日記:祭典の記憶と記録
テレビを少しだけ点けたら、何やらお祭り的な雰囲気の特番が放送されていた。昨日と今日で連続で放送されているものらしい。昨日の生放送中に決定した催しがオープニングに挟まれるといった進行をしていて、こういうリアルタイム的な盛り上げ方は複数日に渡った構成だからこそ成しえる熱量といった趣がある。自分は普段あまりテレビを見ないので、そういう熱にちゃんと乗り切れないだろうなという感覚はあるのだけれど、ターゲットとなる視聴者をその熱の内側に引き込むような企画が打ち出せたとするのなら、その祭典は素晴らしいものだと思う。
昔……というか、自分にとっての華やかな世界の中心がテレビだった頃は、その画面の向こう側に映るお祭りがこの世のすべてのような気がしていて、そこに広がる催しがこの上なく愉楽に満ちたものとして見えていた。単にそれに勝る娯楽を知らなかったのだと思う。
段々と、それ以外の世界の楽しさに触れるようになって、特番も段々と見なくなって、そうしていくらか時間が流れてから見たテレビの世界は、かつてほど絶対的な場所ではなく、相対化された末の一つの娯楽として感じられていた。単に、自分の視点が少しずつスライドしていっただけのこと。だからこそ、「あの頃のテレビは楽しかった」という言葉も自分の色眼鏡を通して得られた言葉としては真実たりえる。その時は、それが何よりのお祭りだっただけ。そうじゃない世界を知ったからと言って、かつて好きだったものの価値が損なわれるということもないのである。
今日はずっとゲームしかしていなかったな……。
シャニマスのアルストロメリアのLanding Pointシナリオを今更ながら読み終えた。どれもとてもよかったが、特に甜花ちゃんのしなやかな強さが伝わる葛藤が印象に残った。甜花ちゃん……すごいぜ……みんなすごいぜ……。すごすぎて眩しい……。
月姫、楽し……。ずっとやっていたいぜ……。
リングフィットアドベンチャーも進めた。スキルポイントのシステムにかなり最近まで気付いていなくて、一気にスキルパネルを開放していったら体力の増加や攻撃後のラッシュの追加、攻撃力の高いスキルの獲得などで戦闘がかなり楽になった感覚がある。道理で最近、敵が強いと思っていたんだ……。
リングフィットアドベンチャーをやりながら、ダ・ヴィンチ・恐山さんとにぅまさんの「オールナイト虚無」を聞いている。初回の配信が2013年ということもあり、「当時のインターネットの端っこにある一部のコミュニティに特有の雰囲気(いい意味)」を感じることができてとてもよい。パーソナリティのお二人の進行も心地よく、ラジオの名の通り虚無に溢れたリスナーからの投稿に対して、その可笑しさを拾い上げながら、配信に参加している人たちが一体となって虚無を共有している感覚が聞いていてとても楽しい。「意味のないもの」を意味もなく囲むことの楽しさがある。言い換えればそれは青春と呼んで差し支えない気がする。歳を重ねると、周囲の事柄があらゆる意味を内包するようになって、どうしても「意味のないもの」に耽溺する時間というのはなかなかない。だからこそ、虚無を分け合うことはとてもかけがえのない煌めきに思えてならない。
配信のプラットフォームがUstreamなのも含めてなにもかもが懐かしい。調べてみたら、Ustreamは2017年にIBMに買収されIBM Cloud Videoという名になっているようだった。今ではYouTubeにもライブ機能があるし、それ以外にも生配信が可能なプラットフォームはたくさん存在しているけれど、昔は自分が見るとしたらニコニコ生放送かUstreamで、追いかけている動画の投稿者の方が生放送をしていたことを後になって知って、アーカイブも見れずに落胆するということが何度もあった。YouTubeのライブ配信はアーカイブが動画としてずっと残されることも多く、それが何より有難い。楽しかった時間が消えてしまうのはやはり悲しい。「オールナイト虚無」の録画をYouTubeに上げてくださっているのもとても有難い……。配信のログは、そこについたコメントも含めて、当時の空気感を味わうのに向いている。不思議な郷愁が呼び覚まされるのを感じる。タイムカプセルのような良さがある。
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