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腹腔鏡手術で子宮卵巣摘出した話-4

前回は術後ベッドごと病室へ戻ってきたところまで書きましたので、今回は術後。
主に夜間の様子を詳細に赤裸々に、医療関係者と経験者たち以外は知らないことを書いていきたいと思います。謎の絵(図解?)もあります。

なお、いまさらですが腹腔鏡手術とはお腹を2㎝位ずつ4ヶ所小さく切って、そこから棒みたいなカメラや手術器具をグサグサさしこんで、ガスでお腹をめっちゃ膨らませて、モニター画面を見ながら中の病巣を小さく切り刻んで取り出すというものです。

手術当日の夜

術後の痛みを数字で表す

病院にいくと痛みを0~10で看護師さんに伝えるよういわれる事がありますね(名称不明)。
私の個人的な体感にあてはめてみます。

術後に覚醒してすぐ、麻酔が残ってる時 →0か1

病室にもどってすこし麻酔が抜けた頃 →5

生理痛くらいのずーんと重い痛い感じですが、生理痛MAX時7~8にまだまだおよばない程度と感じました。

入院前に複数の看護師さんから「術後の痛みは5~6で、重い生理痛くらいと答える患者さんが多い」と伺っていましたが、まさにそんな感じ。

卵巣周辺が痛んでいた時の、釘か針が2~3ミリ刺さるようなチクチクした痛み(瞬間的に8くらい)ではありませんでした。

しかし生理痛でロキソニンなくしては歩けなかったし、最低限の家事もできなかった私にとっては「寝てていいなら、これ、もうちょっと強くても耐えられるかも!」とか思っちゃいました。

そこであやうく大嫌いな根性論で「ロキソニンなき暗黒時代の通学満員電車で7や8でも吊革につかまって耐えたことを思い出せ! あの頃の市販薬は一つも効かなかったじゃないの。このくらい耐えられる」などと脳内で叱咤激励しそうになりましたが、 心のフットワークの軽さだけは誰にも負けないので1秒後には

「病院でムリするとかアホなの? こんなとき甘えなくていつ甘えんの?」

と、考えを改め、痛み止めを入れてもらいました。

ズキズキビキビキの卵巣破裂したときの痛み9~10が3時間以上続いた時に比べると「不動でロキソニンあれば1~2まで下げられるっしょ?」くらいに抑えられ、不安感はまったくありませんでした。

なお下の写真は術後に撮ったベッドと私の現在の心境です。

自分で描いたイラストのカードを並べて遊ぶ図


痛みを忘れる方法

だいぶ時間が経過して看護師さんに「さっきよりすこし痛くなってきました」と伝えた時に「次の痛み止めを入れられる時間まであと〇時間だから、それまでがまんね」と言われました。

反射的に「まじか~」と落胆しかけましたが、これも近所のでっかい総合病院2件にで婦人科医不在で門前払いされたときに耐えた痛みwith悲しみ×強い不安感に比べるとまだまだマシな部類。長男じゃなくても我慢できるやつ。

看護師さんのおっしゃった〇時間が1時間なのか4時間なのか忘れちゃいましたが、

と思い、このようにして寝てました。

寝て鈍い痛みを脳に伝わらせない方法。

これはかなり有効で、2時間くらいごとに浅く目が覚めるたびに「今は寝ろ自分。睡眠とはすなわち死。仮死を乗り越え明日再生すれば勝利! ロミオとジュリエットだって敗因は報連相ミスであって仮死状態は乗り越えてたんだよ」と、自分に言い聞かせてスグネルスキル発動させてました。

(生きるために必死)

ちなみに腹腔鏡のためにお腹の4カ所切った場所はそれぞれほとんど痛くなかったです。ウサギ爪で手の甲をひっかかれ、ミミズ腫れになったときより痛くなかったです。

2cmくらい横方向に切って、傷口が開かないようにテープで止めてあるだけなんですが(ヘソ以外は縫いません)、包丁で指先ちょっと切った時よりも痛くなかったです。

ただ横向きで寝ると臓器がおなかのなかで移動するのか、重力ですこし痛い気がしたので仰向けを死守してました。

ラスボスは吐き気

術後どれくらいたったかはっきり覚えていませんが、お腹の痛みは寝て忘れられても、吐き気がむりでした。

麻酔のあとに吐き気や頭痛の出る人がいると事前に説明されていまして、私の場合も強烈な吐き気がでて「これか!」って。


なによりつらすぎて眠れない


車に酔った時よりも、生牡蠣に当たった時のような本能で危険を感じる類の吐き気に近かったです。何も食べてないので胃液と唾液しかでない、だけど脂汗がでてきました(汚くてごめんなさい)。

ナースコールで看護師さんがすぐきて来てくださり、点滴の吐き気止めをとりに戻って、また病室へ。わずか10分程度。

それが入院中もっとも長く感じた時間でした。

真夜中に吐き気どめが効くまでが地獄で、声出してヒィヒィオエオエ言ってた気がするので個室で良かったです。

点滴を流してもらったらすごい速さで吐き気が引いていて、めちゃくちゃよく効きました。30分しないくらい? もっと早かった気がします。

もしこれが朝までノンストップだったら手術してよかったとか晴れやかに言えなかったかもしれません。

手術明けの朝

音声がないと不安になりそうなので、手術の夜だけは一晩中TVをつけておいてもらいました(これも個室で良かった点)。

1~2時間おきにウトウトしたり数分だけ目が覚めるのですが、NHKつけてたら例のサバサバ女さんのドラマが流れていて「でたーーーーーー!!!」って心の中で絶叫した時間帯もありました。

詳しくはこちらの記事に。

例のモラハラ医に祟られてるなぁ~…。
退院後も絶妙に陰湿なモラハラ発言を聞いたのでそのうちnoteにまとめたいです。(ここの病院ではないですよ)

その次に目覚めた時の様子がこちら。


さっきとは正反対。

早朝の美しい映像が無音で流れるNHKのネイチャー系番組「北海道・かわいい動物たち~さわやか自然百景から~」で、うつくしい自然とかわいい小動物が視界に次々とはいってきました。

この番組、たびたび朝3時頃から放送されてるんですよね。
眠れない日の早朝に何度か見たことがあります。

ナキウサギ、エゾリス、シマリス、モモンガなどがアップで写って胸キュン。なにこれご褒美?
このタイミングでこそ見たい番組じゃない?

寝返りがうてなくて首しか動かせずしんどい中、モフモフやきれいな森に癒されました。
ああいう特殊な時間帯に流れている穏やかな番組って、こういう特殊な局面にある人の役に立っているんですね。


手術の翌日

痛いのは下腹部ではなかった件

手術する前はきっとお腹が痛いとばかり思っていたんですよ。

ちがいました。

ずっと同じ仰向けで寝ているので、腰や首のほうが痛かったのです。

血栓防止でフットポンプを巻いてるので脚も動かせないし、おなかに影響ありそうで怖くて足を動かすこと自体もはばかられ、胸に心電図っぽいコード、おなかの切れ目からダイレクトに生えてる謎コード、尿管、親指の付け根に点滴、指先に酸素濃度計っぽい大きめのピンチがついてがんじがらめ。

動けぬ!

これ、自己主張の手段を持たない閉じ込め症候群の方々はさぞかしたいへんなのでしょうね。映画「潜水服は蝶の夢を見る」を思い出してしまいました。

痛いですと訴えても腰に枕かタオルを当ててもらえるだけなので、こればかりは耐えるしかないようでした。

上半身を起こす&立つ&歩く

想像では1時間くらいかけてだんだんゆっくり起き上がるのだろうな~、3時間くらいたったら歩くのかな~? と。

はい、これもちがいました。

現実の様子

ネタでもなんでもないです

こんなでした。

胸と指先につなげてるコード類をブチブチとひっぺがしたら「じゃあベッド起こしますね」ウィィィィィィンン。

「あ、まだ心の準備が!ジェットコースターはのぼりが怖い怖い怖い!座るの怖い! お腹に力入れるの怖…ん? 痛くねえわよ」

のさむい脳内一人コントからの、医師&看護師さんがどやどやと3人くらい入ってきて、

「じゃあおなかの管ぬいちゃいますね~」

「えー?! 視覚的に怖いんですけど! お腹の切り目から直に管が何本か飛び出てるんですど、あ、アーッ! …思ったより痛くなかった」

脳内の私はものすごくうるさいですけど、さすがに中年なので終始黙っていました。

言葉にするよりも手早く、息を吐いてる間に終わってました。

ギャグマンガで目が飛び出る表現あるけど、まさにそれ。
体内からぶち抜く。抜ける瞬間にブチィッって鳴ってるような気がしたくらい。

尿カテーテルを抜くのは女子なのでそれほど痛くなかったです。

何をするのもお腹が痛むんじゃないかとビクビクしてましたけど、ベッドの横に座って、着替えを手伝って頂いた後にすぐ立つんですけど、お腹の内外はほとんど痛まず。

術後たったの16時間経過しただけで、まだもっと痛いと思ってたのに、意外すぎる。

むしろ立ってる方が腹部への圧迫がないからなのか痛くないし、全身がだるいけれどふつうの速度で歩けました! (絵では走ってますがさすがに誇張です

看護師さんが他の患者さんに比べて歩くの速いとおっしゃってましたが、ほんとに、これは誇張なしでスタスタふつうに歩けました。

癒着を防ぐ目的で病棟内を歩き回るよう指導されるのですが、院内には術後で歩き回っている女性患者さんが常に何人かおられ「あんなのムリだ!」って思ってたのにムリじゃなかったです。

医療の進歩すごい!


いつもながら冗長ですが、ここまで読んで下さってありがとうございました。

続きは術後の経過について書きたいと思いますので、また読んで下さるとうれしいです。

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