普通のOLがM&Aで取締役になった話①(はじめに)
はじめまして。
関西在住 アラサーOLのぬおっちょです。
前回の自己紹介で、過去の仕事の経験を少しずつ書いていきたい、とお話ししました。
難しいビジネス本や
自己啓発本的な内容ではなく、
エッセイ的にありのまま、
あくまでもゆるく読んでいただける読み物を
目指していこうと思います。
簡単に自己紹介
関西在住 アラサーOL。
新卒で入った会社で業務部に所属。
現在は夫と2人暮らし。
20代最後、
役職なしの平OLがM&Aに巻き込まれる?!
29歳の時、私は役職なしの平社員でした。
新卒で入社した会社の業務部で働き、
後輩も新卒の女の子1人、部下などいなければ実務作業の経験しかありませんでした。
今の仕事は物足りなくはあるけれど、
管理職になりたいわけでもないし、これからどうしようか…。
付き合い始めた彼氏との結婚を(私が勝手に)考えているし、まあ今の仕事を続けておくか。
といった、まあ失礼ながら、世間でもよくある20代最後の年を迎えていました。
そんな20代の最後、当時の彼氏(現夫)との
初めての温泉旅行の前日、
突然、社長室へ呼び出しがかかります。
何かやらかした?備品取りすぎたのバレた?
と真っ青な顔で向かったところ、
3ヶ月後に買収する企業に
取締役として単身で赴任し、
Post Merger Integration(M&A後の経営統合のプロセス。略してPMI)の責任者をしてほしいと言われます。
えらいことに巻き込まれている…
私が赴任したのは、
県外の雪深い地域にある、
30数人の小さな会社です。
社員の方の9割以上が女性という
特徴のある会社です。
皆さん、家庭と仕事を両立させておられます。
会社を設立された会長の手腕により、
小さいながらも大企業から仕事を受け
業績をあげていましたが、
数年前に会長が病気で亡くなられました。
そこで急遽娘さんが会社を継ぐことになったのですが、経営経験がなかったこと、
またご本人自身も経営には興味がなく、
引き継いでからは大変苦労をされていたようです。
子どもさんが生まれたこともあり、
会社を売ることを決意されました。
社長が熱弁するには、
3ヶ月後のM&A成立後、責任者として赴任してほしい。成長するチャンスだよ!
これは後から冷静に要約したものであり、
突然呼び出され、M&AだのPMIだの熱く語られても、何ひとつ頭に入ってきません。
とんでもないことに巻き込まれており、とりあえずめっちゃやばそう。なことだけは理解できました。
マネジメントすっ飛ばして経営って何?!
実際この段階でトップ面談や、お偉いさんたちでの現地視察、デュー・デリジェンスと言われる買収調査は済んでおり、私はクロージング後の統合のみを担当することになります。
私が脳天気に彼氏とデートしたり、
ホラー映画にはまったり、洗濯機が潰れたりしている間に、水面下では企業買収という大きな出来事が進んでいたということです。
財務諸表も読めない!お客さんのところも行ったことない!というか部下がいたことない!
マネジメント経験すっ飛ばして経営って何?!
抜擢の理由は、社内でのカイゼン力と直近のプロジェクトを成功させたから。
それだけでそんなことなるか?
次回、怒涛のお断り編へと続きますが、
結果としてお断りに失敗し、殉死クラスの二階級特進、管理職就任。舐められへんように取締役にしよか!という社長の一声で取締役就任。晴れてハリボテの役員が爆誕し、単身で買収先企業へ乗り込むことになります。
本題まで時間がかかってしまっていますが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです。