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着付け技能検定1級・実技試験を終えて
「暑さ寒さも彼岸まで」…は? 近年は彼岸過ぎても半袖で過ごせるほど暑い中、七五三や成人式で忙しくなる前にタイトルの実技試験を受けてきました。
ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので説明しますと、この検定は筆記試験と実技試験からなり、筆記試験に合格すると実技試験が受けられます。実技試験は生身の人間をモデルにし、規定の時間内で仕様通りに振袖を着付けます。
以前、一緒に働いていた美容師は「その試験、1回じゃ受からないっていうやつですよね?」と言っていました。その一方、1回で受かったという着付師も別の勤務先にいました。いずれにせよ、一発合格するつもりで臨まないと高い点数は取れるはずがない!
振袖は普通、袷(裏地付き)で仕立てられていますから夏場に着ることはなく、着るとすれば結婚式や夏休みに成人式をするとき等、空調設備が整った会場なら、ちょっと無理して着るかなーという物です。試験日が決まったのは8月。モデルさんも私も、
冷房が効いているはずの部屋で汗だくになって練習を重ねました。
リアル成人式該当者の娘はどうしても都合がつかず、娘のお友達がモデルになってくれたことに、大きな感謝です!
今は教室通いしておらず、なおかつフリーランスの私は、練習にあたっては以前通った着付教室のテキスト・YouTube動画・派遣先で出会った他の着付師の技術など…とにかく多種多様な着付方法を思い出したり、調べたりしました。
「これはいい」と思った技術は練習で真似してみるのですが、手が慣れないせいか同じようにはできず、できたとしても時間がかかり過ぎて試験日までに習得が間に合わないものも多々ありました。
直前まで試行錯誤しましたが、最終的には長年やっている自分のやり方で通すことがほとんどでした。だからもう、流派なんてない! フリーだからこその我流です。
さて、試験当日。
「焦っても焦らなくても、時間は同じ」
これはかつて働いていた美容室の着付師範の言葉ですが、落ち着いてやろうと意識しても、ミスったり周囲の進み具合が視界に入るとやはり動揺するんですよね…
ミスった・事故ったについては「急がば回れ」だなと、つくづく思います。フォーマルな着付は「後で直す」が利かない部分がほとんどで、時間が許す限りは戻れるところまで戻ってやり直した方が仕上がりの違いは明らかなので、そんなときは師範の言葉を思い出しながら手を動かしていました。
本番は、練習時より時間に余裕をもって完成させることができました。
あとはモデルを会場に残し、審査が終わるのをロビーで待ちます。モデルは腕を上げたり会場内を1周歩いたりと、軽く動くことを要求されているのが、出入口のドア越しに洩れる声でわかります。
終了後、会場に戻り着付けた物を見ると…「あれっ? 何これ? さっきと違うぞ。これってつまり、着崩れてるってこと?」
襟合わせ・振りの長さ・帯周り全体などなど、たった十数分間で変わっている箇所がいっぱい! これにはもう、愕然としました。「これが、1回で受からないといわれる所以か」
フリーであるが故「着せ逃げ(着付だけして、お脱がせをせずに撤収すること)」が多い私は、2級(静態)と1級(動態)の違い、そしてこれこそリアルな着付を試される場だと、初めての1級受検で自分の腕前のなさを思い知らされる結果となりました。
合格点は70点以上(100点満点)のこの検定、結果発表は年明けてからとなります。
もう受かる気がしない! 反省点は写真とメモでまとめたし、気持を切替えよう!
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