『その扉をたたく音』瀬尾まいこ
🎸あらすじ🎸
29歳、無職。
ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。
音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しくなっていく――。
人生の行き止まりで立ちすくんでいる青年と、人生の最終コーナーに差し掛かった大人たちが奏でる感動長編。─Amazon商品説明より
🎸感想🎸
誰にでも自分の何かが他の誰かの何かによって突き動かされることがある。
そんな素敵な出来事に出会った宮路は本書でとても光り輝いていました✨
自分の居場所、役割、存在意義をイキイキと開拓していくその宮路のそのサマは、読んでいてとても元気が出る。
私も頑張らなくちゃと思える。
また渡部君の存在も本書にはとても重要です。
自分を覚醒させてくれたり、喝を入れてくれる友との出会いが宮路の一番の宝物。
老人ホームのじいさんとばあさんたちとの日常は読んでいて微笑ましく、ラストに近づくにつれ、ちょっとまってよ…とめくるページの手が何度も止まりかけた。
強くなるって難しい。
爽やかな風が吹き抜ける、初夏の読書におすすめの一冊です😊