日記:自分を救うための選択
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』がいよいよ発売ですね…………。
ポケモンの新作というのは一度きりの冒険なわけです。これはリメイク作品ではあるけれど、ゲームのハードもグラフィックもかつてとは違う世界を、はじめて体感するのがこの機会。正確に言えば、どれだけ回数を重ねようと、同じ冒険なんてひとつもないわけだけれど、それにしたって最初の旅路はやっぱり特別なんですよね。
自分はポケモンセンターオンラインで予約したので、手元に届いてから始めようと思います。ただ、その前にひとつ、決めなければならないことがある。
そう、どちらの主人公を選ぶかということです。
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』公式サイトより
https://www.pokemon.co.jp/ex/bdsp/ja/character/210818_01/
ポケモンのゲームは、2000年に発売の『ポケットモンスター クリスタルバージョン』から、主人公の見た目を選択できるようになっている。
コウキあるいはヒカリと呼ばれることの多い2人の主人公であるが、歴代のポケモンの主人公がそうであるように、この2人もゲーム中で何か発言をしたりすることはない。
ゲームの主人公には、自分でちゃんと喋るタイプと「はい」「いいえ」しか話さないタイプがいるが(『銀魂』において語られた「ファイナルファンタジー」タイプか「ドラゴンクエスト」タイプ)、ポケモンは後者である。
自分は身体的性も性自認も男性であるので、どちらかといえばコウキを選択した方が感情移入がしやすい気がする。
そう、感情移入。ゲームの主人公に対して、自分は「感情移入できるかどうか」という視点が重要だと考えているのだろうか?
思うに、ゲームとはもうひとつの人生を生き直す機会である。
自分の人生には、恋愛シミュレーションゲームのような青春はなかったし、アクションゲームのような戦いはなかったし、アドベンチャーゲームのような運命もなかった。もちろん、ロールプレイングゲームのような冒険もなかった。
幼い頃に一度は夢見た冒険の世界。それを願うのは子供じみているだろうか?大人なんだから、ちゃんと現実に根を下ろして、地に足をつけて歩いていかなければならないだろうか?それはもちろんそうだ。しかし心のどこかで、何かを諦めた自分がいる。
だからこれは自分を救うための選択だ。もうひとつの人生を生きるための選択だ。自分は、どのような世界を生きたかったのか?
このように、ゲームの主人公に自らの願いを託そうとするとき、自分の場合は性別も同じ側に寄る。異性として青春を生きるという人生はどうしたって叶いようのない世界であるが、それは自分とは遠いものだと感じられてしまう。少なくとも今の自分は。性別の違いなんて関係ない、人間として人生を全うすることに違いはないと思っていても、どうしても性差の価値観は自分の身体と分かち難く結びついていて、呪縛のように逃れることを許さない。少女然とした姿を美しいと思うことはあれど、その存在としての幸福を自分のものとして引き寄せて考えることができない。これは自分が想像力や共感能力に欠けた人間であることを指しているのだろうが、しかしなかなか矯正することができない。他人の気持ちがわからない。それを実感するたびに、能力や努力の不足を思い知る。
近年はバーチャルとしての身体を手に入れる生き方も示されてきているのではないかと思う。VRChatだったり、そういう世界で美少女として生きる人の話は、ちらほらと耳に入ってくる。自分はそのように生きることをどのように思うのだろうか。それを知りたくてVRChatに興味がある。しかし今のところは、まだわからないでいる。美少女の姿で好きな服をたくさん着ることができたら、楽しそうだなというのは思うところではあるのだけれど…………。
今回も着せ替えがあるんだな…………かわいいな…………。
悩むな………………。
やっぱり、男の子の主人公を選ぼうと思います。自分はそうやって救われる形を望んでいるような気がする。今のところ。
さて、次は名前を決めなければな…………(こういう風に毎回悩むので、ゲームをはじめるまでに相当の時間がかかっています)。
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