『猫鳴り』沼田まほかる
🐱あらすじ🐱
ようやく授かった子供を流産し、哀しみとともに暮らす中年夫婦のもとに一匹の仔猫が現れた。モンと名付けられた猫は、飼い主の夫婦や心に闇を抱えた少年に対して、不思議な存在感で寄り添う。まるで、すべてを見透かしているかのように。そして20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた…。「死」を厳かに受けいれ、命の限り生きる姿に熱いものがこみあげる。─「BOOK」データベースより
🐱感想🐱
生きていると、どうにもならないことがある。
情けなくて、恥ずかしくて、死にたくもなる。
そんな彼らに猫は寄り添う。
どんな時でも寄り添う。
自分の命を削ってでも寄り添う。
正直、第三部はかなりきた。
生き物と一緒に生きるということは、そんなに容易いことではない。
そこには責任が伴う。
でもそこにはそれをはるかにしのぐ愛情で溢れている。
それにしても、沼田まほかるの作品は気が抜けない。
読み手があんなに嫌悪感を抱く文章をどうやって思いつくのだろう。
『彼女がその名を知らない鳥たち』以来、反吐が出そうだった。
♡こころの付箋♡
p141言葉が先に立ってしまうと、その代わりに何が大切なものが壊れるのだろうか