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卵巣が破裂して緊急入院した話 -6【最終回】
緊急入院の場合に困ったこと
退院の話の前に、緊急入院だと通常の入院とちがってこまったことをまとめておきますね。
緊急でも通常でも入院時に保証金として5万円を現金で支払わねばならず、これは退院時の精算で丸ごと返ってきますが、キャッシュレス時代なので地味に困りました。
つきそった夫は財布を持っていましたが、さすがに現金でふだんから5万円も持ち歩かないし、いまどき支払いはほぼ100%スマホ払いかカードが主流なのでキャッシュカードは二人とも持ち歩いていないです。
面倒くさいですが夫にATMで下ろして持ってきてもらい解決。デジタルの時代ですし、もっと別の保証の形があってもいいと思うんですけどねー。
水が買える唯一の自販機も現金のみなので、もし現金をもちあわせていなかったら手洗いの蛇口から水をもらうしかない。せめて退院時までツケといてくれるか、交通系カード対応機があればなぁ…。
それから救急車に乗った時に救急隊の助言でサンダルを持ってきたのですが、病院では転倒しやすいサンダルは不可だったので、あとで家からスニーカーを持ってきてもらいました。
もし一人暮らしや親せきが近郊に誰もいない人の場合はどうしてたんだろうかと純粋に疑問です。
病院の近くで帰りの服や替えの下着や靴を買える場所がなかったし、売店でも取り扱ってませんでした。もしアニメTシャツを着ているときに救急搬送されていたら帰りもその格好で帰ることになるのか…量販店と連携したりしてくれるといろんな意味で助かるなぁ。
持っていけばよかった物
現金以外ではストロー(別の記事で書いたように)とシャチハタです。
入院時に何枚も契約書類に記入するけど、ほとんどハンコが必要。
今どきハンコ?って思ってしまいました。
緊急時にハンコなんか普通持ってないぞ?
もしかしたら手書きのサインでもよかったのかもしれませんが、家から持ってきてもらったハンコは朱肉がちぎれていて半分しか写ってなかったけど…ハンコの意味あんまりないよ???
パジャマやタオルはレンタルが便利
入院中は有料コインランドリー(これも現金のみ)も使えるんですが、洗剤を売店まで買いに行く体力も余裕もなかったので、入院時にレンタルを申し込んだのは正解でした。
もし自前のをもちこんでいたら帰宅時の荷物がものすごい量になっていたと思います。
卵巣や腹回りに負荷がかかるので「重い物をなるべく持たないように」と医師に言われたので、荷物は最小限にとどめたいところ。
安いのを買って使い捨てるにはSDGsの時代に心が痛むので助かりました。
お借りしたパジャマは生地がしっかりしていて着心地もよく、女性が気にしがちな胸元もノーブラでも凹凸が見えない生地感でした。
ノーブラでフロアを歩き回っても誰も病人の胸なんか見てないか。
退院前の採血事件
退院の朝。採血をして医師が結果を見て問題なければお昼前には退院ができるとのことでした。
で、その最後の採血で6ヶ所両腕に風穴あきました。
4回ミスった若手の看護師さんに「もっと練習台にしてもいいのよ」とか度量の大きいことを言ってあげられたらよかったんですが、予想外の回数にふきだしてしまった。けして嘲ったわけではなく、穴だらけの自分の腕がおもしろくなってしまって…つい。ごめんなさい!
5回目は選手交代で主任の札のついてる方が一発でキメて下さったのに、肝心の血が出てこない。なんでやねん。またちょっと笑っちゃったじゃないの。チョロっと出ておわり。コントか? 足りんわ!
「逆の腕でもう一回いいですか?」って。ここで5穴あいてるので、どうせなら最多記録更新してもらった方が記念になるので多少の期待を込めて見守っていたら6回目で無事に血がにゅるーっと出てくれたので打ち止め。
もう途中でおもしろくなっちゃって、看護師さん共々笑ってしまって涙が止まらなかったです。
これは次の入院まで覚えてるかも。
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注射はそりゃチクっと痛いんですけどしょせん一瞬なので、腹回りの痛みに比べるとほんとどうでもよくなりますね。
この採血結果は炎症の値が基準値を超えてはいましたが、最悪時にくらべたらぜんぜんまし。
お腹はシクシク痛むし体がふらついたままでしたが、これ以上病院にいてもできることはないそうなので予定通り退院手続きをしました。
スタッフの方が病室まで退院後に飲む薬なども持ってきて下さり、何人かの看護師さんも退院のご挨拶にきてくださったり(感謝を言わねばならないのはこちらの方です)、最後までスタッフの皆さんは手厚かったです。
疑問だらけのお金の話
今回の緊急入院の治療費ですが、請求額が約20万円でした。
あくまで私の場合ですが部屋代の差額が約10万円。どひー。
食費、薬価など様々な費用を含まれており、パジャマとタオルのリース代約3千円ほどは委託業者さんから別途請求がありました。
入院時にベッドの空きがなければ高い部屋の差額は0円になるというルールがあるらしいのですが、緊急時に意識が朦朧とする中でそういう説明はなく「個室1万5000円しか空いていないのですがよろしければ同意書にサインしてください」と言われるがまましてしまいました。
正直いって体が痛すぎてとにかくはやく入院させてくださいの一心でした。お金に執着のないセレブでは無いのでそりゃもうマネーの話には敏感ですけど、そんなこと考えていられる余裕がなかったのです。呼吸するのがやっとの状態。
すぐそばに夫がいたのですが医療の知識はないので無言でぼーっと立ってました。安定の夫氏。
そうは思いたくないけれど拝金主義の悪徳病院だったのか、退院後の今となってもよくわかりません。むむむ…。
なんで病院側がちゃんと説明してくれなかったんだろう?
朦朧としてる間に説明を私が聞き逃したのかな?
でも手術でまた入院するから「お世話になる場でもめたくない」というのが本音です。
(↑典型的日本人のつけ入られやすいよくない対応)
ただ、もし室料が無料の4人部屋だったりしたら入院生活はもっと精神的にしんどかったかもしれません。ひどいときは毎時トイレへ行ってたし、イヤホンなしでTV見放題だったことも受動的な娯楽しかできない状態だったので、ほかの患者さんにご迷惑をおかけせずに済む個室でよかったです。
部屋代はのぞきますが、高額療養費制度の申請をするとある程度還付され、保険加入してる場合も併せて忘れずに申請するといいと思います。
タクシーにも気を許してはならない
夫に持ってきてもらっていた服に着替え、外来と同じ受付で清算し、タクシーアプリで病院の入り口まで迎車してもらって自宅へ直帰。
このタクシーの運転手さんがとても穏やかで丁寧な応対をしてくださる老紳士だったのですが、それとは真逆で運転荒れぇ!
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そんなに混んでもいないお昼前の時間帯で道路も広い地区だったのもあってスピード出し過ぎ。
おだやかな民家ばかりの景色がビュンビュン過ぎ去ってく。なんかのレースに出場してたっけ?
炎症がおさまりきってない体がグォングォン揺れるし、カックンブレーキで信号で止まるたびにお腹にギシシと圧が!もっかい破れる!
シートベルトも絶妙に子宮の真上を締めてくるし、 これお腹にメス入れてから乗ってたら気絶してるやつだ。
涙目でタクシーを降りた時には夫氏ともども軽く酔っていて、は、吐きそう…。
一週間ぶりの娑婆の空気はおいしいとは言えなかったです。
でも運転手さん、最速でお家に送り届けてくれてありがとうございました。
帰宅後の生活と体調
帰宅してから「一週間は安静にして重い物は持たないように」と医師から言われていましたが、普通に暮らしてると、まぁムリなんですよね。
たまってた細かい掃除もせねば家が荒れるし、買い物で2ℓのペットボトル2本と牛乳と油などをかついだらもう6kgだし、水を吸った洗濯物をベランダまで運ぶの何キロの重さかわからん!
生活は不可避。人を雇えるセレブ以外、家で安静にするとかむりですよね。
そして人に任せる方がめんどくさいことがいっぱいあるんだ。
退院後しばらくはまだ炎症が体に残っている感じがしていて、左右の卵巣は昼夜問わずピリッと痛みが走ったり、胃腸が夜中から朝方までずっと弱く痛み続けたりしていました。
それでも痛み止めの薬を飲むほどの日は少なく、退院十日目くらいには炎症の痛みがほとんどなくなりました。
卵巣が破裂してもあいかわらずホルモン順調すぎる体なのか(もとから生理不順は無し)順当につぎの生理が予定通り始まったのでレルミナの服用を開始。
レルミナは子宮と卵巣の摘出手術の負担を軽減するために、少しでも筋腫や卵巣を小さくするのが目的、のはず。小さい方が摘出にかかる時間が短くて済むからだと思われます。たぶん。
劇薬レルミナを飲み始めてからは慢性的に子宮がギュッと握られてるような弱い痛みがつづいたり微熱が出ていますが、これも一年前くらいに一か月だけ飲んでいた時期があったので更年期のような症状がでるのは承知の上です。
ただその時にほとんど効果がなく、卵巣や筋腫のサイズにこれといった変化がなかったような覚えがあります。
これから5か月間(5万円!)も飲んで効果がなかったら泣くぞ!
でも、なにしろ薬じゃ根治しないし手術の日までは気長にのほほんとやり過ごしていこうと思っています。
手術は来年です
さて、今回の緊急入院騒ぎから約五か月間順番を待って、来年2023年1月下旬に腹腔鏡下手術を予定しております。またそれまでの通院・検査などをまとめたらnoteに綴っていきたいとおもっております。
こうなったら手術前後も人生経験として楽しむしかない。
同じ病気で苦しんでる女性たちの気持ちがわかるという特典付きだと思えばそんなに悪い事じゃないかも?
これを読んでいる方は同じ症状や何かご不安や経験がおありなのかなと思います。
どうか皆さんが私のような目には合わず、できるだけ痛みや苦しみなどの負担が少ない条件で乗り切れることを心から願っております。
ひとまずここまで冗長な記録にお付き合いくださってありがとうございました!
おまけマンガ
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