がいいか油性がいいか、というのは、
今現在の家の状況(外壁や屋根など)や周囲の環境と自分の好みを合わせて、総合的に選ばないといけません。
外壁は水性塗料でも部分的には(素地によっては)油性塗料を使った方がいい場合も多くあります。
この辺りは、塗装業者さんとしっかり相談・打ち合わせすることが大切です。