日記:傘を持ってるの俺だけ

朝に日記を投稿することの何が嫌かというと、習慣を少し外れることで自分が日記を書くという保証が著しく不安定なものになるからだ。寝る前になんとかして思考の混ざりを言語化するという試みを、眠気などの理由から翌朝に持ち越してしまうと、あらゆることに辞める言い訳を探してしまう怠惰な自分としては、習慣という枷から外れてしまえばそれを続けられなくなるのではないかという危うさを感じずにはいられない。相当に気合を入れないと重い腰が上がらない。


昨日は、これから出かけようという段になって雨が降りはじめた。荷物を持たずに外出する予定だったので、折り畳み傘を持っていくにしても鞄を用意しなければならないし、長傘を持ち出すのもそれはそれで持ち物が増えてしまう。天気予報を見ると特に雨のマークはなく、きっとこれは通り雨なのだろう。しかし万が一にも冬の冷たい雨に濡れるという可能性を考慮すると、心配の多い性分としてはやはり備えをしておきたくなる。

長傘を持って出ることにした。最寄駅に着く頃には雨は上がっていた。電車の中を見渡すと、やはりというか傘を持っているのは自分くらいのものである。

電車に乗ると吊り革に掴まる必要があるので、それと傘を持つ手とで両手が塞がる。なのでスマホを取り出すことができない。しようと思えば肘に傘を引っ掛けるなどして片手を開けることはできるのだが、しかしいい機会だと思って車窓に流れる景色を眺めていた。不思議と心が落ち着くようだった。何かと忙しない現代、わずかな時間でも有効活用しようとスマホを開いてしまいがちだけれど、だからこそスマホから距離を置く時間というのも貴重なものになっているという気がする。

短いけどここまで……

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