『悪人』吉田修一
🙍♀️あらすじ🙍♂️
小説、映画ともに大ヒットした不朽の名作。
福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、
出会い系サイトで知り合った土木作業員に殺害された。
二人が本当に会いたかった相手は誰なのか?
佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、携帯サイトにアクセスする。
そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。
彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。
光代を駆り立てるものは何か?
その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。
悪人とはいったい誰なのか?
事件の果てに明かされる、殺意の奥にあるものは?
毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の代表作。─Amazon概要より
🙍♀️感想🙍♂️
ときどき自分が誰かわからなくなることはありませんか?
誰を、何を求めているのか?
何に駆り立てられているのか?
自分でも計り知れぬまだ見ぬ裏の自分…
その扉が開いたとき、人は本気で誰かを愛するのかもしれません。
読んでいると、祐一も光代も自ら闇の中に飛び込んでいる、それはまるで後先考えずブラックホールに飛び込んで、あとはバラバラになろうがどうなろうがふたり一緒なら構わないといった強固な絆を感じました。
悲劇のふたりであり、人生一度でいいからこんなに夢中に愛し合える人、何も言われなくても理解できる人とただただ情熱のままに流されていたいと思いました。
でも、忘れてはいけない。
祐一は人を殺めていることを。