新聞記事を推敲してみました

ある新聞の実際の記事を推敲して読みやすくします。

一般に、新聞記事の文章は良い文ではない事が多いです。

理由は、
1. 記者がお仕事として求められる能力が、文章力以外にある
2. 上から目線で書く風土(メディアとしてテレビ、週刊誌とは違うんだよ
      のような)
3. 難しい文章の方が、頭がよく見える
( 実際、教養をつけるため新聞を読むプロモーションがあり、
センター試験(現在の共通テスト)でどれだけ引用されたか
アピールした新聞がある。
読みやすい文なわけがない。

4.文字数の制限がある

これから原文とわたしが推敲した文章を載せますが、
推敲は新聞記事として掲載される事を想定せず行いました。

文字数の制限の程度が不明なのと、新聞には共通の形式の文体がある事から。

(原文・実際に、ある新聞に掲載された文章)
ロシア軍は28日、ミサイルやドローン(無人機)でウクライナのインフラ施設などを攻撃し、ウクライナ各地で電力供給が停止するなど被害が拡大した。一時100万人以上が電力を失った。

(推敲後)
28日、ロシア軍はミサイルや無人機であるドローンを使用し、ウクライナのインフラ施設等を攻撃した。その結果、ウクライナ各地で電力供給が停止するなどの被害が発生した。被害は、一時的に100万人以上が電力を失う規模となった。

(解説)
一文目、攻撃したことと、電力供給の停止との関連を読み手に委ねる文となっている。Aをし、Bが停止した、という構図では、二つの文をandで繋げているだけ
なので、原因と結果として読むことを、読み手が内容から読み取る文となっている。
(出かける準備をし、家を出た。と構文は同じ。しかし家を出た原因は準備をした
からではない)

前半の、攻撃、という単語と、後半の、被害、という単語から因果関係を読み手に
負担させる。(自明だけれど、負担は負担)
文章を区切り、その結果、とすれば原因と結果は書き手が明示できる。
また、一文目は情報量が多く、大きな二つの情報が一文に含まれるやや長い文章。
「28日、ミサイル、ドローン、ロシア、ウクライナ」情報が詰まっている。

原文「被害が拡大した」という表現は問題がある。
拡大というには、すでに被害があり、そこに何かが加わって同じ種類の被害の規模
が大きくなった場合に使用する。
原文では、それを示す情報はなく読み手がその部分を想像するしかない。
戦争は長引いているのでそれを前提に、拡大、と表現した場合も、読み手の負担に
なる。
実際、書き手は被害の規模を強調する意図として拡大と表現した可能性が高い。
が、その場合日本語として間違っている。
原文二つ目の文章。接続詞がない独立した文章から、被害の詳細の説明文と
読み取らせる形式。単発で被害のみの情報が入るのは、そういう文体して読む事もできるが、ニュートラルな情報を伝える文ではない。(強調される印象)

まだあるけれど、省略します。もう一度原文と、推敲後を並べて終わります。
比較してみてください。
どうでしょうか?(ちょっと不安)

(原文)
ロシア軍は28日、ミサイルやドローン(無人機)でウクライナのインフラ施設などを攻撃し、ウクライナ各地で電力供給が停止するなど被害が拡大した。一時100万人以上が電力を失った。

(推敲後)
→28日、ロシア軍はミサイルや無人機であるドローンを使用し、ウクライナのインフラ施設等を攻撃した。その結果、ウクライナ各地で電力供給が停止するなどの被害が発生した。被害は、一時的に100万人以上が電力を失う規模となった。

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