デジタルぬりえ5 花のハートを5つのレイヤーで色塗り
レイヤーを計画的に使ってみる
タブレットの塗り絵制作のプロセスを綴っています。
5回目のテーマはレイヤーの使いこなしです。
前回はっと気がついたことは、
「これ、線描きを先にしなくてもいいんじゃないか」でした。
これまでの紙にペンで描いていた塗り絵の制作の時は、
白黒の線画を描き上げて、それをコピーしたものに色をつけていました。
線描きの原稿は資料として大事にとっておきます。
でもデジタル描画なら、レイヤーに分けるわけだし線描き終わってからでなくても同時進行で色を塗りながら、バランスみながら欲しい形をたしていけるんだー、
と思い至り、ぽろぽろぽろぽろ(うろこがはがれる音)でした。
計画的にわけて描き始めます。
① 黒の線描きのレイヤー
② 色鉛筆ツールでの彩色のレイヤー
③ 白ヌキのレイヤー
④ エアブラシでの彩色のレイヤー
⑤ ハートの形のガイドライン
この5つの層にわけて描いていきます。
と、ここまでやってなぜか既視感。これなんか知ってる経験ある。そうですそうです、学生時代に集中講座でたたきこまれた多色刷り木版画にすごく似てる。あれで私は「プロセスにわけて絵作りをする」を学んだんだった。
うんうんこの考え方ならアナログなわたしにも理解できそう。
まずは線描きから見てみましょう
こんな感じで描き進めます。
実はこれ、ハートの形のガイドラインに沿って描いています。
①のレイヤーと⑤のレイヤーを重ねるとこう見えます。便利。
お目めマークで見せたり隠したりが簡単にできます。
色のレイヤーはこんな感じ
④のレイヤーに、エアブラシでふんわり着色。
④のレイヤーに③の白ヌキのレイヤーを重ねるとこんな感じになります。
そして②の色鉛筆のレイヤーに④のエアブラシのレイヤーを重ねるとこんな感じに。これはこれでカワイイ。こういう描き方もアリだなあと思わぬ副産物の発見です。
ちなみに色鉛筆の彩色はこれ。②のレイヤーです。おもしろいです。
そして①②③④を重ねると
こういう風になります。完成。
この塗り絵を紙に印刷して塗ることもできます。印刷は下のPDFファイルからどうぞ。
(※白黒の線画です)
もうすぐやってくるバレンタインをハッピーに彩る、そうなればいいなと思って描いた一枚です。
動画でもプロセスをご覧いただけます。
描き終わってみて、感想と反省
今回の目標は、
・レイヤー使いこなす
・抑えめの色塗り
の2つでした。
前回前々回でエアブラシツールの彩色を覚え、そのあまりの簡単さにぷしゅーぷしゅー気分よくやっていましたら、できあがったものを後から見て
「なんか暗い」。
夜をテーマにした絵だったので暗くて良いっちゃ良いんですが、でも実際紙にパステルで描いていたらこんなに暗い画面にはしない。私は。
あまりの色づけの簡単さに、ちょっと我をわすれたようです。いかんいかんとけっこう反省。
塗り絵の魅力に、いや絵画の魅力に「余白の美」は大事!。やりすぎ注意ということで、今回は「線画の魅力を引き出すための最小限の色づけ」を心がけてみました。
そして、木版画と同じだ、という発見は大きかったです。自分の中にすでにある引き出しなので考えやすかった。
レイヤー保存問題(前回参照)は、ちょこちょこ(30分に1回くらい)保存をぽち、としていたら問題ありませんでした。あれはいったい何だったんだろう。レイヤーの数が多いと保存できないの?、なんて思ったりもしましたが、Clip Studio Paint は以前はレイヤー数が999で、今は10,000!とかいう記事をネットで読んだので、4つのレイヤーが多いはずはないないない。たぶん1色ごとにレイヤーを分けて色塗りするのが当たり前の方法なんだろうなあと思いました。めんどくさいし覚えきれないからしないけど。
色塗り問題は、ほんのり彩色は良し良しでした。こればかりではワンパターンだけど、色塗り参考例としては、
「ここに次はこの色を塗ってみたらどうだろう」と見る人が思えるくらいの、いわば出来上がってなさ感も大事だよなと思いました。
そしてそして、線描きと色塗りを同時進行するやり方は、なんだか解放された感じ。とても楽しかった。いつもは線描きを最後まで完成させて、そのあとのお楽しみとしての色塗り、だったけれど、これは最初から楽しい。最初から色を楽しみつつ絵づくりができるなんて、なんて贅沢~、と思いました。嬉しい嬉しすぎる。
それとアウトライン見えなくした状態でのホンワカ画像(本文中の②と④のレイヤーを重ねた状態)。これも発見で、自分では思いもよらないようなラブリーなものを図らずも描いていたことに驚き。レイヤーという概念がなければ一生気づけないことでした。テクノロジーすごい。ありがとう歴史を作ってくれた方々~。
うかれてますね。ははははは。
途中 One Drive が同期しなくなったりとか、マシンの不都合はやはりいろいろありますが、(今回はネット調べでアンインストールと再インストールでめでたく解決)、やれやれまあ機械は機械。便利だけれども使いこなすのにはお勉強も必要。お絵描きはタブレットでやるけれど、編集や投稿は慣れたノートPC(タッチパネルではなくマウス、テンキーつき)がやっぱり楽だし早い。クラウドってすごいよなとこれまでぴんとこず利用してこなかった文明の恩恵にあずかっています。あっちのものがこっちに同時に。すごすぎ。
動画づくりもちょっと慣れ、「やり直さない」をモットーにしてNO編集でつなぐだけ方式を確立しつつあります。
今のこどもたちはこんなおもちゃで遊びつつ大きくなるのね、とか思いつつ、今回は終了です。