キリストは馬小屋で生まれた?【降誕節】【ルカ2:1-10】【やさしい聖書のお話】
2022年12月25日、クリスマスの日曜日の聖書のお話です。
はじめに
クリスマスおめでとうございます。
今年は待降節から、ルカによる福音書が伝えているイエス様の降誕のできごとを読んでいます。
でもクリスマスのできごとは、みんな知ってるよね。
というわけで、問題!
次のうち、ルカによる福音書に書かれていないのはどれでしょう。
①マリアとヨセフは宿屋には泊まることができなかった。
②イエス様は家畜小屋で生まれた。
③生まれたばかりの赤ちゃんイエス様は、飼い葉おけに寝かされた。
では、イエス様の誕生の場面を見てみましょう。
イエス様が生まれた
ローマ帝国に住んでいる人はすべて故郷の町の役所で手続きをしろという命令が出ました。
それでヨセフとマリアは、ヨセフの故郷であるベツレヘムに行きました。でも、じゃらんとかトリバゴでホテルを予約するなんてできない時代です。
二人がベツレヘムに着いてみると、泊まるところがありません。こう書いてあります。
こうしてイエス様が生まれました。
そして、野宿していた羊飼いたちは、天使から救い主のお生まれを告げられて、赤ちゃんイエス様に会いに行きました。
「馬小屋」も「家畜小屋」も出てこなかったね。
「宿屋には泊まれなかった」ということと、「乳飲み子(赤ちゃんイエス様)を飼い葉おけに寝かせた」ということだけ。
飼い葉おけ(家畜のえさをいれるもの)は、家畜小屋にもあったけど、建物の外に置いてあることも普通でした。
ところで羊飼いのことはこう書いてあります。
マリアとヨセフと乳飲み子、赤ちゃんイエス様がもし馬小屋の中にいたなら、羊飼いたちはどうやって探し当てたのだろう。
馬小屋(家畜小屋)の飼い葉おけだったかもしれないけど、でも、マリアたちは宿屋の外で野宿していて、生まれたばかりの赤ちゃんイエス様を飼い葉おけに寝かせていたんじゃないかなと思うんだ。それで羊飼いたちは探し当てることができたんじゃないかなって。
神様である救い主が、神様の立場を離れて人間となってこの世に来たのは、十字架でぼくたちを救うためです。こう書いてあります。
天使は羊飼いたちに「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」と告げました(1:11)
でも、王様である救い主がもし宮殿で生まれたなら、貧しい羊飼いは会いに行くことができなかったでしょう。
神様である救い主が、人間ならないで神様のままだったなら、ぼくたちの罪は十字架でゆるされることもなく、神とは関係なく全員が地獄に落とされるしかありませんでした。
でも救い主は、神の身分を離れて人間になり、王様としての権力もないふつうの人になり、何の力もない赤ちゃんになって、会いたいと思えば誰でも見つけられるようなところで生まれたのです。
実際、ベツレヘムの町の人たちは、羊飼いたちからすべてを聞いたたとき、不思議に思っただけで救い主を見に行きませんでした。
もしかしたら町の人たちはこう言い訳するかもしれない。「なぜ天使は私たちに告げなかったのか。もし私たちに告げたのが羊飼いじゃなくて天使だったら、私たちは救い主を見に行ったのに」
でもね。たぶんこの人たちは、天使から告げられても見に行かなかったか、見に行ったとしてもその赤ちゃんが救い主だとは信じなかっただろうと思う。
だって、大人になったイエス様が、自分は神の子であると告げても、聖書の専門家たちも信じなかったからね。
誰から聞いても信じない人もいるし、誰から聞いても信じる人もいる。
いつだって、どんなことだって、信じるか信じないかを決めるのは自分なんだ。
信じない人は、たとえ奇跡を実際に自分の目で見たとしても、信じないで「どうせインチキに決まってる」で終わらせてしまう。
それでもイエス様は、信じない人にも救われてほしいと願って十字架で死んで、今も信じてくれるのを待っている。
だからぼくたちも、なかなか伝わらなくても、なかなか信じてもらえなくても、イエス様を伝え続けるんだ。
さて。今日は今年最後の日曜日です。一年間ありがとうございました。
じゃ、また来年。
動画版のご案内
このnoteの内容は、2022年12月25日、クリスマスの日曜日の教会学校動画の原稿を加筆・再構成したものです。
動画版は毎回6分ほどの内容です。下記のリンクからごらんいただくことができます。
キリスト教の信仰に不案内な方、聖書にあまりなじみがない方には、説明不足なところが多々あるかと思いますが、ご了承ください。
動画は千葉バプテスト教会の活動の一環として作成していますが、内容は担当者個人の責任によるもので、どんな意味でも千葉バプテスト教会、日本バプテスト連盟、キリスト教を代表したり代弁したりするものではありません。このnoteの内容は完全に個人のものです。