日記:カレーが食べたい

どうしようもなくカレーが食べたくなるときがあって、今日がまさにそれだった。それも、できることならインドやネパールな感じのやつ。スパイスが効いていて、それでいて甘味とコクもあって、熱いナンと一緒に、ラッシーを飲みながら食べるやつだ。

しかし職場の近くにはとんとそのようなお店を見かけたことはなかった。自分の家の近くにはあるし、通っていた大学の近くにもあったし、以前の勤務地には何店舗もカレー屋があって、混み具合を見て選んでいたほどだった。だがいまはどれだけ探してもあの雰囲気の店構えが見つからない。ナンを焼いていそうな釜がある店が見当たらない。地図アプリで「カレー」と入力しても出てこない。なぜだ。

一縷の望みにかけて街を歩く。ラーメン屋ならたくさん見つかるのだが、カレー屋は見当たらない。もうここでラーメンを食べてしまおうか。だがそれでも探せばあるのではないかという希望に縋りたくて歩き続ける。やっぱりない。とりあえず、ナンが出るカレーではないが、カツカレーが美味しそうなお店に入った。美味しかった。

しかし当座のカレー欲はこれで満たされてしまったため、ナンとカレーを食べる日はまた遠くなったのかもしれない。わざわざそれを目指して休日に出かけるというほどではないものの、それでも欲望は待った時間のぶんだけ高く積み上がっていく。それが崩れてどうにかなってしまう前に解消しなければならない。

カレーというのはあまり誰かを誘って行くものではない気がする。久しぶりに食事でも行こうかという相手を誘うのは、焼肉とか寿司とかそういうわかりやすい特徴を備えたメニューであることが多い。カレーも特徴がないわけではないのだが、しかし夜というよりは昼の印象があるメニューだ。そして誰かに会う時は夕飯時に定めることが多いので、誰かとカレーを食べようという気がなかなか起こらないのかもしれない。

インドカレー屋さんには結構お酒も並んでいたりして、夜に来ても楽しそうだなと思ったりもするのだが、しかしやっぱり行くとなると昼を選んでしまう。そういうバイアスが自分の中にあって、自らを苦しめているのかもしれない。夜にカレーを食べに行くべきなのかもしれない。

そういえば以前友人に誘われて夜にカレーを食べたことがあった。たしかクラフトハイボールが美味しいお店だったのだけれど、いま調べてもその店舗の詳細がまったく出てこない。幻……?



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