日記:踊りましょう

日記を更新しないまま気づけばしばらく経っていた。平日は仕事に追われていて、休日はそれはそれとしていろいろ動いていた。少しずつ書いていこう。

10/28(土)、「電音部 アザブエリア 2nd LIVE -Home Coming-」に行っていた。電音部のライブに足を運ぶのは、6月の電音部3rd、9月のアキバ1stに続いて3回目である。たくさんライブをやってくれて嬉しい……。今回はアザブエリアの2ndライブで、昼と夜の2公演に参加した。エリアというのは、いわゆるユニットのようなものである(電音部を知らない友人に話したら「ヒプノシスマイクのディビジョンみたいなものか」と言っていた)。

昼公演はDJプレイからはじまり、スポーティな衣装に身を包んだキャストの3人がアザブエリアの曲をつないでいく。灰島銀華を演じる澁谷梓希さんはDJの経験もあるからか、フロアを煽って盛り上げるのがとても上手い。リミックスも多く流されていて、特に「いただきバベル [Aiobhan REMIX]」はテンションが上がった。Aiobahnが好きなので……。DJの間はキャストの方がそれぞれ自由に動いていて、「いただきバベル [Aiobhan REMIX]」のMVの再現をしたりもしていた。楽しそうで見ていて笑顔になる。

「Love me harder [Tatsunoshin Remix]」なんてあったっけ……?と思ったら、アザブ1stライブの来場者特典としてダウンロードできたものとのこと。いいな〜〜〜〜

他エリアのカバーも披露された。まさかアザブエリアの「pop enemy」が聴けるとは……。朗読劇パートもあった。アドリブが多めというか、澁谷梓希さんが楽しそうに話を振っていてよかった。場の回し方がとても巧みだ……。そして最後はアザブエリアの楽曲で締めくくる。自分は「Catch a fire」や「麻布アウトバーン」などのケンモチヒデフミ楽曲が特に好きだが、それだけでなく盛り上がる曲が多い。夜の部で言われていたことだが、アザブエリアは上品な印象の楽曲もありつつ、次第にいわゆる「治安が悪い」系統の楽曲が増えていったようだった。電音部の楽曲の多くはクラブミュージックの系譜にあるので、治安が悪いのもさもありなん。そしてそういう楽曲が好きな人がライブに来ているので、まあ盛り上がる。DJに朗読劇にカバーに……とにかくバラエティ豊かで楽しい公演だった。


昼の部が終わり、少し時間をおいて夜の部へ。空き時間に購入したトレーディング系のグッズがすべて煌様だったので、電音部の推しが決まったかもしれない。

夜の部がはじまる。開演前、ステージを見ると昼の部にはあったDJセットがない。これはどういうことだろう……?と考えていたら、昼とは打って変わってライブキービジュアルの衣装に身を包んだ3人が登場して「Where Is The Love」を歌い上げる。昼とは全然違う……! 昼と夜の公演内容が違うことは、まあ告知されれていた気がするのだが、まさか衣装まで完全に変えてくるとは思わなかった。その後、3人それぞれの初期曲(言われてみればたしかに上品だ)が続き、MCのあとで銀華と煌の歌唱による「Misty Love」が披露される。そして、ステージ上のキャストが入れ替わり続いて流れてきたのは知らないイントロ……新曲だ!!!


この新曲の「探す獣」……ライブ終了後に配信されたのだけれど……かなり好きだ……ところどころに鳴る不協和音や軽妙なクラップと電子音が、痛切な歌詞を逆説的に強調しているように感じる。ウ山あまねさんは、笹川真生さんの「サニーサイドへようこそ」のリミックスや、それこそ昼の部のDJでも流れていた「MIDNIGHT TOWN」のリミックスを聴いてはいたのだけれど、この新曲を聴いて明確に虜になってしまった。

アザブエリアは、煌とその初恋の相手である銀華との関係性に目が向くのだが、じゃあ煌とたまの雇用からはじまる関係、そして煌を中点に結びついた銀華とたまの関係はどうだろうか?と考えるのはとても楽しい。


少し話は逸れるが、シャニマスにおいて、幼馴染4人組ユニットのノクチルが加入したとき、「4人という人数は、2人組の関係性を描きやすい」と制作プロデューサーの高山Pが昔の記事で言っていた気がする。

――メンバーが偶数というのも、『シャニマス』では初めてですよね。4人にしたことの狙いをお聞かせください。
高山さん:偶数という部分にこだわっていたわけではないのですが、考えてみたら「4人組いいね」って話になりました。これは“2人の組み合わせ”がいくつも描いていけるなと。

これにはなるほどと思った。4人のうち2人を抽出すると、自ずと後の2人にも目が向く。これが5人ユニットで、その中から2人を抽出するとなると、その組み合わせは(順番を気にしなければ)10通りになる。これは少し多い。4人ユニットなら6通り。これくらいなら意識しやすい。実際、ノクチルの6通りの組み合わせは、自分の中ではどれもそれぞれ異なる魅力的な関係性として映っている(個人的に一番アツいのは「ひなまど」)。

じゃあ、3人ユニットの中から2人を抽出するとどうなるのだろう? 個人的には、3人組はいつも3人一緒という印象があって、そのなかの2人の関係性に特別着目するということは少なかった。アザブエリアの3人は、煌と銀華が昔から関係を持っているというところが肝で、この三角形は正三角形ではないのである。それぞれ長さも角度も違う関係性に、ひとつひとつ思いを巡らせていくのは楽しいし、それが楽曲からはじまっているのは電音部の特異な点であるとも思う。話がいろいろと迂回してしまったが、要約すると「アザブエリアの関係性いいよね」「それを楽曲で表現するのすごいよね」ということである。


そのあとも、「Catch a Fire」でフロアに火(もといUO)が点いたり、「Make some noise」でひたすらに盛り上がったりした。あとは夜の部の衣装が好きで、特に白金煌役の小宮有紗さんが身に付けているめっちゃフリルのついた衣装での「MUSIC IS MAGIC」「Sweet Illusion」を見ることができてとても嬉しかった。前者のパフォーマンスは1st LIVEの映像が公開されているのでぜひ見てください(布教)。

「Sweet Illusion」は2番のBメロ終わりからめちゃめちゃ暴れてドロップに入るところがすごい好きだ……最高……


終盤には新曲2曲も披露される。昼と夜とで公演を分けて、3曲の新曲をすべて夜の部に持ってくるという構成はすごい。「どうせみんな昼も夜も来るでしょ」という厚い信頼がなければできないのではないか。かといって昼の部が魅力に欠けるかというとそんなことは全くなく、むしろDJが聴けるのは昼だけだし、朗読劇もカバーも昼にしかない。公演名にもある「ホームカミング」のお祭り的な要素を詰め込んだのが昼の部だとして、夜の部は衣装も変えてアザブエリアの世界観を余すことなく表現することに注力していたように思う。

そして、アザブ1stから半年ほどのスピード感で2ndの開催に至ったのは、灰島銀華を演じる澁谷梓希さんが休業に入る前に間に合わせたかったという意図があるのかもしれない。そして3人揃って3rdライブを実現したいという思いが、澁谷さんの言葉が、観客としてそれを待つ身にはとても嬉しかった。ライブというものはさまざまな条件が整わなければ成立しえない。仕方のない要因もあるのだが、それでもステージに立つキャストの方々がそれを望むのであれば、観客も全力でそれを願うことができる。続きを望むことができるのは幸運なことだ。でも、客席で感じた高揚がとても楽しかったから、それを追い求めたくなる。だから待ちます。3rdが開催されるそのときまで。どうやら自分は、まだまだ電音部が気になっているみたいだし(11/25のカブキエリアとネオトウキョウエリアのイベントで取ったチケットを横目に見ながら)。

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